SSブログ

980 館崎=本吉郡南三陸町歌津(宮城県)ホンモノの館崎を確認せぬまま過ぎまだまだ修業が足りぬ岬めぐり [岬めぐり]

utatsuzaki02.jpg
 岬めぐりの修業もまだまだ至らぬことを露呈してしまった、まったくのとんだ大失敗だが、そのツケをモロにかぶってしまったのは、館崎のほうであった。館崎とばかり思っていた場所が館崎ではなかったわけで、そのために館崎と認識して撮ったまともな写真が1枚もないという、面目ない仕儀となってしまった。
utatsuzaki03.jpg
 タクシーというのは、バスより便利なようでいて、実は岬めぐりにはあまり向いていない。車窓が狭くて低いということもあるが、もっと問題なのは、他人に連れて行ってもらわなければならないことにある。
 他人が運転するという点ではバスも同じだが、バスのように停留所から停留所まで、という割り切りができないので、よりきめ細かいツアーができるものとかえって期待してしまう。自分で運転するわけではない、ということは、ドライバー頼みになる。ところが、その期待をかなりの部分裏切ってしまうことが、往々にしてあるのだ。そのことが、この失敗の背景にある。
bentenzaki06.jpg
 だいたいタクシーでも、観光地などでないかぎり岬の名で通じることは少ない。そこで館崎というかわりに地図でこちらが提示した「魚竜化石の石碑」というキーワードを、ドライバーが知らなかった。その代わりに「魚竜館」は知っていた。だが、地図にもなく岬でもないそれは、こちらの意識になかった。そして、それは別々の場所だった。これが、ボタンの掛け違いの元だった。そして、その誤りを修正する能力を、こちらで発揮できなかった。数多い、間違いが起こるパターンのひとつである。
 そのため、ホンモノの館崎は、まったく意識されることなく通り過ぎていた。折から降り出した雨が、長須賀の海岸を歩いてみれば…という機会をも奪ってしまったのである。思い込みというのは恐ろしいもので、帰りにも町民バスでそこを通り過ぎたが、カメラを向けることもなかった。
 岬の上に館があったところが、「館崎」といった名になるという例は、ここだけではなく、類似の場所が全国にいくつかある。
 その館の主が誰かは、調べていくうちに、「南三陸町 VIRTUAL  MUSEUM」にその答えがあった。それは、“葛西家重臣である馬籠四郎兵衛の館跡”だという。
 鎌倉時代に陸奥に所領を得て土着した葛西氏は、戦国時代には石巻を中心拠点として奥羽地方では戦国大名の一角に食い込んでいたが、小田原征伐に参陣しなかったと豊臣秀吉に咎められ、奥州仕置によって滅亡した。その重臣だった馬籠四郎兵衛の館が、臥牛ヶ館と呼ばれたのは、この岬が牛が寝ている姿になぞらえたものであろう。
 
 歌津館浜から南に延びる岬は、葛西家重臣である馬籠四郎兵衛の館跡ですが、その突端西側がウタツギョリュウ化石の産地です。今から二億四千二百万年前の中生代三畳紀前期のもので、これまでに発見された最古の魚竜化石として世界的に注目されています。化石が含まれるのは「大沢層」と呼ばれる地層で、これまで十数体分が発掘されていますが、地層は南北に連続しており、岩盤を削るような工事の際には細心の注意が必要です。
tatezaki03.jpg
 「臥牛ヶ館(歌津城)跡」
 管の浜の魚竜と館崎の魚竜は、名前も違うのである。立派な魚竜化石の石碑も、ちゃんとあった。津波後がどうなったかまではわからないが、写真はそちらを参照していただくことにしたい。
tatezaki04.jpg
 「歌津館崎の魚竜化石産地及び魚竜化石(国指定 歌津館崎)」

 魚竜というのは、よく図鑑などではお目にかかっているが、小型の首長竜に足の代わりにひれがついている、水中で暮らす泳ぐ恐竜の仲間といっていいのだろうが、雄勝では「イルカに近い姿をしていた」と説明していた。石巻の雄勝町へ行ったのは、2010年の9月のことだった。
 そこの公民館で魚竜化石のレプリカを見たが、その化石が発見されたのが、「656 峠崎=石巻市雄勝町船越(宮城県)峠から降りてくると荒アラここがギョぎょ魚竜の浜」の項に書いた場所である。その場所と歌津の館崎とは、ほぼ真南に19キロ離れている。離れているけど、ちゃんとつながっている、ということだ。そこの説明では「歌津魚竜と並ぶもの」といっていた。
 そうこうしているうちに、またヘンなことを発見してしまった。毎度おなじみとなった、ZENRINソースのネット地図のいいかげんさについてである。
 Mapionでは、館崎の東に続く出っ張りの描き方が、国土地理院の地図と見比べると、沖の岩島を取り込んでずいぶん大きく描かれている。(まさか、震災後に隆起したとかじゃないだろうね。)
 それだけでなく、歌津泊漁港の西に浮かぶ「籬島(まがきしま)」という岩礁の小さな島も、MapionをはじめとするZENRINソースのネット地図では、かなり大きな島があるように描かれている。
 こうした“地図のウソ”は、どのようにして発生し、どのようなチェックをすり抜けて、堂々と公開されることになったのだろうか。
tatezakiMmapion.jpg
 ええっ? お前も結局その現地を見てこなかったのだから、どっちが正しいかわからんじゃないか…と?
 う〜ん。そういわれると、一言もない…か。 (゜◇゜)ガーン!?

▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
38.705898, 141.536295
tatezakiM.jpg
dendenmushi.gif東北地方(2013/07/03訪問)

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ
タグ:地図 宮城県
きた!みた!印(31)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:地域

きた!みた!印 31

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

トラックバックの受付は締め切りました