859 ツラツラ岬＝久遠郡せたな町大成区長磯（北海道）毎度ながらつらつら思うことは地図のことで…

　日本地図で北海道の形を見たときに、羽を広げて空を飛ぶガンが、首を曲げ口を開いて一声鳴いているところ、という第一印象をもったのは、中学生の頃だった。この曲がった首のところが、北海道の最西端にあたるのだが、その付近一帯が「せたな町」の町域となる。
　南北におよそ62キロはあるこの町の海岸線は、南の端が標高1,277メートルの遊楽部岳の下に連なるポンモシリ岬のふくらみで、北の端が1,520メートルの狩場山から落ち込む茂津多岬である。この間には、毛無山周辺は急峻な崖が日本海に落ちる海岸が続き、そこには道もない。
　そのため、229号線の追分ソーランラインは、宮野から東の山の中を大迂回してせたな町の北桧山区・瀬棚区へ向かっている。
　が、山に入るまでに、この229号線沿線では、まだツラツラ岬とヨリキ岬という二つの岬が残っているので、まずはそれから。

　海岸線の岩の風景が美しい親子熊岩の周辺は、というよりも親子熊岩だけがお目当ての人も多いのだろうが、229号線を走る車を停めて、その風景を楽しみたいところで、そのために道路脇に柵や駐車スペースが設けてある。
　親子熊岩を過ぎたところにあるトンネルは、その名も“親子熊岩トンネル”で、それを抜けると、その先には長磯トンネルなど立て続けにトンネルがあり、四つ目のトンネルが横澗トンネルである。

　親子熊岩トンネルと横澗トンネルの間には、マンモス岩とたぬき岩と、電子国土ポータルの地図にはある。ときどき思い出したように取り上げては問題にしているのだが、ZENRINソースの他のネット地図には、これらの表記がない。それどころか、親子熊岩の表記さえもない。岩の名そのものが問題ではなく、そもそも地図情報が少なすぎ、地図とはなにかを問われなければならないような気さえしてくる。

　つらつら思うに、ZENRINソースの他のネット地図は、都会や市街地、町の地図中心で、ビルや住宅の地図を考えているので、田舎や僻地や山や畑や海岸などは、かなりアバウト。どうでもいい、と思っているようなフシがあるようだ。

　地図といえば、このところ誤表記で話題になった、AppleのiPhone5の地図のことがある。でんでんむしも、ホントに“脱GoogleMap”には期待していたのだが、最初に紹介された地図を見て、誤表記以前の問題として、「地図そのものが、これじゃダメだわ！」と思った。もっともっと、努力が必要だ。それが合格点に達したら…。

　閑話休題。
　…といっても、このブログでは、無駄話や横道も本題のつもりであるし、本題そのものが閑話のようなものであるので、いちいち断りを入れる必要もないのだった。

　正直なところ、マンモス岩もたぬき岩も、これがそう！と、自信を持っていえるような写真がなかったのだが、ともかくツラツラ岬は、横澗トンネルの上から流れ出る岩脈の出っ張りである。
　穴澗山という480メートルほどの山から、一つの尾根が岩の大きな塊となって張り出していて、その周辺には岩礁地帯も伴っている。こういうスタイルの岬も、比較的小規模な岬の典型的な形のひとつといえる。

　足場さえよければ、釣りのポイントにもなるのだろうが、さすがに北海道ともなると、本土のように行く先々あちこちで、やたら釣り人に遭遇することもない。

　このあたりまでくると、奥尻島もやっとその島影がはっきりしてきた。

▼国土地理院　「地理院地図」
42度10分0.79秒 139度54分3.74秒

北海道地方（2012/09/02　訪問）

タグ：北海道 地図

コメント 2

おおっ、これは見応えのある景色です。
たしかにクマが咆哮しているかのような感じですね。
by ナツパパ (2012-10-16 16:00) 

＠クマは前の858項で終わっているので、ここはマンモスとタヌキなんですけどねぇ。どうも、これがそうという自信がない、というわけです。
5枚目がマンモスで、6枚目がタヌキかなぁ、とは思うのですが…。
by dendenmushi (2012-10-16 18:37)