869 稲荷岬(藻岩岬・弁天岬)=久遠郡せたな町瀬棚区元浦(北島歌)(北海道)とんでもない“コピペ・オンパレード”を発見 [岬めぐり]
まだ、前項を引きずっている。せたな町のホームページに、追分節に「主は三本杉よ 二本離れて 妾しゃ独り」と歌われたとあるのを見て、その歌詞を確かめようとした。“追分節”とは、「江差追分」のことだろうと思うが、前唄、本唄、後唄で構成される長い歌詞の中にも、ここにいうような三本杉にかかわるものは、見当たらなかったからだ。
江差のみならず、忍路高島(724 茅柴岬=小樽市祝津(北海道)忍路高島およびもないが…と「江差追分」も歌った小樽のニシン漁)と小樽付近までの地名やエピソードも織り込んでいる「江差追分」なので、瀬棚が歌詞にあるとしてもなんら不自然ではないが、その確認ができなかった。
もっとも、ローカル・バージョンなど、歌詞にもいくつかバリエーションが数種類あることも考えられるので、ひとつの歌詞だけ見て“ない”と断言もできないのかもしれない。
ところが、三本杉の歌詞のかわりに、なんと、とんでもない“コピペオンパレード”を見つけてしまった、というわけだ。
前項で、Yahoo!で「追分節 三本杉」の検索結果の一部を示したのだが、一字一句、半角の空きスペースまで同じ表現のホームページやブログが、数十もゾロゾロと出てきた。そのリストのアタマのほうには、せたな町や観光協会や北海道庁関連のものらしいものもある。官公庁関連だから、どこも同じコピペでいいとは言えないだろうが、百歩譲って仮に官庁が同じネタを各所で使い回しするのはまだいいとしよう。それならばと、全部で8ページに及ぶ検索結果リストの、終わりのほう7ページ目の一部をみてみよう。
ご覧のとおり、どこまでも一字一句違わないコピペで埋め尽くされている。しかも、この文章は、ひとひねりひねってある表現で、誰が書いても同じになるような文章ではない。
コピペするくらいなら、そこにない情報でも調べて付加し、オリジナルなものに発展させてくれないと、組織にせよ個人にせよ、ネット情報として公開する意味も価値もなくなるではないか。
ここでもまた、「赤信号みんなで渡れば怖くない」的風潮が蔓延しているようにもみえる。こういう安易なことが横行し蔓延すると、ネットは“いい加減情報”の代名詞になってしまいかねないので、たいへん憂うべきで気がかりだ。
確か、Googleもできる前ではなかったか、1997(平成9)年に『インターネットはからっぽの洞窟』(クリフォード・ストール著)という翻訳本が出たことがある。読んだのは紹介だけだったが、内容はアメリカで盛んだった情報ハイウエイ論議など、広くIT批判がテーマであったように思う。だが、その後、ずっと強く印象に残ったのは、日本語版の編集者がつけたのであろうこの邦題のほうだった。
インターネットを“からっぽの洞窟”にしてしまわないためには、(1)こういうよその文章や写真をコピペして、自分のページやブログをつくるような不法行為をなくするようにすることと、ついでに(2)大手の情報会社なども盛んにやっている、なにも内容がないのに場所取りだけするページづくりを止めることが、なによりも求められるのではないか、と思う。
不法なコピペや、ルール逸脱引用の蔓延は、情報発信者が誰でもできるように拡大された結果、ともいえるだろう。であれば、ブログの運営会社などは、なによりもまず普及啓蒙と指導活動を日常的に行なう責務がある。ほかのところは知らないが、われらがSo-netに関しては、ほとんどなんの配慮もしていない。(と思える。)
たまたまちょうど都合のいい文章やいい写真などをみつけて、それを自分のブログやホームページに敷衍して使いたいと、思うことはあるかもしれない。そういうときには、“コピペ”ではなく、“ルールに則った引用”か、またはインターネットの特質である“リンク”で、対応処理すべきなのである。
そういった原則を徹底浸透させなければ、「インターネットは不法投棄ゴミでいっぱいの洞窟」になりかねない。
三本杉岩の北側は、わっかけ岩の前に砂浜が続く海水浴場になっている。B&Gの施設があって、その下の浜では救命胴衣をつけたこどもたちが、カヌー(シーカヤック?)の指導を受けていた。B&Gも、岬めぐりで歩いているとあちこちで遭遇するが、実際の活動場面に出会ったのは初めてだ。
その向こうに遠く見える立岩は、稲荷岬の先、虻羅トンネルの岩場沖にある亀石だろうか。岸までの距離が測りにくいので、あまり自信はないが、ほかに沖の立石は地図にはない。
三本杉岩から見える海岸線は、せたな町の島歌まで続き、稲荷岬のほか、藻岩岬、弁天岬、そして茂津多岬とあるのだが、ここからでは遠くまではわからない。
▼国土地理院 「地理院地図」
42度29分56.33秒 139度50分34.71秒
北海道地方(2012/09/03 訪問)
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