948 トウシキの鼻=大島町差木地(東京都)島の最南端の付近はそこらじゅうジオパークなのかも [岬めぐり]
元町港から波浮港へ行くバスは、日中10便が走っている。これが西海岸の大動脈だが、その終点が“セミナー入口”というので、いささか島の外からの訪問者にはわかりにくい。見晴台で降りて龍王崎を回って波浮港に降りてきたので、大きく時間を取られてしまったが、これも後から考えてみれば、もっと別のポイントを重視しためぐり方もあってよかったと思える。
ひとつは、バスの終点まで行って筆島と黒崎が見えるところまで歩いて行くことであり、もうひとつはトウシキの鼻で海岸に降りてみることである。
長根岬と黒崎については、946項で備忘的項目はつくっていた。これには神津島へ向かう貨客船「かめりあ丸」から見えるかも知れないという期待もあったが、その航路が東海岸を通らないことがわかった。
そうなると、セミナー入口までバスで行って、そこから歩いてこれも古い火山の遺跡である筆島が見えるカキハラ磯まで出ることを考えたほうがよかった。そうすれば、黒崎の先端も見えたはずなのである。岬めぐりの本道からは、そのほうが望ましい。
波浮港の南にある大きな断崖の出っ張りが、大島の最南端である。そこには、トウシキのキャンプ場などがあり、磯はダイビングポイントもあるらしいが、“ボムサッグ”という、波浮港が火口だった頃、その火山の噴出物が飛来した痕跡(座布団の上に岩が乗っかったような)もあるのだという。
しかし、それらと波浮港を両立させるには…。まあ、どんな計画もすべてを満足させることは、時間的制約がある以上は困難で、ある程度はしょるのもやむを得ない。これらも帰ってきてから気がついた、わかったことなので、いちおう今回は課題として残しておく。
伊豆大島も、一度では済みそうもない。次には重点をジオパークに絞って回るのもよかろう。
波浮港ラインの大島バスのルートは、10本のうち8本は60メートル下の波浮港まで降りて、また引き返して見晴台を経由してセミナー入口まで行くことになっている。帰りのバスは、必ず波浮港まで降りてくるので、それに乗れば帰りの車窓からトウシキの鼻も見えると期待したが、これもうまくいかなかった。
だが、神津島からの帰りの「かめりあ丸」の船上から、黒崎はムリだが、トウシキの鼻付近も撮っておいたので、これでなんとかなるだろう…。
ところが、これまた帰りの日はお天気は悪くなかったし、視界もまずまずと思っていたのに、船からの写真をみると、なんと全体にガスがかかったようになっていて、遠景がはっきりしない。なかなかうまくいかないものだ。
バスの通り道は、往復共に断崖よりも内側寄りを走っているので、トウシキの鼻にはいささか遠い。
国土地理院の地図では、バスが通る高校の北のあたりに「クダッチ」という表記があるのだが、これも字地名か。「トウシキ」もそうだが、地名の場合は呼び方(音)が先にあって、呼んでいるうちに適当な漢字を当てはめたりするようになるケースが多い。「クダッチ」は「下地」なのか。では、「トウシキ」は…。「等式」なわけはないか。
漢字にするとよけい混乱が深まる場合も少なくなかろう。
おまけに、呼んでいるその音の意味もわからなくなってしまうことも稀ではない。
「クダッチ」も「トウシキ」も、ひとくせもふたくせもありそうでいて、そのくせなにひとつ明らかに語るところがない。
差木地というのが、現在の正式な住居表示字地名になっているこの付近にも、いかにも火山の噴火でできたという山や、丸い窪地などがあって、いわばそこらじゅうジオパークともいえそうだ。
▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.678765, 139.430616
関東地方(2013/03/22訪問)
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