840 赤島鼻=浜田市長浜町(島根県)遺跡や古墳も大好きだし人類の起源を考えるのも楽しいことだ [岬めぐり]
この付近にも、古墳があるという。われわれが勝手に「山陰」と名付けているこの地方にも、古くから人の営みは変わりなく営々として続いてきた。出雲文化圏の西端にも位置する場所だから、当然といえば当然なのだが、全国にほぼくまなくそうした遺跡があることに、今更のように感動してしまう。
「人類は、どこから来たのか。」という宣伝のキャッチコピーに惹かれて、リドリー・スコット監督の『プロメテウス』を3Dで観てきた。こういうのは、いわば “永遠に未解決な謎”であって、答えが出ないとわかっているのに、「人類の起源」にはなにか気分が高揚するところがあって、楽しめるしおもしろい。
昔は、エーリッヒ・フォン・デニケンの本、たとえば『未来の記憶』なんかの話を真面目にすると、「ちょっとおかしいんじゃないの?」という反応しか返ってこなかったものだ。時代をおいてグラハム・ハンコックが世に問うた『神々の指紋』は、一時期ベストセラーにも名を連ねたが、やはり残ったのは“トンでも本”という括りでの評価でしかなかった。
スコット監督も、こう大きくぶち上げたからには、「要するに、結局のところ『エイリアン』と同じなんだね」といわれないように、当然に予想される続編で世界があっと驚く展開をみせて欲しいモンである。それまで、この映画の評価はおあずけだね。
古墳の丘の下に広がる周布町を抜け、周布川を渡り、城跡の山を見ながら入江の干拓でできたらしい町を越え、峠を越えると西浜田の長浜町である。丸い弧を描く浜は、港湾施設や埋立地が埋めている。
そこは浜田港の一部で、その西側が赤島鼻のある出っ張りである。この上は、宝憧寺山公園という公園になっているらしい。その下の埋立地の先には大島という丸い島がくっついている。
赤島鼻の南西に控えるのが、前項ではちょっと見えなかった大崎鼻だが、ここでも赤島鼻の陰になって見えない。
港を日本海の荒波から守る長い防波堤が、赤島鼻の手前から北に向かって延び、一直線に外洋を仕切っている。西浜田駅の周辺、港に面して曲がりながら広がる町には、お寺と神社のマークがたくさん集まっている。
浜田城の縄張りのさいにできた寺町かと思えば、市内の中心部、昔の城があった山の下にもやはりお寺マークはたくさんあるので、ここに集めたというわけでもなさそうだ。
埋立地の埠頭には、セメントのタンクタワーがいくつか並んでいたが、ここでも石灰石を産出する山があるのだろうか。それとも、タンクはほかから運んできたセメントを需要家が引き取る前の貯蔵所なのだろうか。調べてみると、ここにも新日鐵高炉セメントと宇部三菱セメントがあったが、いずれもサービスステーションという名になっていた。
赤島鼻という名も、その地質の特徴を示しているように思えるが、遠くから見ただけではわからない。
昼食休憩のため、バスは浜田港を見下ろす丘に登って行った。そこには、道の駅があり、さらにその上には、島根県立大学がある…。そのときにはまったく気がつかなかったが、これを書いているときに、地図をしげしげと見ていて、数年前の記憶が刺激され、ここである悲劇があったこと、それは未解決事件となっていることを思い出してしまった…。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度52分52.81秒 132度2分10.64秒
中国地方(2012/05/30 訪問)
港の中に大島とか小島とかの地名がありますね。
埋め立てられて陸続きになってしまったのですねえ。
by ナツパパ (2012-09-07 15:26)
@そのとおりですね。大島と小島は、港湾施設のために埋立で陸地とつながったものですね。
こういうのは、港の成り立ちにはどこでもよく見られることです。離れているとなんでもくっつけたがる…。
by dendenmushi (2012-09-08 05:24)