1018 マッカヨウ岬=根室市歯舞(北海道)諸島ではない歯舞群島も一部見えてくる35号線はいよいよ日本最東端へ [岬めぐり]

ヒキウス岬が車窓からの岬めぐりでは最高の条件だったとすると、そこから1.7キロ東に寄ったところにあるマッカヨウ岬は、それとは正反対に悪い条件が揃っていた。
この岬は、地図で見ると実は島になっていて、その南端にマッカヨウ岬と表示がある。島といっても、わずか9メートルの高さしかなく、南北に280メートルしかない小島である。
ヒキウスの幅の広い岬の付け根を横断すると、道路は海から離れて遠く、道路と浜との間には人家が建ち並んでいる。そんな状態も長くは続かず、短い海のそばの道もすぐに終わってしまう。
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ようやく、それらしいところもちょっとだけ見えたものの、写真はぶれているうえに、島と岬の形も見えない。
地図によると、島に続く出っ張りの道路脇には、「文」と学校の記号がある。Mapionでは「華岬小前」というバス停表記もある。
すると、このフェンスで囲われた校庭が、その小学校なのだろうか。

華岬小学校は、“はなみさき”ではなく、“かこう”と読むのだそうだ。開校100年を超える歴史ある学校だったらしい。
この学校に関するページはけっこうたくさんあるのだが、もうひとつ歯舞(四)の町から傾斜地を上ったところに、もっと大きな歯舞小・中学校がある。こんなに近接して小学校は二つ要らないと思われるので、おそらく海岸に近い低地の華岬小学校は、高台に移転して中学校といっしょになったものだろう。
華岬小学校の閉校については、その情報を確認できなかったが、根室市の学校リストにはすでにない。

広い歯舞漁協の範囲でも、その中心はこの歯舞漁港なのだろう。
マッカヨウ岬から東に730メートルほど離れて、ポンコタン島という島があり、これは漁港の岸壁とつながっている。
そのさらに沖には、ハボマイモシリ島とイソモシリ島が、漁港を守るようにして並んでいる。ここも最高点が10.9メートルなので、冬には流氷で埋もれてしまうのだろう。
このように、漁港のあるところには、おあつらえむきの島や岬が港湾の一部になって、それなりの役目を果たしていることが多い。
当然ながら、それは、そういう築港に好都合な地形を選んで人が集まり、町や港をつくるからにほかならない。
歯舞は「はぼまい=アプオマイ=流氷が消えると現れる小島」という意味だそうだ。これは、もちろんハボマイモシリ島とイソモシリ島のことではなくて、納沙布岬から狭い珸瑤瑁水道を挟んで、北東に展開している歯舞群島のことであろう。

35号線は、歯舞漁港を過ぎると坂を上り、海からは少し距離をおきつつ、25メートルくらいのところを北東へ向かう。その途中に風車が立っている。この付近で歯舞(五)は終わり、珸瑤瑁(ごようまい)に入る。
水道の名にもなっている珸瑤瑁は、「ごようまい=コィオマイ=波あるもの」の意だそうだ。波が高い水道は、北海道本島と歯舞群島を隔てている。

風車の左手奥向こうに白い高い塔があるが、そこは珸瑤瑁の北、納沙布ももう東端に近い。

珸瑤瑁は(一)から(三)まで。そこを走る「のさっぷ号」の東側車窓には、歯舞群島の一部、秋勇留島(あきゆりとう)と水晶島(すいしょうじま)であろうか。それとも、秋勇留島と勇留島(ゆりとう)であろうか。こういうの、通りすがりの他所もんにはなかなかわからなくて悩ましい。

そうそう、これを書いているときに、無意識のうちに「歯舞諸島」と書いていた。ところが、国土地理院の地図を見ると「歯舞群島」となっている。

あれ、いつ変わったの?
変わったのは、2008年からで、その理由は、根室市などから法律や返還運動や教育現場では「群島」なので変更してほしい、と要望があったのだそうだ。
でんでんむしはへそまがりだけれど、ものわかりの悪いへそまがりではない。だって、ものわかりの悪い意固地なだけのへそまがりってサイアクだものね。そういうジイサンにはなるまいと心がけている。そこで、「諸島」と書いていたのを探して「群島」に修正したけれども、もれはなかったよね。

で、直しながら考えた。「諸島」と「群島」と「列島」の違いを述べよ、と言われたら、さてどう答えればいいのだろう。すぐに、自分で見つけた答えは、“規模”の違いによる順番ではないかと思ったのだが、「南西諸島」のなかに「八重山列島」や「宮古列島」が含まれているので、そうでもないらしいし…。
▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
43.333428, 145.74864




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