750 剣崎=有田市宮崎町(和歌山県)結局「剣」は見えなかったが「矢」は見えた?「矢櫃」という名前で想像する [岬めぐり]
有田市宮崎町の広い町域に含まれる有田川左岸一帯の出っ張りの南には、100数十メートルくらいの山が連続している。海側に面して3か所くらい、漁港のある入江を伴っている集落があるが、そのひとつが西の端にある矢櫃である。
箕島駅前から乗ってきたワゴンの中紀バスの終点がここなのだが、なぜここだけバスが通っているかといえば、一応温泉の一軒宿があるからかもしれない。
狭い車道が行き止まりになる寸前のバスの終点は、急な斜面に連なる集落の上のほうで、真下に小さな漁港がある。
剣崎は、この小山の向こう側になるのだが、地図を見て予想していた通り、やはりここからでは入江の山が遮るので見ることはできなかった。その山の端に覗いているのは、淡路島の南端付近なのだろう。
それでも…と、行き止まりの先の民家の裏の小道をむりやり進んでいくと、一面笹竹が茂る山道になる。そこには、有田市が立てたまだ新しい案内標識があり、宮崎ノ鼻やのろし場へ通じるという道標が示されている。地図にはない、こんなルートがあったのだ。これを行けば、表記がないが剣崎へも行けたのだろうか。
しかし、帰りのバスはそう長く待ってはくれないので、今ごろわかってもそれを行くわけにもいかないのだが、事前にわかっていればまた計画の立てようもあったかも知れない。
う〜ん、悩ましいことだらけの和歌山の岬めぐり、今回のシーズンはまだ始まったばかりなのに…。
足下にある入江を囲む周辺にも、笹竹のような植生が目立っているが、なんとなくその名前から想像していたように、ここは弓矢の矢の生産貯蔵地であったのだろう。矢に使う矢竹は、真っすぐで節の少ないものが要求される。
昔は城の周囲などにそれを植えることも多かっただろうが、ここにはそれが大量に自生しているので、おそらくはある時期においてはのろし場も合わせて重要な地であり、この小さな漁港もかつては魚よりも矢のほうを多く送りだしていたのかもね。
肝心の剣崎だが、南東の湯浅のほうからだと、少し遠くにはなるが見えるのだろうか。
宮崎町の大きな出っ張りの先端部は、矢櫃からドッグレックのように曲がっていて、しかも剣崎の位置が先端ではなく途中にあるので、湯浅から見たときにも、やはり隠れてしまっていた。
そこから見えたのは、タテゴや帆立岩という立石のある矢櫃の岬だった。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度4分13.76秒 135度5分5.36秒
近畿地方(2011/10/04 訪問)
剣崎の入り江が、なんとなく郷愁をさそいます。
地元の磯崎に少し似ているからでしょうか。
by cafelamama (2012-02-18 06:17)
堤防の先端で釣りをしていますネ。
by ばん (2012-02-18 15:15)
@cafelamamaさん、ここは厳密には矢櫃で、剣崎はこの向こうになりますが、港があるのはここだけなんです。
その小さな漁港は、全国に無数にあるのでしょうが、高いところから見ているので、ちょっと磯崎を連想されたのでしょうかね。でも、磯崎のほうがずっと大きい…。
by dendenmushi (2012-02-20 06:06)
@ばん さん、岬めぐりをしていますとね、驚くというか、認識を新たにするのは、「釣り人はどこにでもいる」ということです。
ほんとに、感心するというか、あきれるくらい、どこの海岸にも必ずいるのです。
by dendenmushi (2012-02-20 06:09)