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1041 二ッ岳崎=長崎市千々町(長崎県)八郎岳と小八郎岳からスロープが落ちてくる海岸は波が岩に千々に砕け散り… [岬めぐり]

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 長崎半島の東海岸については、「1039 枇杷崎」の項でも述べたように、道路を通すだけでもかなりの苦労があった。現在では、県道34号線がいちおう南まで通してなんとか全通してはいるが、なかなかの難路でもあるのだろう。そこをバス路線が、周回しているわけではない。
 バスが通っているのは、切れ切れで、北から半島の付け根から茂木へと、為石から木場付近と、あとは南端の脇岬周辺くらいである。
 幸か不幸か、集落もまばらなこの東海岸では、岬の数が少ない。海岸のでこぼこには不自由していないのに、バスが走っていないところでは、ほとんど名前のついた岬はない。やはり、岬もその周辺に関わりの深い人間がいなければ、名前もつかないのだ。考えてみれば、当たり前のことだ。
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 「1038 赤鼻崎」「1039 枇杷崎」「1040 切宮岬」の順路は、南から北になっていたが、ここからは、南に向かって東海岸の岬めぐりを続けよう。そういうわけで、茂木の赤崎鼻から南に岬を探していくと、次はどーんと飛んで千々町の二ッ岳崎となる。
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 二ッ岳崎がある千々町へも、バスがまったく通っていないともいえないものの、本数が少な過ぎてまず使えない。それにバスが行くのは千々町でも北のほうだが、二ッ岳崎は千々町の南の端。おまけにやはり道を通すのに苦労した跡が偲ばれるように、岬からうんと離れたところをトンネルで越えているので、なにか車を調達したとしても…。
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 そこで、為石町から川原(かわら)公園方面へ行く路線が、長崎からあるので、ここはその路線から眺めるのでよしとした。
 初めての長崎の町に来て、グラバー園の下にあるANAなんたらというホテルに2泊もしたのに、結局グラバー園にも大浦天主堂にも行かなかったなあ。
 この日も、朝からの雨をついて、ホテルを出て石畳を降り、グラバー園下のバス停でバスを待つ。雨だから今日はやめておこうという余裕はない。
 国道499号線は、長崎市街から野母崎まで通じているが、途中までは半島の山の中を、途中の栄上から先からはだんだん西の海岸寄りを走る。
 バスは、その栄上から東海岸に向かって下っていく。そこが為石町で、海に出たところから、二ッ岳崎も見えるようになる。
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 ここに収録した、雨粒だらけのバスフロントガラス越しに見える写真は、川原公園からの帰りの車窓のものになる。
 遠望であるうえ、この雨では二ッ岳崎もその先端に伴う岩島もなんとかわかるという程度だが、川原町の海岸からは年崎、メボシ崎との3ショット。その距離は、およそ3.8キロもあろうか。
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 千々(ちぢ)町は、やはり旧茂木町の一部地域であったが、1962年に長崎市に編入されている。それから1971年までの間は「長崎市千々名」と、“名”がつく字名だった。
 この長崎シリーズのはじめで、現諫早市多良見町の旧大草村(町)付近に字名に“名”がついていたのを、諫早市に合併するときになくしてしまったという例を紹介していた。大村湾からだいぶ南のこの地域でも、まったく同じことがあったわけだ。
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 千々町は、長崎半島では最高峰の八郎岳という標高590メートルの山が、2.7キロの幅で険しく天草灘に滑り落ちるところである。その名は断崖に打ち付けくだける波のイメージからきているのだろうか。
 また、二ッ岳崎の名は、八郎岳から南東方向に小八郎岳(564メートル)のピークがあるので、その延長線上の岬を“二ッ岳”としたものだろう。
 ついでにいうと、矢上の八郎川もこの八郎岳・小八郎岳も、鎮西八郎為朝の伝説に由来するというが…。
 飯香浦や茂木から南に続くところでは、大崎町や宮摺町と同じようにビワ・ミカンを生産している。
 この宮摺(みやずり)町の命名に関しては、こんな説がある。かつてキリシタンがこの地にあった“かまど神社”を破壊し、それを修理して再建したので“宮修理”、これが転訛して宮摺となったという。この転訛説は地名の由来ではどこでも広く活用されてはいるが…。
 ともかく、これまでも述べてきたように、この地域がキリシタン大名の大村藩主によってキリシタンに寄進され、その領地になっていたことは事実で、そのあいだに神社や寺院が破却されたということもまた事実であったらしい。

▼国土地理院 「地理院地図」
32.644853, 129.871418
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dendenmushi.gif九州地方(2013/11/03訪問)

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タグ:長崎県
きた!みた!印(37)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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コメント 2

ハマコウ

おはようございます
地方の路線バスは本数が減らされたり 路線が変更されたり 廃止されたりで 利用するのが次第に難しくなっていますね
路線バスを利用しての岬探索 ご苦労が想像できます
知人の家の前のバス停には 7時代に一本しか書かれていないそうです
年配者に不親切な世の中になりつつあるようで 考えてしまいます 
by ハマコウ (2013-12-08 07:40) 

dendenmushi

@ハマコウ さん、いつもありがとうございます。
バスについては、ひとかたならぬ愛を感じてもいますし、このブログのなかでも、たびたびちょこちょことふれています。
なかでも気に入っっているのは、「バス」の語源は、オムニバス(omnibus)に由来し、元のラテン語の意味は「すべての人のために」ということだということです。
これについては「430 羽島崎」の項で書きました。また、それを改めてリンクした「月島界隈 25」の項でまとめています。
お暇がございましたら、どうぞ…。
by dendenmushi (2013-12-09 21:24) 

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