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番外:「かめりあ丸」=東京〜伊豆大島〜神津島航路(東京都)2014年7月でお役ご免になるかも? [番外]

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 船が辿る履歴は、人の生涯にもなぞらえられるほど、さまざまで波乱に満ちている。そのことを知ったのは、1965(昭和40)年に岩崎書店から出た、柳原良平のB5判の絵本『ばいかる丸』によってであった。もう、絶版になっているこの本は、古本市場でも結構な高値で取引されているらしいが、いまもわが家の本棚のどこかにあるはずだ。
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 自ら「船キチ」を称する柳原良平氏のことは、この伊豆諸島シリーズに入るはじめのところで少しだけふれた。
 今回の岬めぐりでは、熱海〜大島は柳原ペインティングの東海汽船のジェット船で、大島〜神津島は同じく東海汽船の「かめりあ丸」で往復したわけで、最後にお世話になったこの船を改めて紹介しておこうと思った。
 東海汽船のホームページでは、「かめりあ丸」を簡潔にこう紹介している。

 全長102m、3,837トン。旅客定員は638名。昭和61年3月竣工。
 通常は東京~大島~神津島航路に就航するが、さるびあ丸と入れ替えで東京~三宅島~八丈島航路に就航することもある。
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   実は、ここには書いていないが、1986(昭和61)年に広島県瀬戸田の造船所で進水した「かめりあ丸」は、同年にすぐ八丈島航路に就航し、1992(平成4)年に「さるびあ丸」ができるまでは、東海汽船のフラグシップ(旗艦船)を務めていたのである。
 船も、新しいのがやってくれば、それに押し出されてしまう。それが順繰りにめぐるので、エースとして君臨できる期間は、きわめて短い。
 すでに「かめりあ丸」の後継船となる新造船が建造中で、2014年にはこれが進水就航する予定だ。その後、「かめりあ丸」がどういう運命を辿ることになるか、いまのところまだわからない。
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 だが、「かめりあ丸」の先代船であった「ふりいじあ丸」のその後を辿ってみれば、いくらかの想像はできるかもしれない。
 「ふりいじあ丸」は、かつて東海汽船が東京〜三宅島〜八丈島航路へ就航させていた旅客船で、一時は“東京〜八丈島を11時間”という記録を立てたこともある。だが、新造船「すとれちあ丸」にその座を追われて、貨客船に改造され、東京〜伊豆大島〜利島〜新島〜式根島〜神津島航路という、まさしく現在の「かめりあ丸」の航路そのものに就航していた。
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 けれども、「かめりあ丸」ができたと同時に、1986年に瀬戸内海のフェリー会社である加藤汽船に売却され、「はぴねす2」と改名された。大阪・神戸〜小豆島航路に就いていたらしいが、1992年に引退したという。
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 これまで、「かめりあ丸」の写真は、部分的にしか取りあげられなかったので、多幸湾に入ってきて、転回するところを、この項ではまとめてあげておくことにした。
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 帰りは、特1等のベッド、ソファ、テーブルつきお茶つきスリッパつきの4人部屋である。大島の岡田港で下船するまで誰も乗ってこず、ずっと一人だけだった。 
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 でも、ほとんどデッキにいたし…。
 『ばいかる丸』、家の中の書棚から探し出して改めてめくってみたい気になってきた。でも、それをやろうとすると家人からは、懸案で棚上げにしているままの不要本や古いコンピュータなど突っ込んであるものの整理を、即迫られることになるだろう。それもまたコトが大きくなりすぎて困るので、ここは探し出てめくるのは我慢してそっとしておくに限る。おそらく『ばいかる丸』は、近頃「本屋大賞」だとかなにかと横行するはやりの「右傾エンタテイメント」の読み物などよりは、ずっと感動的かもね…。


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dendenmushi.gif関東地方(2013/03/23〜24 大島〜神津島間乗船)

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