1035 崎野ノ鼻=西彼杵郡長与町斉藤郷・時津町西時津郷(長崎県)似ているようで違う二つの町を分ける岬を回り込む [岬めぐり]
北側の海から見る崎野ノ鼻は、島のように見える。いくつも飛び出したでこぼこが、触手か何かのように見えるさまは、やはり航空写真のほうがおもしろいかといくつか試みてみたのだが、どれもいまひとつよくないのは、どうしてだろう。
地理院地図の写真は、この前の岬でも使ってみたが、ここも同じように海のつなぎ目が気に入らない。
GoogleMapは、比較的マシなほうだが、どうも山の緑が無理に着色したようだし、やはり海の色が気に入らない。が、それは贅沢というものなのか。
Yahoo!地図に至っては、ウン(雲)悪くてゴメンネ状態だし、Macintoshの新OSであるOS X Mavericksを無料ダウンロードしたので、それに含まれるマップはどうかとみると、これがまたしても期待はずれ。iPhoneのiOSでミソをつけて以来、Appleにとって地図は鬼門である。航空写真は全体に暗くて、とくに海の色は鉛色よりさらに黒い海で、がっかりさせられた。とてもそれをここへ載せる気にもならないほどだった。
ネット地図は、まだまだ問題が多い。
こちらも、お天気が悪くてはっきりしない写真ばかりが続いているが、崎野ノ鼻の真ん中をはしっている境界線が、西彼杵郡長与町と西彼杵郡時津(とぎつ)町を東西に分けている。
長与町は前項だけ、長与港の狭く開けた海が終わると、もうおしまいである。いちいち数字をあげてもピンとこないのでやめておくが、面積も人口も長与町のほうが時津町を上回る。長与町は山間部も多く、海岸線は時津町のほうが長い。
長与町が、近年長崎市のベッドタウン化を加速しているのに対して、時津町のほうは商業地や工業地も多い。なんでも、長与町の人はバスで時津まで買い物にくるし、時津にはJRの駅がないので、長与まで行ってJRに乗らなければならない。通勤は長与から時津へ、通学は時津から長与へ。
低い丘陵地とこの崎野ノ鼻で仕切られているだけのこの隣り合う二つの町は、どちらも小さな町だ。しかも、よそ目には一見似合いのカップルのようにみえないこともないが、実はそうでもないらしい。千葉と埼玉みたいなもんだという説があるほどビミョウらしい。
それでも、平成の大合併の甘い汁も吸わなければという思惑もあってか、2002(平成14)年には大村湾西岸の琴海町と長与町・時津町の三町で合併協議会も発足した。
しかし、2年後には長与町がこれを離脱して合併はならず、そのまた2年後には琴海町はさっさと長崎市に入ってしまった。西彼杵(にしそのぎ)郡は長与町と時津町だけが残ってしまったわけだ。
なにが気に入らなくて、長与町はこの話を壊してしまったのだろうか。合併協議会のページも止まっているので、よくわからないが、なんでも消防署の話でまとまらなかったというウワサがある。火を消すところが、火をつけてしまったか火元になったことになるが、合併ってそんなものか。
これもウワサによると、もうちょっと団地が増えれば人口5万に手が届くかもしれないという長与町には、合併を急ぐ必要がなかったともいう。
ところで、西彼杵郡があるのなら、当然に東彼杵郡があるはずだ。それはいったいどこ?
それは、東を探してもなく、北の佐世保市と大村市に挟まれた、そこも川棚町と波佐見町と東彼杵町の三町しか残されていない。それじゃ東じゃなくて北彼杵郡だろうと言いたくなるが、この長崎シリーズの冒頭で、大村湾を西から抱え込んでいるのが「西彼杵半島」だと述べていたことを思い出してみれば、もともと大村湾が東西に分けていたと理解することができる。
時津(とぎつ)にしても、この「彼杵(そのぎ)」にしても、普通には「き」になるところが「ぎ」になっているので、よそ者にはなかなか読みがわかりにくい。地元の長崎県人は「にしそのぎ」は「せいひ」、「ひがしそのぎ」は「とうひ」と簡略して呼ぶのだそうだ。
崎野ノ鼻を回り込んで時津港のある入江に船が入っていくと、長与町の堂崎ノ鼻が大きく張り出して見える。
▼国土地理院 「地理院地図」(Web.NEXT)
32.860519, 129.852485
九州地方(2013/11/02訪問)
お蔭様でnice3万を超えました。
応援頂き有難うございました、これからも宜しくお願いします。
by sarusan (2013-11-25 10:21)
@「nice!」かあ。そうか、また年末ですね。恒例の定点観測もやらないとね。
by dendenmushi (2013-11-26 04:12)