1038 赤崎鼻=長崎市北浦町(長崎県)港と港を結んで走る長崎バスに乗って長崎市街を縦断し半島の東側に出る [岬めぐり]

時津の港から少し南へ歩いて、国道206号線と207号線が合流する交差点を越えたところから、茂木港へ行くバスに乗って、赤崎鼻まで一気にやってきた。長崎バスの路線に、そういうルートがあるのは、やはり街道筋の連携を意識しているのだろうか。

二十六聖人の遺跡もある長崎市の北部から、浦上・長崎駅を経て324号線に入り、山一つを越えて半島の東側を若葉川沿いに下ると、そこが茂木(もぎ)という港町である。
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324号線が終わり、県道34号線と交差する辻には、黒塗りの古そうな民家もあれば、やはり老舗らしい黒づくめのお菓子屋さんが店を構えていたりするが、それ以外には店も数店しかなく、あとはほとんど住宅ばかりである。三方はすべて山に囲まれているので、あまり広がりはない。

その間を東の港に向かうと、割に大きく開けた漁港がある。茂木の港は、河口の南側の漁港と、フェーリー発着所のある北側と、大きく分かれているようだ。その間にある低い丘には、いかにも港町らしく厳島神社と大山祗神社が揃い踏み。港を取り囲んでいる住宅地は整然と区割りされている。

赤崎鼻は、切り立った断崖で、40〜50メートルはあろうか。その上が74メートルのピークになっている。沖合には長い防波堤が伸びている。その防波堤の北の端に、岩礁を伴って赤崎鼻が出っ張っている格好になるが、船の出入りはこの岩礁地帯を避けて、港の堤防の白い灯台を回って外防波堤の南から出入りするようになっているらしい。
港には、おびただしい数の船が入っている。時間がもう午後になると、漁船はみんな帰ってきているからだろう。

赤崎鼻のある場所は、北浦町になるが、港の周辺は茂木町。
こうして岬めぐりで、まったく初めての知らない町を歩いていると、ちょっとコーヒーでもいただきながら一休み…という気分になることは多いのだが、この希望が叶えられることはきわめて稀である。まず、そういうおあつらえに都合のいい喫茶店などなかなかない。当然だが、次のバスの時刻に間に合わなくなるのも困る。

この茂木には、港のそばに普通の住宅の一階を喫茶店にしたような店があった。自家焙煎を謳い文句にしているところをみると、コーヒーも決して機械でガシャガシャと入れた泡の浮いたいいかげんなヤツではなさそうなので、店構えは問わないことにする。飛行機→連絡船→バスと、乗り物に乗りづめでここまできたので、ちょっと一休み。
もちろんこれも、次の飯香の浦方面へ行くバスの時刻をちゃんと確かめてからでないとできない。このときは時間に余裕があって、ゆっくりと自家製のシフォンケーキもいただけた。

狭い店内には、2つしかないテーブルの上になにやら展開している。それを片付けながら女主人が言うには、明日のお祭りに備えて、フェリー乗り場の広場に出店する商品の準備をしていたということらしい。
この頃では、神社のお祭りだけでなく、地域のイベントとしてのなんとか祭りも盛んで、なにかそういうもののようだった。
ところが、この翌日の日曜日が、長崎地方は朝からかなりの雨になってしまったので、結局このお祭りも予定のイベントも中止になってしまったのかもしれない。せっかくの準備したのに…。
長崎のバスは、一部長崎県営バスもあるが、ほとんどは長崎バスである。長崎では共通ICカード3,000円もあるので、それを買っておいた。この頃のバスは、だいたい整理券降車時精算方式が多い。これだと、いつも降りる停留所と小銭を同時に気にしておく必要がある。地方でもこういうICカードがあると、とりあえず降りることだけ注意していればいいので便利ではある。
いずれは天草にも渡らなければならないが、そのときにここを通るかどうかはわからない。
茂木からは矢上へ行くバスを待って、今度は長崎半島の北の付け根へ向かう。
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