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967 金長鼻=神津島村金長(東京都)きんちょーはキンチョーでも「長」と「鳥」ではまったく関係ないのでねえ [岬めぐり]

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 神津島の南端部は、この島ではめずらしく比較的傾斜が緩やかな地域で、ここに空港の滑走路ができたり、畑があったりするのもうなづける。だが、その海岸線は50メートル前後の断崖が、どこまでもでこぼこと連続している。ここから南の方向には、小笠原に硫黄島、それに沖ノ鳥島があるだけだ。
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 猿ヶ崎と金長鼻(きんちょうばな)は、その東の端に位置している。
 金長鼻も長く南に向かって押し出した断崖の岬で、50メートルの絶壁が続いている。痩せた尾根の西には、神津島空港の滑走路の東端がくっついてくる。
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 この岬の名前からは、すぐに「金鳥の夏、日本の夏。」を連想してしまう。そういう人も多いのではないか。大日本除虫菊の創業者上山英一郎が、蚊取り線香「金鳥香」を売り出したのは1890(明治23)年。夫人のアイデアで渦巻型蚊取り線香にしたのは1895(明治28)年、『金鳥』を商標登録したのは、1910年(明治43)年のことである。
 だが、このネタで話をあんまり引っ張るのはどうかと思う。なにしろ、岬のほうは「長」で、「鳥」ではないのだから…。「鳥」のほうは、『史記・蘇秦伝』にある「鶏口となるとも牛後となるなかれ」を由来としているのだが、残念ながら「長」のほうはさっぱりわからない。
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 村営バスは、客がいてもいなくても、飛行機が飛んでいてもいなくても、空港まで寄っていく。西海岸の神津島の中心集落と東海岸の多幸湾を結ぶ路線の往復ともここまでくるので、ここで降りても次の西海岸へ向かう便をつかまえればいいのだ。
 神津島空港に就航している定期便は、新中央航空の航空路で、羽田空港ではなく都営の調布飛行場から飛んでくる。
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 このときは滑走路には単発の小型機がいて、やがて飛び立っていったが、これは新聞社の飛行機のような小さいやつなので旅客定期便ではないのだろう。そう思ったのは、航空会社の写真ではもっと大きな飛行機だったからだが…。
 ユーミンの『中央フリーウェイ』では、“調布基地”と歌っている調布飛行場から、はほかに大島と新島の路線がそれぞれ別々にあり、運賃は神津島の場合は片道14.900円也。日に3往復している
 ということは、神津島空港も都営なのであろう。空港の滑走路を越えて、南側に出ることができれば、当方としては好都合なのだが、と思って空港の前を見るのだが、そううまくはいかない。
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 駐車場には、神津島の水配り伝説の神様の碑が立っている。そこには神津島の形を獅子になぞらえデザインされたレリーフがあるが、この碑の制作者は神津島の地図をよく見ている。島の南端のこの空港がある海岸線の断崖を、見事に表現しているではないか。
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 小さな空港待合室には、受付の若い女性以外には誰もいない。滑走路の西端を灯台に行く道があるはずなのだがと聞いてみたが、あるらしいけどとあまり自信があるようなはっきりと指針となる返事ではなかった。まあ探しながら西へ行けばわかるだろう…と甘くみたのが大間違いで、これがわからない。
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 結局、滑走路の西には入ることができないまま、南に行く道がないまま、広く改修された道をなんとか灯台が見えるところまできてしまった。木々の間にかろうじて見える灯台は、一つ谷を越えた南で、この道からは接近することもできない。
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 灯台にさほどこだわっているわけでもないのだが、ここから先は沖ノ鳥島…というところなので、行ければ行きたいという程度。
 そこは岬でもなく、丸い100メートルのピークにのっかっている。だが、そこへ行けば、電子国土ではその南にある一ノ首という根や、千両池という岩の切れ込みが見えるかもしれないと想像しただけなのだ。
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 やっぱり、こういう場合は、“どうしてもそこへ行かなければならない”という、強い意思がなければ、いいかげんな気持ちでは行くことはできない、ということだ。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.186073, 139.142225
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dendenmushi.gif関東地方(2013/03/23訪問)

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