733 黒崎=輪島市門前町剱地(石川県)ここはいちばん多い岬の名前がついた岬ですがなにか… [岬めぐり]
赤の次は黒。「黒崎」は、日本の岬のなかでいちばん多い名前である。(▲番外DB:日本全国津々浦々岬の数はいったいいくつある? 数えてみた(岬・崎・鼻データベース=その1)参照。2008/01でんでんむし調べ。)
“いちばん多い”といっても、その数は50。それでも2位の大崎を大きく引き離してダントツといってもいい。日本全国津々浦々全部で3700を超える岬・崎・鼻のなかの50ということは、岬の名前はかなり多種多様、それぞれ個性的につけられているとみてよかろう。
能登西海岸でもふたつある。輪島市の黒崎は、市域の南端、志賀町との境界を接するところにあり、249号線とそこを走るバスは、ここから海岸線を離れて山の中に入って行く。岬めぐりが目的の当方としては、山に入る前になるべく海岸に近いところで、金沢行きのバスを降りなければならない。
門前でバスが出る前に運転手さんに、“関野鼻のほうへ行きたいのだがどこで降りたらいいか”と尋ねたところ、境界のところや黒崎には停まらないので剱地で降りるのが最寄り、との返事だった。
赤神崎を回わりこんで、剱地の漁港や集落を過ぎると、砂浜のきれいな海岸が続く。そこを歩いて行くところから、ずっと前方に見えているのが黒崎である。
この岬の南側には、当分の間、3キロくらい先まで人が住んでいるエリアはない。したがって、黒崎を間近に眺めつつ暮らす人が住む集落である剱地地区から見ると、この岬は常に逆光線のなかにあることになる。それを考えると、この岬を「黒崎」と呼び習わすようになったのは、ごく自然なことであったといえよう。
最近では、とくに町に近いところではとんと見なくなった野焼きの煙が、浜辺から盛大にあがっていて、なんとなく懐かしいような気さえした。藻塩焼く…ではないから、浜辺のごみでも燃やしているのだろう。
海岸の漂着ごみは、大変なやっかいもので、日本海沿岸ではひどいはずだが、この付近では浜辺の清掃も行き届いている。
1キロちょっとくらいの浜辺は、きれいな泣き砂の浜である。その名を「琴ヶ浜」という。
黒崎は、比較的幅のある岬で、高さは40メートルに満たないものの、周囲はぐるりと断崖が取り巻いている。その先には大小いくつかの岩島をともない、崖の上の枯れ立ち木が印象的である。
岬の上は平坦で、茶屋の看板と建物があったが、現在も営業しているような雰囲気でもなかった。
黒崎の南側には、地図には名もない深く切れ込んだ川が流れている。その川が輪島市門前町剱地と羽咋郡志賀町(しかまち)の境界を区切っている。
橋を渡ると、輪島市と国道249号線を離れ、志賀町と県道49号線に入っていく。
さすが、志賀町に入ると町の看板までが、少々のカネには糸目をつけないというわけか、露骨にしかもムダにピカピカで豪華!
▼国土地理院 「地理院地図」
37度13分22.55秒 136度41分46.19秒
北陸地方(2011/09/08 訪問)
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