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940 乳が崎=大島町岡田(東京都)近くて遠かった伊豆大島の最北端にある岬は火山と海食によってできた [岬めぐり]

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 岬めぐりも1000項目が近くなり、だいぶ溜まってきた。関東・東海地方はだいたい網羅した…と言いたいところだが、東京都がすっぽり抜けている。
 東京都にも岬はあるが、それらはすべて伊豆七島と小笠原諸島になる。
 もともと、原則的に島嶼部(橋で繋がっている島は本土並み扱い)は後回しにするつもりで、各地の岬をめぐってきたが、やはり東京都だけ空白というのも具合が悪かろうと、とりあえず大島から神津島までを加えておくことにした。(大島という島は全国に数多いので、ルールに従えば「伊豆大島」と呼ぶべきなのだろうが、国土地理院電子国土Web.NEXTの地図では、その表記はなく、単に「大島」としている。)
 三宅島と八丈島は様子見、小笠原はやはりいちばん最後の岬めぐりになるのかなぁ。(それまで続けられれば…だけど。)
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 小笠原に比べると、大島は近い。でんでんむしが現在棲息中の湘南の海辺からも天気のいい日にはいつも見えている。伊豆半島の東海岸を行けば、手が届きそうなところにある。
 なのに、やっぱり島は遠く、なかなか手が、いや足が届かないでいた。今回、初めてとなる大島訪問は、熱海からの高速船で行くのが、最も便利で早いだろう。
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 そう思い立って、大船駅で横須賀線から東海道線に乗り換え、熱海駅前からタクシーで港にやってきた。この付近の航路をほとんど一手に引き受けている東海汽船の乗船券は、あらかじめネットで予約しておいた。
 ある時期、もてはやされた水中翼船は、その音と揺れで評判があまりよくなかったのか、最近それに取って代わっているのが、高速ジェット船というものらしい。水中翼船では走行中に翼の一部が海面上に出るが、高速ジェット船では水中翼がすべて沈んだままジェットエンジンで海水を吹き出し、空気のかわりに海水から揚力を得る「ジェットフォイル」方式で走るという。
 確かに、揺れないし音もあまりしない。速さも速いのだろうが、熱海・伊東と大島の間は、イルカなどの海洋生物に配慮して高速は出さないというので、あまり実感はない。
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 東海汽船は、この高速ジェット船“セブンアイランド”を、4隻航行させていて、その派手なカラーリングは柳原良平に依頼したものだという。柳原良平といえば、ちょっと年季のいった人ならサントリー広告の、“アンクルトリス”を描いたイラストレーターとして知っているはずだが、実は大変な“船マニア”として有名で、その本も『柳原良平の船の本』など何冊か買ったことがある。そこに目をつけた東海汽船は、“名誉船長”として遇しかつ活用しているわけだ。
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 熱海港を出た船は、伊東港に寄って大島の岡田港には1時間ちょっとで到着する。
 さて、いつも遠くからそのシルエットを眺めていた大島に、船が近づくと、そこでまず目に入ってくるのが乳が崎(ちがさき)である。
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 ただし、高速ジェット船は指定座席に縛り付けられたままで、うまく写真が撮れない。
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 そこで、乳が崎の写真は、東海汽船が“大型客船”と称している帰途の神津島から大島への便から撮った写真(これがまた全体にモヤがかかっているが)と、三原山の展望台からの遠望が主になる。
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 乳が崎は、伊豆大島の最北端である。北東方向の富士山に向かって飛び出している小山の先にあたるこの岬は、東西に碁石浜と野田浜と二つの浜の名が地図にはあるが、北風と波浪に鍛え抜かれた浜はほとんど名ばかりのようで、険しい断崖と絶壁の岬だけが目立っている。
 岬の断崖は、高いところでは5〜60メートルは優にある。海底火山の噴火でできた大島では、島の北端付近には岡田火山という古い火山があり、その活動によって押し出された溶岩と火砕流の層が、海食によって削り取られ、この険しい北海岸の風貌ができたと考えられる。
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 その名は、地形の形状からの連想からつけられたようだというのもたやすいが、だとするとその地形は海上の船からではなく、南の三原山寄りから見てのことだろうか。
 その南にある大島空港を離着陸する飛行機からは、どんなふうに見えるだろうか。滑走路は、乳が崎と東に隣り合う風早崎の間を向いている。三原山から見ると、こんな感じに。
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 最初はそう考えていたが、実際に神津島からの帰りの船が、大島の北西側から回り込むさいにこの岬の姿が変わっていくのを見ていると、これこそまさしく海上の船からの姿からつけられた名であることに疑いがない、とわかった。
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 なるほど! 感動的だなあ。命名者の決定に異議なし!であります。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.798612, 139.361124
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dendenmushi.gif関東地方(2013/03/21訪問)

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