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757 神谷崎=日高郡由良町大字神谷(和歌山県)橋もトンネルも『道によって賢し』でなのだが… [岬めぐり]

 三角形の西の端が下山鼻なら、南の端が神谷崎になる。その端がカギのように曲がっている神谷崎は、由良港に面してある重山という260メートルほどの形のよい独立峰の南西にある神谷の集落に続いている。
 集落と神谷崎の間には、埋立ての工場用地と港があって、「駒井ハルテック」という名が記された建物やクレーンがある。
 神谷崎は、この工場の向うにある。
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 バスは工場の門の前まで行って折り返す。神谷崎の目の前までは行くのだが、その先へは行けない。神谷崎には、やはり中の碆という岩礁が連なっているようだが、そこまでは見ることもできなかった。停まったバスの目の前に、フェンスに沿った階段があったので、あるいはここから海岸へ出られるようになっていたのだろうか。
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 株式会社駒井ハルテックは、東証大証一部上場の橋梁など大型構造物の設計施工を得意とする会社であるようだ。春本鐵工を前身とする株式会社ハルテックと、駒井鉄工株式会社が、2010(平成22)年に合併してできた会社で、風力発電の風車もつくっている。
 ここは、その会社の和歌山工場なのだ。
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 でんでんむしは、自分の生涯でまったく経験も関係もなく縁遠い世界に、常に憧れている。つまり、世の中のほとんどの仕事や分野が、すべてそうだともいえるのだが、たとえば新幹線に乗っていても、その線路のかなりの部分は橋梁技術の進歩に支えられているのだと思い、地下鉄に乗っても乗っている人間のほとんどが気にもしないトンネル技術の見事さを思ったりする。
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 駒井ハルテックでは、風洞試験ができる設備も備えているという。
 なるほど、橋にも風洞実験があるのだと、初めて気がついた。橋梁の材料も、軽くて強度が充分なものが、常に開発研究されている。隅田川に架かる永代橋や清洲橋のように、鋼鉄を巨大なリベットでつなぎあわせた昔の橋のイメージからは、新大橋や中央大橋と見比べても、最近の橋は随分違うもののようだ。
 最近では、高層ビルの地震の揺れが話題になっているが、長大化・軽量化の傾向にある大型構造物でも同じような長周期振動の問題もある。そのために、構造物の耐風安定性の検討は欠かせないのだという。
 でんでんむしが、好きな言葉のひとつは、『道によって賢し』。
 その元の言葉には「芸は」というのがつくので、芸事から生まれた言葉だろうが、「是非は」とか「人は」とかでも通用することで、範囲も用途も広くなった。
 どんな分野でも、その道その道で専門というのは偉大なものだというので、これまでずっとそう思ってきたが、こと原発に関してはそういう専門への畏敬の念がさっぱりなくなってしまった。ここには、“道”から外れたことが分野の隅々にいたるまであまりにも大きすぎるということが、だんだんに門外漢にもわかってきたからだ。
 駒井ハルテックの沖に浮かぶのは、由良港の入口に横たわる蟻島で、その間に由良町と日高町の境界がある。大きな船はその左側(南)の日高町を通っていく。
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▼国土地理院 「地理院地図」
33度57分22.42秒 135度4分48.37秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2011/10/04 訪問)

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タグ:和歌山県
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コメント 2

ぱぱくま

道を究めるのはどんな分野でも大変なことですね。
その先にあるものが何かは分からない・・
何が進歩で何が進化なのか
足元しっかり見つめることが大事なのでしょうね。
by ぱぱくま (2012-03-03 17:12) 

dendenmushi

@そうですね。究めるのはたいへんなことで、それができるのは限られた人たちなのでしょうね。
その周辺で、専門を世の中の役に立てよう、進歩させようとがんばっている人たちがまた、もっと大勢いて…。
by dendenmushi (2012-03-05 06:57) 

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