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1039 枇杷崎=長崎市飯香浦町(長崎県)往来も困難だった長崎半島の東海岸ではビワが多く取れるからビワザキもある [岬めぐり]

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 枇杷崎というからには、ビワがたくさん植わっているのだろう。そういうごく当たり前の想像が、ちゃんと当たっていたりすると、かえって拍子抜けしてしまう。なんかこう、もうちょっとヒネリはないんかいね…とそのウラまで期待してしまうのはへそまがり的よくない習性なのだろう。
 茂木地区は全体が、今もビワやミカンの産地である。
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 この旧茂木町が長崎市に編入されたのは1962(昭和37)年だが、それ以前の茂木地区は、いろいろ変動があって、一時は野母崎まで含まれていたこともある。もっと遡れば、やはりここら長崎半島一帯は大村藩であったが、1580(天正8)年には、大村純忠がなんと領地のうち長崎村・茂木村をイエズス会に寄進するという大異変が起こっていた。
 やっぱり、問題だろうそりゃ。というわけで、秀吉は1587(天正15)年にイエズス会からそれを没収している。その間、イエスズ会支配のもとでは神社や寺院が焼かれたこともあったらしいので、秀吉の起こした二十六聖人殉教事件の背景としては、これも見過ごしにはできまい。
 家康が天下を取ると、幕府がこれを直轄領にしたが、茂木の領主はその後の論功行賞に使われて何度か入れ替わった後、また直轄に戻ったかと思えば島原藩領になるなど、なかなか落ち着けないのである。
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 もともと長崎半島の東側というのは、300〜500メートルくらいの山がいきなり天草灘に落ち込んでいて、平地というものがほとんどない。ところどころ山間から流れ出る谷川の河口に、小さな集落が点々とある、という感じである。そうなると、当然集落の往来には苦労が多くなる。
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 茂木町はなかではいちばん開けた場所でこの地域の中心になるが、北の入江に連なる飯香浦町や太田尾町も、元は旧茂木町の一部だった。が、そこへの往来は陸路よりも海路を船で行くのが普通であった時代も長かったようだ。
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 茂木から北の矢上へ行くバスに乗って、県道34号線で北浦を越え、山の上の道を何度も曲がってまた曲がって行くうちに、現在の長崎市飯香浦町に入り、バスのフロントガラスのなかに枇杷崎が見えてくる。
 茂木と飯香浦の間を結ぶこの道は、もともと難路で、細い山道でしかなかったのを、地元の人々の努力で、最後には陸上自衛隊まで出動してやっとできた道だという。
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 飯香浦(いかのうら)の入江をつくっている枇杷崎は、南に向いて三角に張り出している岬で、ここも先端は崖になって終わっている。
 バスは少し高い50メートルくらいのところの道を、細かい出入りを繰り返す尾根に沿いながら曲がるが、その上も下も、そして枇杷崎の上もみんなビワの木もたくさんあったようだ。
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 入江を挟んで、西が片峰、東が飯香浦と2つの地区に分かれているが、どちらも集落は、谷筋の斜面に沿って山に伸びているので、古い石積みが目立つ。海に近い平地には、ビニールハウスやなにかの苗床をつくっているようなところもあった。
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 山間僻地というほどの山奥ではない飯香浦の石垣の前にある標識には、長崎市街と網場(あば)への矢印がある。とりあえずは、日見から長崎街道であるいは山川河内から山越えで、市街地へ向かうのも今では容易になった。網場は長崎半島の東の付け根、日見峠の東で橘湾に面した町である。
 このルートをバスが走るようになったのは、そう昔の話ではなさそうだが、現在でも本数も乗客も少ない。
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 初めての土地を訪問して、その土地でバスがどこをどう走っているかを知るのは、旅人にとってはなによりも重要なことだ。その情報も現在ではネットでかなりのことがわかるのでうれしい。
 しかし、その情報提供の方法は、バス会社によってみんなそれぞれ独自のシステムを組んでいるわけだが、これがなかなかうまくない。総じて、初めてその土地を訪れる人への配慮が足りない。
 長崎バスの場合も、良い点もあるのだが、この点では例外ではない。
 とにかく、長崎バスが「どこをどう走っているのか」が、路線図を見てもさっぱりわからないのである。起点と経由点と終点がわからない。
 おまけに、現に乗っていて実際に走っているバス、この茂木町から飯香浦町を経由して矢上へ行く路線は、この路線図にもない。網場から矢上方面にかけて(図右上)は、空白状態なのである。
 このバスは、いったいどこを通ってどこへ行くのでしょう。
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▼国土地理院 「地理院地図」
32.717551, 129.933518
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dendenmushi.gif九州地方(2013/11/02訪問)

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タグ:長崎県 歴史
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