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941 風早崎=大島町岡田(東京都)大島の実質的玄関口にそびえる灯台の岬だがその名を意識する人は少なかろう [岬めぐり]

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 大島の玄関口は、これまでなんとなく伊豆に近い西海岸の元町港だろうと思っていた。ところが、きてみてわかったのは、実質的には東京湾に向いた北東の岡田港のほうが、その役割を多く果たしているらしいことだった。元町港は、風の強い日、波の高い日には使えない。
 熱海発伊東経由の高速ジェット船も、乳が崎から風早崎、小口崎と続く岬を右手に見ながら、岡田港に入っていった。
 また、東京・横浜方面からやってくる夜行の客船が入るのも、岡田港と決まっている。その船は、夜に東京や横浜の桟橋を離れても、夜中は相模湾に停泊して夜が明けるのを待って大島への最短のルートになる岡田港に入ってくる。
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 そして、ジェット船でも客船でも、乗客は岡田港に近づくと、白い灯台を載せた岬を目にするだろう。それが風早崎で、岡田港の北に陣取る3つの岬の真ん中にあたる。灯台が立つのは標高103メートルで、3つの岬のうちでは最も高い。
 それに急勾配で切り立った崖も、乳が崎と同じように火山噴火と地層の際だった特徴をもっているはずだが、それを確認しに岬に近寄ろうという物好きは、そう多くはあるまい。
 せいぜいのところ、船がそこを通るときに注意してみるくらいだろうが、すぐに通り過ぎてしまう。船が港に入ってからも、風早崎はずっと見えているのだが、だいぶ遠く離れてしまう。
 東京からの大島航路に使われている船は、「かめりあ丸」で全長が102m、3,837トンの旅客定員は638名で、1986(昭和61)年の竣工という、いささか古い貨客船である。これより新しくて大きい「さるびあ丸」は、東京~三宅島~八丈島航路に就航している。
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 東海汽船の航路で見る限り、伊豆諸島は「伊豆大島・利島・新島・式根島・神津島」と、「三宅島・御蔵島・八丈島」という二つのラインに、きっちり分けられている。このため、定期航路では神津島の先に見えている三宅島へ行くには、いったん東京まで戻って出直さなくてはならない。
 このラインに従って、使う船も近場では古い船、少し遠くに行く航路では新しい船、ということに自然になってしまうのだろう。
 貨客船でなければならない理由は、日に一度ずつ往復するこの航路が、単なる観光航路ではないからだ。
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 伊豆諸島に生活する人々にとっての重要なライフラインでもあるわけで、寄港地ごとに船首にあるクレーンが忙しく動き回り、いくつものコンテナを降ろし、また積み込んでいる。
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 ところで、いまさらのように気がついたのだが、「伊豆七島」という呼び名はよく使われるが、正しいのだろうか。
 現に、先に挙げた航路に出てくる名前だけでもう「八島」になるが、そのほかにも青ヶ島とか無人島になった島もある。
 どうやら「伊豆七島」は、江戸時代の有人島の数え方からきているらしい。そのため、比較的近年の定住が進んだ式根島や、火山噴火で一時無人になった青ヶ島は勘定に入っていない。
 とくに伊豆諸島では最南端の有人島である青ヶ島の青ヶ島村では、「伊豆七島」と呼ぶことに“差別だ”と抵抗を示しているらしい。そうか。東海汽船の定期航路のない青ヶ島のことはすっかり忘れていた。これも差別だったかな。
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 サツマイモのような形の大島は、三原山から北はなだらかなスロープが続いている。
 三原山の展望台から眺めると、そのスロープの先端で空ではなく海の青に出張っている、乳が崎、風早崎、小口崎の3つの岬はなかなか美しい。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.797801, 139.372239
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dendenmushi.gif関東地方(2013/03/21訪問)

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タグ:東京都 灯台
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