番外:与那国馬=日本に8種類しかいない在来和種のひとつ(沖縄県)馬のいる岬はこれで三つ目かな [番外]

東牧場の東崎にいる馬は、与那国馬(よなぐにうま)という日本在来種の馬である。在来の和種馬というのは、8種類しかいない。ついでだから調べてみたら、北から北海道の和種馬、長野県の木曽馬、愛媛県の野間馬、長崎県の対州馬、宮崎県の御崎馬、鹿児島県のトカラ馬、沖縄県では宮古島の宮古馬と、ここの与那国馬。

これら和種馬のうち、北海道でこそ1000頭を超えているが、そのほかのは100頭台から数10頭台で、ほとんど絶滅の危機にある。
他からの影響を受けにくい離島にいたため、これら在来馬のなかでも最も純度が高いといわれる与那国馬も、集計が始まった昭和43年には210頭いたが、平成24年には130頭まで減少している。この数字は公益社団法人日本馬事協会のデータだが、与那国馬の保存と活用活動をしているというNPO法人のページでは2011年と断って60頭としている。2011年の日本馬事協会のデータでは119頭だから、やはり倍半分の違いがあるが、その意味は不明。

いずれにしても、現在ではきわめて少なくなっている与那国馬。みなさん土日におなじみのサラブレッドと比較してみると、与那国馬の体高は110~120センチと50センチも低い。体重も200キロ前後で半分くらいしかない。毛色もいかにも昔ながらの馬らしい鹿毛(かげ)だけである。

農耕など農作業には欠かせない馬力を提供していたが、機械や自動車が普及するにつれて減少したといわれている。与那国町ではなんとかその種を絶やすまいと、町の天然記念物として保護している。

与那国島には、ここ東牧場と北牧場、南牧場と広い牧場があるが、やはりメインは牛のほうである。今では観光用くらいにしか仕事がない馬のほうは牧場の居候なのであろが、大事にされているようなので決して肩身は狭くはなさそうだ。

牧場との境は、石垣や柵をめぐらせてあるが、道路が通っているところには柵もできない。そこで、与那国島ではテキサスゲートというものを設けている。名前からして、テキサスの牧場に習ったものか。このゲートがどういうものかというと、道路に一定の間隔を開けた溝をつくってあるだけなのだ。

幅もあるので、四本足で飛び越えることはできないらしい。助走をつけて走ってくれば飛び越えられると思うが、馬はそんなことは考えない。車はなんなく通れるし、人間なら溝でないところを選んで踏んでいけば渡ることができるのだが、四本足ではそれも怖がってできないのだそうだ。

夏の過酷な暑さにも絶え、厳しい嵐にもめげず、粗食でも忍耐強く、しかも従順で賢く、人間のいうことをよく聞くおとなしい性質…という、まったく馬にしておくのが惜しいような…。

そういう数少ない与那国馬のうち、22頭も飼育しているというNPO「ヨナグニウマふれあい広場」では、さまざまなプランで観光客に馬と接する機会をつくろうとしているようで、西崎の下の浜ではそのひとつらしい光景にも遭遇した。


馬と岬…。
そういえば、ほかにもあったぞ…。ええっと、あれはどこだったかな、と思い返してみると、まず宮崎県の都井岬での馬の姿が浮かんでくる。
これが、8種類の和種馬のひとつにあげられている宮崎県の御崎馬であろう。
それから、あとは…青森県は尻屋崎の立寒馬、そのくらいかな。思っていたより少ない。尻屋崎のは混血種だという。



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