1067 浜崎・長崎=八重山郡竹富町新城(沖縄県)石西礁湖のなかを安栄観光と八重山観光フェリーの船が走る [岬めぐり]
石垣島と西表島の間には、竹富島、黒島、小浜島(こはまじま)、新城島(あらぐすくじま)の有人島が点在し、その周囲の海域には石西礁湖と呼ばれるサンゴ礁の海が展開している。
波照間島や鳩間島も含めて、八重山の島々へ行くには、住民も観光客も石垣島の離島ターミナルから出る連絡船に乗って、それぞれの島と往来することになる。
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この連絡船を運航する会社には数社があり、それぞれターミナル内にカウンターを設けている。このうち、観光客も利用するが島に住む住民がその足として主に利用しているのが、安栄観光と八重山観光フェリーの二社の航路である。
この二社は、お互いに共同運行で提携していて、どちらかの乗船券でどちらの船でも乗ることができる。以前には、両社が同じ時刻に同じ島に向けて出港していたので、なんか無駄な感じがしていたのだが、両社の競争は協力提携に向かうことで落ち着いたようだ。これで、乗客が気にするのは行き先と出港時刻だけでよいことになる。
波照間島については、安栄の航路だけしかないが、この航路も石垣港を出ると竹富島の南側の石西礁湖を西へ進む。すると、進行方向に右手には小浜島と西表島が現れ、左手には平べったい黒島が見えてくる。黒島を過ぎる辺りから、船は微妙に南向きに進路を変え、西表島の大原港と新城島の間を走り抜ける。
新城島は、北にある上地と南の下地の二つの島に分かれている。この島も黒島と同じくやたら平べったいだけ(最高点が20メートル)の島だが、この二つの島に二つの岬がある。
上地と南の端が浜崎、そして下地の北の端が長崎。
二つの岬の間は、470メートルほどしかない。
これは安栄観光の船の客室から、汚い窓ガラス越しに眺めることに。汚いにも理由があって、この航路はとくに新城島から波照間島までは石西礁湖のエリアを離れて22.5キロあり、島影のない外洋に出る。そこでは風も強く波も高くなるので、船は上下動が激しくなり、船底をバンバンと波が打つ音がする。窓ガラスには、絶えず飛沫が飛び散る。掃除をしてもきりがないのでほってあるのだろう。
安栄観光の船のタイプには、ひとつの型があるようで、前方操縦席の後方下が客室で、後方にも椅子席はあるが少し高くなったそこはデッキに椅子をおいて回りを囲って窓をつけたという感じである。(昔、この航路に乗ったときには、もっと小さな船で、後方はデッキそのものだった。)
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このスタイルが同じで、独特のフォルムをしているのだ。
石西礁湖ポータルウエブサイト という環境省の関連らしいが、運営主体がどこなんだかよくわからないページの説明によると、石西礁湖(なんか海なのに“湖”を使うのが変だけど)は、まさにわが国を代表するサンゴ礁生態系を維持していて、沖縄本島等、高緯度域へのサンゴ幼生の供給源でもあり、国内外から高い評価を得ているほか学術的にも貴重な地域なのだそうだ。東西に約20キロ、南北に約15キロの広大なサンゴ礁域は400種を超える造礁サンゴが分布する種の多様性の高い海域だという。
そういうわけで、その安栄の船が往来する海域は、当然岩礁や浅瀬も多く、船はところどこに立っている標識柱にしたがって、決められた航路を走っている。
この地域の特性は、地図を見た限りではよくわからない。やはり、“地図”ではなく、“海図”を見なきゃ…。
石西礁湖自然再生協議会という名もあるそのサイト内に、こんなのがあった。
これは、そのなかの「平成18年度 石西礁湖自然再生技術手法検討調査業務 報告書」という資料に挟まっていた図で、サンゴの生育状況を調査したものらしいが、これを見るとまさに石垣島と西表島の間にあるこの海域の地形・海形?が非常によくわかっておもしろい。(この図の左下の★の右が新城で、浜崎と長崎の間が水道になっている)
まさに、石垣島と西表島はこのサンゴ礁と島々で見事につながっていて、その北と南は急に深い海になっていることがわかる。これが頭に入っていると、ここを走る船に乗っている観光客も、ちょっと違った角度で海と島を眺めることができそうだ。
▼国土地理院 「地理院地図」
24度13分30.88秒 123度56分12.29秒 24度13分16.80秒 123度56分2.40秒
沖縄地方(2014/01/23訪問)
タグ:沖縄県
沖縄の離島めぐり、すばらしいですね。
by だいだらぼっち (2014-03-02 06:44)
@だいだらぼっち さんのように、欧州旅行などとはいきませんが、まだ西表島、与那国島、宮古島…と続く予定なので、よろしくお願いいたします。
by dendenmushi (2014-03-03 16:01)