1064 毛崎=八重山郡竹富町波照間(沖縄県)地図から消えていた“∴ ハマシタン群落”もあったはずの行けないモウビナ [岬めぐり]
北浜のニシ浜から、自転車を漕いでいちばん海寄りの道を南に向かう。ここから先は人家もまったくない。人影もない。あるのは、サトウキビ畑と道路と工事中の農地と農道、それに名もわからぬ植物や木々が密生して生い茂る森(林でもないし密林というのもちょっと違う)ばかりである。
そこを突き抜けて海岸に出たいので、その道を探しながら走る。わずかに森が切れたところがあるのでそこに自転車を押して入るが途中から自転車も止めておいて茂る草をかきわけ踏み分けて歩いていく。
海岸に出るところは、人一人がやっと通れるほどの隙間が、南西諸島の木ともいえるモンパノキの間に砂浜と海が見えた。この道が、地理院地図で長い破線で描かれているところだ。ZENRINソースのMapionでは、この道が幅広の自動車道のように描かれている。さすがにグッドデザイン。
砂浜は南浜(ペーパマ)である。すぐ北側には、浜崎が見える。
振り返って南側を見ると、遠くに岩の出っ張りが突き出している。これが毛崎(もうびな)だが、周囲は深い森と岩の海岸が続いていて、そこへは行ける道がない。毛崎は波照間島の最西端になるが、行けない最西端。なので、この南浜から眺めるのが、船以外ではおそらく唯一の方法だろう。
ニシ浜(観光客向けの地図での表記はこれ)までは来ても、南浜までもやってくる酔狂な観光客はさすがにいないらしく、この砂浜には足跡もない。
へそまがりは、こういうところがダイスキ!
波照間には二度ほどきている。そのときにも、自転車で走ったが毛崎には行けなかったので、作戦を変更して正解だった、というわけだ。
もうひとつこれまで気にしながら自転車で走っている限りでは、なにも発見できなかったものがある。それは“ハマシタンの群落”。行ってみれば標識が看板か何かあるだろうと思ったが、それが大間違い。なーんにもない。
以前は国土地理院の地図でも ∴ 史跡マーク付きで天然記念物かなにかのように、毛崎の周辺に表示してあったと思うが、それが今の地図ではきれいさっぱりなくなっている。我が道を行くMapionも、これはめずらしく国土地理院と歩調を合わせている。
あれっ、と思って観光ガイドの地図を見るとこれがちゃんと表記されている。
これは、どうしたことだろう。どう解釈すべきなのだろう。確か、沖縄の名木百選にもなっていたはずなので、そう簡単に消えてしまうということもなかろうに…。
ハマシタンとはこれかなあれかなと、森の木々を眺めてみても、素人の悲しさ。これがそうだよと教えてくれる標識でもない限り、さっぱりわからない。
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そのなかに道でもないかと探していくと、わずかにそれらしいところがある。そのなかに入って行くが、途中で引き返そうかという気にもなるほど、なにもない。それを我慢してなおも踏み跡を辿っていくと、急に白いものが見えてきた。
それは砂ではなくすべてサンゴの死骸で埋め尽くされた小さな浜であった。両側から痛い岩がゴツゴツと出ていて、その間に狭いプライベート・ビーチ。
このあたりが毛崎に近いところのはずだが、左右は岩に遮られて展望が利かない。
ずっと見てきて、結局海岸に出られる場所はここだけだった。
地図では毛崎のすぐそばまで細い実線で整然と道が表示されている。未舗装の農道で、そのなかはまだこれからサトウキビ畑になる予定のところだ。
▼国土地理院 「地理院地図」
24.054876, 123.753061
沖縄地方(2014/01/23訪問)
タグ:沖縄県
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