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946 長根岬・黒崎=大島町泉津・差木地(東京都)裏砂漠のずっと東の先にあるはずのふたつの岬は想像してみるだけ [岬めぐり]

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 都立大島公園から南南東に約3キロくだったところにある長根岬は、西の三原山の溶岩琉が丸くゆっくりと海へ乗り出していった、その先端に飛び出した根であるらしい。“らしい”というのは、結局のところ今回はその姿を確認することができなかったからである。
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 長根岬からまた南に3キロ行ったところにあるはずの黒崎は、長根岬とは対照的に同じように丸いが、海岸線が斜面が迫る断崖の中央付近にちょんと飛び出た根のようだ。“ようだ”というのは、これも三原山中腹の大島溫泉ホテルの部屋の窓から、櫛形山スロープに展開する裏砂漠を眺めて、この先に黒崎が落ち込んでいるのだな、と想像するだけで終わったからだ。
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 岬には縁がなかった大島公園から、三原山へ行くバスは、バス停のある駐車場を出るといきなり長い登り道に入り、三原山の広いスロープに取り付いていく。2回目のヘアピンカーブを曲がって少し先、標高240メートルくらいのところに、特別天然記念物のサクラ株があるが、写真は撮り損ねた。まるで、ハイマツのように大きな幹が支柱に支えられながら斜面の横に延びて、そこから枝が上に延びている。「伊豆大島ジオパーク」のサイトには、「77.サクラ株」という項目があるが、その説明を読もうとすると、まるで関係ない割れ目噴火の溶岩流についての説明があるので目を疑ってしまう。
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 標高565メートルの三原山展望台付近にくると、やっとその全貌を現すのが現在も活動中の火山。
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 湘南の海岸からもその噴火の様子が見えた、島民の避難などもあってその記憶もまだ新しいが、それが1986(昭和61)年の噴火でこれが最新である。その前の1950~1951(昭和25〜26)年の中噴火で現在の最高点である三原山新山(標高758メートル)が生まれているが、さすがにこれは記憶がない。
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 カルデラ内中央の三原山ができたのは、1777(安永6)年から1792(寛政4)年にかけて起こった安永の大噴火のときだといわれている。今から200年も前の話である。
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 およそ1500年前(継体天皇の頃)から1700年前(仁徳天皇の頃)の時代にかけては数回の大噴火が起こった。その前までは、いわゆる普通の山らしい形(たとえば富士山のような…と考えられるが、誰も見たものがいないので)をしていた山の頂上から300メートルくらい下までが、それらの大噴火で吹き飛ばれてしまう。溶岩が流れた跡が凹んで、現在のカルデラの原型ができた。
 これは、噴出した溶岩などの周辺の状況から推測できるらしい。
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 そして、さらにその前、富士山のような(かどうかは不明ながら、標高は1000メートルにも達した)ひとつの火山を中心とした島になる前、それは100万年〜数10万年前くらいの話であるが、その頃はこの付近ではいくつかの海底火山が爆発して、3つの小さな火山島を形成していた。その名残は、現在の北東海岸付近にあるらしい。
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 それらを吞み込み、吸収するような形で、大島の原型となる1000メートルの火山島が成長していったものだという。
 とても火口頂上まで登る気もないが、とりあえずは外輪山の一角にある御神火茶屋からカルデラに降りてみる。
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 三原山の斜面に目立っている黒いいく筋かの縞模様は、1986年噴火のさいに流れ出した溶岩流で、その先端部というところまで、歩いて行った。
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 なるほど、ここで流れが止まったのかというのがよくわかる。そこにおかれている案内板の説明は、こういう。

 1986年11月19日、三原山山頂火口から流れた溶岩は斜面を下り、カルデラ内に流れてきました。
 溶岩の流れる速さは、伊豆大島火山では一般に人が歩く速さよりも遅いです。
 溶岩中の先端部は厚さが5メートルあります。表面は起伏に富んだゴツゴツした岩塊に覆われています。このような溶岩をアア溶岩といいます。(伊豆大島ジオパーク ジオサイトNo.4)

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 ああ! ふりがなをつければいいってもんじゃないし…。こういう素人向けの説明がむずかしいのはわかるが、もうちょっとなんとかなりそうに思うし…。
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 大島温泉ホテルがあるところは、火口から北北東へ3キロほど下った、標高460メートルくらいの場所である。その部屋からは、三原山の北山麓の樹海が広がり、剣ガ峰の東に出っ張っている櫛形山から東の海岸に向かって流れる斜面が見渡せる。
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 そこらが裏砂漠と呼ばれる、火山灰で覆われた植生の育っていない地帯である。
 溶岩だろうが火山灰だろうが、長い年月の間に植物がそれらの上に繁茂するのは時間の問題で、カルデラでも山の斜面でも緑の生命力が勝る。
 それなのに、ここだけ砂漠状態になっているのは、西風の強い影響受ける大島では、風下のここでは保水性を保てず、火山ガスの影響を受けやすいためだという。
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 この部屋から眺めているときには、長根岬と黒崎は、この斜面の下にあるはずなのだが、もちろんここから見えるわけもない。だが、「神津島へ行く船の上から横位置ながら比較的近くからの写真も撮れるだろう」という思いがあった。
 だが、結局のところこのふたつの岬については、その船からの写真も撮れなかったが、それでもあえて項目をあげておくのは、備忘のためである。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.740388, 139.44863・34.715416,139. 449145
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dendenmushi.gif関東地方(2013/03/21〜22訪問)

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