850 葛登支岬=北斗市茂辺地(北海道)もうひとつのもういちどの岬はかつては青函連絡船を迎え見送っていた [岬めぐり]
葛登支岬は、函館山南端の大鼻岬と並んで、東西で函館湾を囲んでいる。地図上では非常に目立っている岬だが、それも函館湾に入る船舶の指標としての意味が大きいことになるだろう。岬周辺の海岸一帯は、岩礁地帯が広がっているので、岸近くには白波が立つ。
だが、この岬は陸上を行く江差線の車窓からは、地図上ほどにはあまりその存在を主張しているようには見えない。
渡島当別の駅周辺は家もたて込んでいるし、とにかくどこまでも電線と電柱からは逃れられない。この沿線は人家と町が、ほとんど切れ目ないのだ。
灯台もあるのだが、写真を拡大してみれば確かにあるのがわかる。渡島当別の駅を過ぎると、大当別川と当別川の間で、海岸を離れて大きく迂回しているので、岬も見えなくなる。その後また灯台の下を線路が溝にもぐっていくのだが、車窓からはまったく見ることができなかった。
以前にあげていた148 葛登支岬・三ツ石崎の項目を、より充実させるためのフォローのつもりだったが、それはあまりうまくいかなかったようだ。
江差線が茂辺地トンネルを抜けると、矢不来の出っ張りの向こうに、湾曲しながら延びている北斗市の海岸が見えてきた。
そのいちばん右奥の付近が、七重浜である。七重浜といえば、青函連絡船の遭難現場でもあるが、そのことは前にも148項でもふれたので、繰り返さない。だが、この遭難がなければ、津軽海峡の海底トンネルの開通は、もっと遅くなっていたのかもしれない。
JR函館駅はきれいになっているが、ホームがわずかにカーブして曲がっている。そんなことに注意を向ける人もいないが、出口は各ホームの正面にはない。ホームを降りて突き当たりから、左手に折れ曲がっていかなけれならない。では、左手に折れないでレールのカーブをそのまま延長したとしたらどうなるか。
ホームのそり具合に合わせた延長線上に、かつてあったはずの線路は岸壁に向かい、そのまま接岸中の青函連絡船に呑み込まれていたはずだ。
そこには今は、青函連絡船記念館として摩周丸が岸壁につながれている。
同様にして、靑森港には八甲田丸が繋留されているのだが、残念ながらでんでんむしは青函連絡船には乗ったことがない。
いつも多くの観光客があふれている函館駅の周辺は、だんだんきれいになっている。
駅前の摩周丸寄りのほうには、観光客目当てに朝市やどんぶり市場などができている。ここのどんぶりは、う〜ん、ビミョウである。この付近から南にドックのほうなどではそんなことはないが、駅前から少し東に外れて、松風町や大森町のほうに行くと、とたんに寂しくなる。
ホテル函館ロイヤルは、地元の結婚式などにも利用されている大きなホテルだが、その前の道路などはでこぼこのつぎはぎであった。除雪車のキャタピラの跡がそのまま残るのも、東京と変わらぬ暑さの函館で、ちょっと複雑な気持ちにさせる。ああ、そうか、年の半分近くは雪に覆われることになるのだから道路は見えないし…と、また先走ってしまうが、もちろんそんなことではあるまい。
▼国土地理院 「地理院地図」
41度44分33.63秒 140度36分3.56秒
北海道地方(2012/09/01 訪問)
タグ:北海道
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