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968 引廻鼻=神津島村鴎穴(東京都)島の西海岸で南の端に位置する断崖の岬は神津島港から全景が見えるのだが… [岬めぐり]

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 神津島空港の西にある灯台から引廻鼻までは、直線距離では1キロも離れてはいない。当然、楽に歩いても行ける距離なのだが、村営バスで島の北端まで行くこの後の予定を考えると、それは賢明なコース取りとはいえないのだった。
 そこで、空港から次のバスを待って、まず神津島港まで行く。一台だけの村営バス、青いワゴン車のドライバーは、村の委託を受けて運転をしているというおじさんで、村の観光案内人の委託は受けていなくても、必要情報を教えてくれる。
 そのお勧めにしたがって、港にある村営施設「よっちゃーれセンター」にある食堂で昼食を済ませ、次の赤崎行きのバスを待つことになるのだが、項目の順序は島を時計回りなので、こっちが先になる。
 港の村営施設にあった島の観光マップによると、島南端の断崖は、“金長一帯の柱状節理”として紹介されている。だが、それが眺められるのは三浦湾展望台から見える長っ崎の崖くらいしかない。
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 引廻鼻は、松山鼻から続いてくる断崖絶壁が、灯台を巻いてなおも50メートルくらいの高度を保ちながら北に向かい、島の西南端でカーブしているところで、それはむしろ神津島港のほうから全景が見えるのだが、やっぱり逆光で黒い影の岬になってしまう。
 前浜や港から見ると、岬の断崖の上には、塔のようなアンテナのようなものが何本か立っているが、そのうちの右寄りの一本は、どうやら十字架である。
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 これが、“おたあジュリアの十字架”なのだろう。朝鮮の役で日本に連れてこられた朝鮮人のキリシタン女性が、江戸時代の初め頃に流罪になった神津島で没したという伝説によるものだが、島を出て大坂や長崎に行ったという説もあり、この人物に関しては不明確な部分が多すぎ、どうも史実として固まっているとは言い難いようだ。だが、島では毎年日韓のクリスチャンなどが集まって、慰霊祭が行なわれているという。
 島の観光マップでは、この十字架のあるところが、“ありま展望台”となっているが、“ありま”とはいったいなんでありましょうや。
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 展望台に登っても、足下の岬は“展望”できない。
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 だが、南の灯台まではよく見通すことができる。
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 この観光マップによるとこの灯台の名前は「神津島灯台」であるという。神津島灯台のある場所の字地名は「葱の場」で、引廻鼻のあるところは「鴎穴」。字地名には、なんでこんな名前がついたのだろうと思うようなものが多いが、当てずっぽうであってもその由来を想像してみることができるのもある。
 ネギがたくさん植えられていたとか、カモメの巣が断崖にたくさんあるとか…。
 前者はともかく、後者はだいたい当たっていそうだな。
 観光マップにはないのに、国土地理院の地図では、引廻鼻の東に“ヘリポート”と特筆青書してあるのだが、ここはタクシーで移動したためもあって、よくわからなかった。緊急時のヘリ発着には、学校の校庭などが使われることも多いが、わざわざ集落からは遠く離れたこの高台にヘリポートがあるのは、なにか理由があるのだろう。
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 この鴎穴の高台には、赤崎に行った後にタクシーで登ってきたのだが、それは今夜の宿「だいじんご」が、この崖の上にあるからであった。「だいじんご」とは島のことばで、“だいじなヒトやだいじなコトやモノ”という意味なのだそうだ。
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 宿の部屋からは、北側に展開する前浜や集落や神津島港、それに次の岬の背負崎までが一望できる。

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*神津島全域 名所・史跡MAP(神津島村・神津島観光協会)

▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.199145, 139.121947
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dendenmushi.gif関東地方(2013/03/23訪問)

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