748 鹿ノ首・下崎の鼻＝有田市初島町浜（和歌山県）石油精製工場の向かいにある地ノ島という島に

　東燃ゼネラル石油和歌山工場は、海南市下津の一部から、名前のついていない岬をまるまる取り込んで、海岸沿いに造成した広い土地に長々と展開している。
　車を運転しないでんでんむしは、ガソリンのブランドにもあまり関心はないのだが、ウイキペディアの「東燃ゼネラル石油和歌山工場は、和歌山県有田市にある東燃ゼネラル石油の製油所である。和歌山下津港に位置する。エクソンモービルが「エッソ」・「モービル」・「ゼネラル」のブランドで展開するガソリンスタンドに供給する燃料油、潤滑油、石油化学製品を生産している。」という説明を読んで、ますますわけがわからなくなってしまった。
　この説明をさっと読むと、下津と有田の工場の関係が、すっかりこんがらがってしまうから…。だが、もう一度よくよく読み直してみると、「下津港に位置する」というのがこんがらがる原因であることがわかった。
　「下津」は海南市の地名だが、「下津港」というのは、確かに国土地理院の表記でも、海南市から有田市にまたがって、広くその名がかぶせられている。
　海南市の西の端から有田市初島町にかけての海岸は、ほぼまっすぐな埋立の海岸で、ちっとも港らしくないのだが…。一部には、船が入るような切れ込みもある。

　それはともかく、その石油工場の向かいに地ノ島と沖ノ島という島がある。どちらも無人島らしいのだが、地ノ島の北には鹿ノ首、南には下崎ノ鼻という表記がある。首と鼻の揃い踏み。牛の次は鹿ときた。おまけに、「地ノ島と沖ノ島」…はて、この名は前にもどこかにあったような…。紀淡海峡の友ヶ島の島の名と同じである。
　ここも工場内には立ち入りができないので、遠くから伺うしかない。天神越のトンネルを出たところから、地ノ島が望めるのではないかと踏んでいたのだが、これもまた見事に裏切られた。

　タンクやら塔やらが並び立ち、パイプが走る石油工場は巨大で、ほとんど見通しは利かない。かろうじて、島の上部が見えるだけで、岬も海も見ることができない。
　日本全国で、沿岸の埋立てはすさまじく、くまなく行なわれている。自然の海岸線が失われ、コンクリートで覆われるというのも、淋しい感じがするが、もうひとつの問題点は、そういう埋立地のほとんどが、鉄条網や厳重な柵や塀で囲み込まれ、誰も海岸を歩くことができなくなっていくという事実である。公有水面の埋立ての許可や所有権の関係もふしぎなことだ。
　有田市初島町というところは、石油工場が進出する前は、古いのどかな農漁村であったのだろう。
　それは、いまは埋め立てられて工場になっている初島町の旧海側には「初島町浜」、山側には「初島町里」という名称が残ることからも、充分に想像できる。海と島と、遠くには四国の山並みを望む、有名な景勝地であったらしい。
　現在の初島町浜の大部分は、石油工場が占めており、その所在地は初島町浜1000番地。二つの無人島もまた、同じ地名に含まれている。
　電子国土ポータルの地図データが、かなり古いものであることは承知していたが、下記のように北の先端部はまだタンクなどが建っていない。それよりは新しいのが航空写真であろう。みんななにかというとGoogleマップとかいうのだが、でんでんむしはこれは断然Yahoo!地図のほうが優れていると思う。


　ほらね、並べてみると、一目瞭然。でんでんむしは、検索もYahoo!派です。そのくせ、Gmailだけは使っているのだが…。
　初島駅を出て、線路が大きく東へカーブすると、間もなく箕島駅に着く。

　「箕島」この名前を聞くと、なにやら妙に懐かしいような気がするのは、ほかならぬ高校野球で昔はよく聞いた名前だからだ。
　初めて降り立った箕島駅前にある中紀バスの案内所で、矢櫃（やびつ）へ行くバスの時間と乗場を確認すると、駐車場の辺りで待っていればいいという。 とくに表示や標識もなにもないので、なんとなく不安。

▼国土地理院　「地理院地図」
34度7分3.79秒 135度6分10.25秒　34度6分35.91秒 135度6分17.82秒

近畿地方（2011/10/04　訪問）

タグ：和歌山県

コメント 2

すごいすごい！魚釣り的に三崎が好きな輩です！がんばって！
by シーラパパ (2012-05-30 16:17) 

＠シーラパパさん、コメントならびに声援、ありがとうございました。和歌山にお住まいなのでしょうか。日本中どこのどんなへんぴな岬に行っても、釣り人がいるのには驚きます。
こちらも負けずに、全国制覇をめざして…？！
by dendenmushi (2012-06-01 05:48)