929 蓬崎=瀬戸内市牛窓町鹿忍(岡山県)通学用バス路線で岬に近づいてみたものの遠望のほうがよく見えることに… [岬めぐり]

ホテルリマーニと牛窓港から見える3つの岬というのは、ほぼ南の正面に前島の荒崎、西南には蓬(よもぎ)崎とサカケノ鼻が見える、というつもりだった。このうち、西南側の二つの岬は重なるよう見え、その遥か沖合いには岡山市東区に属する犬島諸島である。
だが、くわしくみていくとどうもサカケノ鼻については、この角度から見えているのかどうか、ちょっとビミョウになってきた。だが、それはとりあえず後にして、まずは蓬崎である。
だが、くわしくみていくとどうもサカケノ鼻については、この角度から見えているのかどうか、ちょっとビミョウになってきた。だが、それはとりあえず後にして、まずは蓬崎である。

牛窓の町は本町から東町、本町から西町、さらに中浦、綾浦、紺浦、西浦…と西へ延びていったようである。紺浦と西浦の間には、80メートルに満たない小山が牛窓湾に突き出ている。この尾根は、牛窓の町に入ってくるときすぐ右手に見えてくる。

この山には、ホテルや別荘などが並んでいるが、タクシーの運転手さんがそれを指し示しながら「あそこに岡千秋の別荘もあるんですよ」と教えてくれた。岡千秋を知ったのは、自身の作曲による都はるみとのデュエット曲『浪速恋しぐれ』であった。多くの歌手に楽曲提供をしている彼は、備前市は日生町の出身なのだという。
「916 松ヶ鼻・タタリ鼻=備前市日生町日生(岡山県)思いがけない人と地域の結びつきに遭遇したりするのもおもしろい」 の項では、バスの青い窓で通り過ぎただけで降りなかった岸壁には、加子浦歴史文化館というのがあって、そこには岡千秋の資料展示コーナーもあったらしい。まったく、いろんな土地でいろんな思いがけない人に遭遇するものだ。

蓬崎は、実はこの尾根ではなくて、もうひとつ南にある。牛窓港から見ると、この二つが同時に視野に入ってくるが、遠くの方が蓬崎なのだ。

映画のロケにも使われたという建物もある、牛窓終点のバス停から日に2本だけしかない子父雁(こぶかり)へ行くバスに乗ると、蓬崎へはもっと近寄ることができる。この路線は、もっぱら通学用にあるらしい。
紺浦を過ぎると、牛窓町牛窓から牛窓町鹿忍に入り、バスが南に進路を変えるところで、こどもたちが固まって待っていた。

そのこどもたちを乗せて、急ににぎやかになったバスの前方左手が開け、堤防で仕切られた干拓地のような地形が広がる。気になるのは、せっかくの干拓地が、なにか荒れ放題のようにしか見えないことだ。

その向こうに岬が見えているが、これが牛窓港から見たときに手前に延びていた無名の岬で、それを今度は裏側から見ていることになる。やはり埋立地にできた岡山大学付属臨海実験所の白い建物と堤防があり、その先端に丸い小さな島のような盛り上がりがある。おそらくは、沖にあった小島を埋立てにさいして堤防でつなげてしまったのであろう。

毎度ことあるごとに書いているのは、このブログのサブテーマが地図でもあるからだが、いつも地形図としては国土地理院のほうを信用してきた。ところが、この先端の盛り上がりの表示に関しては、電子国土ポータルでは、なにもそんなものはないように表示している国土地理院よりも、輪郭をつけただけでも先端部に島のような表記をしているMapionのほうが、実態をより正しく示している。

バスが進む道路は高度を上げ、小松ヶ峠という峠を越えて、曲がりくねった道を上ったり下ったりを繰り返して行く。別荘地のようなバンガローのような建物があるところを越えると、矢寄の集落に入り、こどたちがひとりふたりと降りていった。

ところが、どうも肝心の蓬崎とその灯台が、地形の関係で展望がきかず、岬に近寄っているはずなのに見えない。見えるのは蓬崎の北に位置する出っ張りである。
岬も灯台も、牛窓港からの遠望でもはっきり見えていたから、まあいいようなものだけれども…。
岬も灯台も、牛窓港からの遠望でもはっきり見えていたから、まあいいようなものだけれども…。

▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34.599519, 134.138177




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