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950 長根岬=大島町元町(東京都)波に洗われる元町港岸壁の北の岬これで伊豆大島は一回りしたことに [岬めぐり]

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 大島の海岸を北から時計回りに回ってきたが、千波崎から北へ向かっては、スタート地点の乳が崎までの間には、この長根岬ただひとつしかない。
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 西海岸で、というより大島でいちばん大きな市街地がある元町は、三原山の御神火茶屋から西北西へ下る比較的なだらかな傾斜地の海寄りに展開している。この斜面も当然、溶岩流が流れ出してつくった裾野で、その海寄りの場所を選んで、人々は暮らし始めた。
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 その玄関口である元町港は、市街地の北寄りにあって、天井の高い大きくてきれいな待合所と、そこから海岸に下って、海に延びる岸壁が一本突き出している。
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 西風が強いときには、この岸壁が使えないために、往々にして岡田港に玄関口の座を譲っている元町港は、島にいる3日の間、一隻の船も出入りできなかったようだ。
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 風除けの役目を果たす岬も山もなにもなく、だだむきだしのままの元町港岸壁は、この日も南西から吹き付ける強い風に煽られ、巻き上げられた波に洗い流されていた。なるほど、これでは確かに着岸して人や貨物のあげおろしはできそうもない。
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 絶え間なく波に洗われている元町港の岸壁から、北へ少し歩くと前浜という浜があり、そこにも小さな岸壁があるほか、その向こうには石積みのように見える岩場がちょこちょこと出っ張っている。
 これが長根岬だ。ただし、地元ではこれを「岬」をつけて呼ぶことはなく、単に「長根」と称しているらしい。
 それに配慮したのかどうかはわからないが、国土地理院の電子国土では2万5000分の1の地図では「長根」と表記し、20万分の1までの地図では「長根岬」としている。
 大島では「根」と表記された場所が地図上に目立っている、と書いたのは、「943 勝崎」の項 であった。一般に「根」は、暗礁、岩礁地帯を指すために使われるほうが多いように思っていたが、大島では“岩の岬”、“岩が長く飛び出た所”といった意味合いのほうが強いように思われる。
 結局はっきりと視認できなかった東海岸の長根岬と、まったく同じ名前の岬が西海岸にもあるというわけだが、それも「長い根」というのがここ伊豆大島では極めて一般的な地形上の目印として存在するということであろう。
 この海岸には、元町浜の湯と御神火温泉の2か所で温泉が湧出していて、それぞれ温泉施設があるが、設備が揃っている有料の御神火温泉のほうに入ってみた。
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 温泉の中ではカメラを持ち込んで写真を撮るということをしないためもあるだろう。それに湯船も洗い場も露天風呂でさえも、だいたいがどこも似たようなものだから、どこでどんな温泉に入ったか、何度も行っているところは別にして、後でも鮮明に思い返すことができるところは少ない。
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 ここも、そう昔のことでもないのに、どんな温泉だったか、さっぱり思い出せないのである。ただ、食堂の向こうに広い温泉プールがあって、こどもたちの歓声が聞こえていた。そのプールの向こうが、長根岬である。
 最近、各地で増えているこうした立ち寄り湯がメインで宿泊は目的としていない温泉施設も、なにやら新しい風俗としてすっかり定着してきているようだ。
maganemisaki06.jpg 三原山の御神火茶屋から、この御神火温泉と元町付近を見下ろしてみると、火山のスロープはかなり切羽詰まった趣がある。いざ三原山の大噴火となると、やはり避難せざるを得ないなと実感する。
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 元町からもう少し北のスロープの先を眺めると、大島空港の滑走路の南端付近には、小さな火山噴丘である愛宕山(119メートル)と、海岸寄りにはぽっこりと膨らんで海に飛び出ている場所がある。
 これが赤禿(あかっぱげ)と呼ばれている側火山のひとつがつくる出っ張りで、この中を海岸走路が切り通しで抜けているようだ。大島バスのマップでは“サンセットパームライン”と名付けられたこの道は、バスは通っていない。起伏は少なそうなので、乳が崎までレンタサイクルで走ってみてもよかったのだが、今回はその余裕がなかったので、三原山から眺めるだけ。
 マグマが吹き上げられて飛び散るさいに冷えた岩塊(スコリア)が積み重なってできたスコリア丘を切り裂いて走るその道路の崖が赤いので、この名があるのだろう。
 多孔質で黒っぽいものが多いスコリアだが、それに含まれる鉄分が多いと、空気中で酸化するため赤くなる。
「947 龍王崎」の項 では、波浮港の文学の散歩道の碑の台座が、赤い石でできていたが、あれもそうなのだろう。

▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.755758, 139.350901
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dendenmushi.gif関東地方(2013/03/22訪問)

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