SSブログ

770 瀬戸崎=西牟婁郡白浜町(和歌山県)新第三紀層の砂岩でできている岬は千畳敷の名で知られている [岬めぐり]

setosenjyo04.jpg
 瀬戸崎といわれても、すぐわかる人は地元でも少ないのではないか。そこは、もっぱら千畳敷と称され、白良浜と円月島、三段壁とならんで白浜の観光名所のひとつとなっている。
 「その広さはおおよそ4ヘクタールで、畳を千枚敷けるほどの広さであることが名前の由来」とは、ウイキペディアの白浜・千畳敷の解説の一部である。これはちょっと、ひっかかる表現である。
 もともと「千畳敷」とは、“畳が千枚敷けるほどの広さ”という意味ではあるまい。この場合、“千枚”よりも“ほど”の使い方がポイントになるのであって、“ほどといわれるくらいたくさん”のほうに焦点をあてて説明すべきだろう。数字は単なる比喩であって、「白髪三千丈」(とは厳密にはいささか用法は違うが、ほら「タンタンたぬきの…」とか)の類いで、大きさや長さや広さを誇張したり強調している場合や、ストレートに「most」の意味で使われる表現のひとつ、と考えるべきであろう。
 ちなみに、もし白浜の千畳敷の広さが、4ヘクタールだとすると、40,000平方メートルだから、京間の一畳1.824平方メートルで換算すると、21,929畳にもなってしまう。“千枚敷けるほど”、どころではないことになる。
 「千畳敷」は、全国あちこちにたくさんある。日本アルプスにもあるくらいで山や内陸部のほうが多いようだが、岬絡みでの千畳敷は、青森県の五能線にあるのが、特急「リゾートしらかみ」号が10分間停車して観光客を降ろすので有名である。なにしろ、ここは駅の名が「千畳敷」で、岬の名は大戸瀬崎( 018 大戸瀬崎=千畳敷 )。ここは瀬戸崎で…。
setosenjyo05.jpg
 白良浜と三段壁の中間にある、千畳口のバス停から、かんぽの宿の前を海へ下って行くと、少し白っぽい茶色をした岩肌をでこぼこさらした海岸に出る。そこが瀬戸崎で、千畳敷を見物にやってきた団体が、レストハウスの下で記念写真を撮っていた。その近くには寄っていかなかったのでわからないが、どういうグループだろう。修学旅行? この日は平日でもあるし、こどもが多いが、大きいのや小さいのにおとなも混じっている。
setosenjyo06.jpg
 日本列島の主な骨格を形成しているのは、第三紀層だとなにかで読んで覚えていたが、ここは今から2,303万年前〜258万年前までくらいの、地質時代の区分でいう新第三紀層の砂岩でできている。
 岩としてはやわらかいので、波浪の影響で削り取られ、このようなでこぼこの岩棚ができた。瀬戸崎の岩棚は、スロープになっているうえにでこぼこが多いので、たいてい多くの千畳敷と同じく、畳を敷くには実はあまり向いていない。
 観光地に付き物の落書きも、ここでは砂岩を削り取ることになる。行ってみたときには、すぐ気がつくようなところにはなかったように思ったが、落書きをするな、ごみを捨てるな、吸い殻をポイするな、ものを壊すな、草木を取るな折るな、そんなことをいつまでたっても声高にいい続けなければならない世の中は、情けない。
 オーストラリアから白い砂を買っている白良浜では、せめてできることをしようということか、全面禁煙でポイ捨てとごみをなくするための努力をしているという。
setosenjyo07.jpg
 千畳敷でも、ビニールのごみ袋と空き缶入れのあみをもって、おじさんが巡回していた。そのおじさんの行く方向、北側の正面には、白い建物が見えている。この付近はみなべ町あたりであろう。そうすると、この白い大きな建物は、目津崎にあるみなべロイヤルホテルであろう。では、2009年にここに泊まったときには、部屋の窓から瀬戸崎が見えていたはずなのだが…。
 403 小目津崎=日高郡みなべ町山内 404 目津崎=日高郡みなべ町山内 の項では採用されなかった写真のなかから、その1枚を見つけてきた。

setosenjyo08.jpg
setosenjyo03.jpg
 瀬戸崎の南側にも、似たような岩棚が、何本も海に向かって突き出しているが、そのいちばん向うが、次の大崎にあたる。

▼国土地理院 「地理院地図」
33度40分14.63秒 135度19分48.45秒
setozakisenjyojikiM.jpg
dendenmushi.gif近畿地方(2011/10/05 訪問)

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ


タグ:和歌山県
きた!みた!印(29)  コメント(4)  トラックバック(0) 

きた!みた!印 29

コメント 4

ハマコウ

外国から白い砂を買っているところがあるのですね

遠州灘海岸の砂浜も 次第に狭まってきて…
各地で対策が進んでいますね
by ハマコウ (2012-03-31 08:20) 

cafelamama

僕の住む茨城の阿字ヶ浦という海岸も
ひたちなか港の建設で潮流が変わって砂が流されたため
毎年、相当量の砂を入れていますね。
by cafelamama (2012-04-01 07:50) 

dendenmushi

@残念なことに岬はないのですが、中田島砂丘を見に、浜松駅前の丸いバス停からバスに乗って、わざわざ行ったことがあります。
ちょうど、たこ揚げの練習をやっていた、そんな時期でしたがそこでも、砂丘がやせていると聞きました。
by dendenmushi (2012-04-02 05:46) 

dendenmushi

@そうだ、阿字ヶ浦そのものにも岬がないんですよね。それで白亜紀の磯崎で引き返してきたんだけど、海浜公園にはまた改めて行きたいと思っています。
どこも同じですね。わが町の海岸でも、先日散歩に行ったら、鎌倉側の端に、大量の砂が山をつくっていました。
by dendenmushi (2012-04-02 05:51) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました