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番外:休暇村越前三国など=坂井市三国町崎など(福井県など)“都道府県別幸福度調査”のベスト3は… [番外]

 福井県の海岸線は、県南西部の若狭湾沿岸を除くと、メタボのおなかのようにぷっくりとしていて、越前岬で出っ張ったあとは北に向けてもう一か所、九頭竜川の河口に目立ったハミダシがある。ここが東尋坊や渡島や休暇村越前三国があるところ。(下の地図、左の下端)etizenmikunikyukamuraMM.jpg
 石川県は、福井県との国境に近いところが若干出っ張っているが、そこから斜めにほぼ真っすぐの海岸が伸びやかに北へ延びている。内灘から千里浜の砂浜を経て長く大きく、でこぼこもそれなりに多い能登半島にかかる。
 富山県の海岸線は、富山湾岸のみで短く、目立つ出っ張りはほとんどなく、岬も二つしかない。
 今回の北陸シリーズ(2011/09/06〜09)は、福井県の北部から石川県の能登半島の西海岸を目指している。東京から福井へは、利用期間が3日から4日に延びたJR東日本のフリー切符で、上越新幹線でまず越後湯沢まで行き、そこからほくほく線の「はくたか」に乗り換えるのが便利で長岡を回るより早い。早いだけなら新幹線で米原経由のほうが早いというご意見はもっともなれど、この切符はあくまでJR東日本の路線を使うもの。北陸本線は、糸魚川付近でJR東日本とJR西日本に分かれるのだが、この切符の区間は特別に西日本エリアの福井まで利用できるのだ。
 この金沢行きの「はくたか」が、富山付近の信号機の故障で、10分以上遅れた。そのため、後の予定に若干変更を加えることになったが、基本は東尋坊から加賀海岸、それから能登半島の門前の南部から順に下って金沢へ戻るというコースを辿る。
 車内では、何度も通っていても、知らない町や田舎を走っているときは、本など読まずできるだけ車窓の景色を楽しむことにしている。ところが、前の座席のストライプシャツのおじさんのように、陽が直射するというのでもないのに、座るなりシェードを下ろしてしまう人も多い。
 この「はくたか」の車両設計は、外側から見る分にはかっこいいのだが、車内は全然ダメである。なぜダメか、この写真を見ればわかるでしょ。
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 特急列車の場合、座席の向きを進行方向に合わせて変えるようになっているのだが、車両によっては、また座席によっては、このように窓の位置と座席の位置がうまく合わなくなることがままある。新幹線や飛行機でもそれはあるのだが、たいていは雲ばかりの飛行機は、このさいどうでもよい。この「はくたか」はひどい。ちょうど目の前に、幅の広い窓と窓の間の壁がきてしまう。
 これでは、車窓の景色を楽しもうとすれば、首を曲げ顔を90度横にして窓に向けなければならない。
 初期の新幹線の車内には、無数のネジのアタマがそこいらじゅうに露出していたことは、「210 御前崎=蒲郡(愛知県)キミは新幹線内のネジのアタマをみたか」で書いていた。確かに、ネジは新幹線のみならず、ほとんどの車両で見えなくなったが、相変わらずの効率主義で、“乗客のための設計”には、まだまだ遠い。
 この岬めぐりでは、大阪へ経て広島まで足を伸ばしたのだが、九州新幹線「さくら」に乗った。JR九州とJR西日本が協調して、積極的にこれをPRしようとしているようだった。
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 ところが残念! 最新鋭の「さくら」でも、こんな按配。設計者などは「リクライニングシートを倒せばちょうどよくなる」というかもしれない。だが、考えてもご覧。シートを倒して景色を見たい人は多くはいない。こんなわけで、なかなか道は鹿児島へ行くよりもはるかに遠いようだ。
         ■          ■ 
 安直テレビドラマの刑事物などでは、なぜか必ず最後に犯人を追いつめる場所は、岬とか崖の上とか岩場の突端とかに決まっている。あれはいったい、どういう理由によるものなのだろう。
 とっくの昔に定年になっていていいのに、まだそういう役もやっているらしい愛川欽也も「自分でもそう思う。あんな寒い吹きっさらしのところではなく、炬燵かなんかにしてくれないかと思うが、そういう台本を書く人やそうしたい監督がいて…」と言っていた。
 あんなバカげた設定のドラマは、昔の作品を昼間の穴埋めに再々放送しているだけだろうと思っていたが、ところがどっこい、今でもそういうのを新しくまだ撮っているということが、キンキンのこの発言でわかった。そういう脚本家や監督のアタマをかち割って覗いてみたいような…というのは言い過ぎだろう。
 考えてみると、岬の突端や崖の上というのは、行き場も逃げ場のない犯人の、追いつめられた最後に許された悔恨の場、それを象徴しているのかもしれないではないか。岬や崖っぷちは、もう後がない“Desperate”を具現化しているのだ。おめーら、読みが浅いんだよォ!
 愛川欽也という役者は、早くから政治意識を持っていた人だが、一度参議院選挙に立候補して、理想と現実の狭間に落ちた。朝日ニュースターのCS放送で「愛川欽也パックインジャーナル」という、政治問題を普通のテレビが突っ込まない角度からつつく番組を長くやってきたのも、そうした経験があるからだろう。だが、最近は少し老害化も目につき、出演者の話を途中で遮って先刻承知の持論をまくしたてたりするので、ここは司会者の本分に戻ってもらいたい。
 その愛川欽也が、世論調査なるものはキライだ(信用しない、うさんくさい?)と力説してやまない(これもCSの番組を見ている人しか知らないのだが)のと、ほぼ同じようなことだが、でんでんむしもこの手の調査だとか、ランキングだとかいうものは信用しない。ましてや、宣伝イベントの“流行語大賞”(しかもこれなどは「流行語」の意味までねじ曲げてしまった)とか、“今年の漢字”などは論外で、こういうものを公共放送のNHKが7時のニュースで取りあげるという程度の感覚しかもたないことが、情けなく腹立たしく思えたりする。
 こういうと、単にひねくれ者でへそまがりだからといわれそうだが、それだけでもないはずである。
 大阪府には住んだことがあるが、結構住みやすいとこやし、あの選挙にみるようになんかわけのわからんパワーを秘めとるようなんで好きやねんと、今でも懐かしく思うことがある。福井県には、住んだことがない。いつも通過するか、何度か岬めぐりで来たことがあるくらいだ。
 法政大学の坂本研究室が調べたという全国47都道府県別幸福度調査なども、その基礎となる「幸福度」をはかる要素や評価基準について、合意形成ができていないところへ、一方的にランキングという形で発表され、その結果だけにメディアがこぞって飛びつくという現象は、相変わらずとはいえ好ましいことではない。
 “流行語大賞”も“今年の漢字”もあわせて、「いつまでそんなことやっとんじゃい! メディアの責任として、もっと大事なことがいっぱいあるじゃろが!」と言い続けることが重要なのだ。
 もしかしてそれは、国民総幸福量(GNH)を掲げるブータンの国王来日にあわせて発表したのか、と勘ぐったが、そうでもないらしい。
 とはいえ、GDPなどに代わる指標を模索する、というのは必要なことだと思う。その点では、新たな試みとして一石を投じたという評価はできる。
 その発表された結果では、“堂々の幸福度1位”だったのが、福井県だという。そして最下位は大阪府なのだというのである。
 しかも、なんと福井、富山、石川の北陸3県で、1〜3位までを独占している。
 “合計特殊出生率や総実労働時間、平均寿命など40の指標で点数化し、総合点から都道府県を順位づけた”という。確かに、この上位三県には共通して自然にも恵まれ、工場なども地元に根ざした産業として発展している。
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 北陸本線の小松駅の南側には、高架の窓のすぐ外の高いところに、巨大なKOMATSUのブルドーザー?がデンと鎮座(そういえば昔、溜池のビルの上にもあった)していて驚かされるが、地域の誇りの象徴なのであろう。富山の岬めぐりでも、やはり善循環を唱えた吉田忠雄のYKK(「328 生地鼻=黒部市生地吉田(富山県)「善循環」は不可能な世の中になったのか」の項参照)の存在が大きいと思った。そして福井県は、いくつかの地場産業も盛んで、女性の就業率は全国一なのだそうだ。
 ただし、「幸せ」と思うかどうかは個人個人の受け止め方で異なる、という誰にでもわかる明確で単純な主張や理屈や、ランキングへの問題提起をひっくり返すほどの説得力があるとは思えない。
 評価項目には、これまで国内最大最多15基を抱え込んでいる(それも県南西部の若狭湾岸のみに集中している)原発に関することは、どうやら入っていないらしい。
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 その福井県から石川県にかけての海岸線は、岬はほとんどなく、わずかに加賀市(大聖寺付近)にちょっとでこぼこがあり、そこにだけ三つの岬が数えられる。
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 東尋坊からそこへ行き、それから能登西海岸へ向かうつもりだが、初日に泊まった宿は、休暇村越前三国。休暇村がそのコースにあれば泊まってみることにしているのだが、能登千里浜は満室とのことで予約がとれず、ここだけになった。
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 今では全国36か所もある(現在、陸中宮古・気仙沼大島の二か所は営業休止中)休暇村が、初めてできたのは今から50年も前のことになる。当初は、当時の厚生省の所管事業として、11か所の施設は国立公園に付属するような形でスタートしたので、いかにもお役所の商法のようなものだった。建物も、どちらかというと山小屋に毛の生えたようなものであったが、現在は財団法人の運営で、団体客や家族旅行の受け入れにも積極的で、一般の旅館やホテルとの競争に意欲を燃やしているように見える。
 休暇村のよさの第一は、なんといってもほかにはない、せせこましくないそのロケーションであろう。
 「国民休暇村」と称していたように、国民の保養休養のための施設を拡充すべきという、設立当初からの目的は、当時の状況を考えるとまことに当を得たもので、これまで大きな役割を果たしてきたと、当初からの“ときどき利用者”であるでんでんむしは評価している。
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 休暇村越前三国は、越前加賀海岸国定公園の一部にある、風光明媚な松島海岸と広い海浜公園のなかにある。
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 温泉もいいし、部屋もきれいで、これで一人でも泊めてくれるのだから、岬めぐりでは重宝しているわけだが、料理のほうは場所によるばらつきもある。ネットの予約の手が滑って、つい“かわはぎ御膳”というのにしてしまったが、内容からは格安とはいえない。
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 JR芦原温泉駅と三国を結ぶ路線バスが、休暇村の玄関まで来てくれて、田んぼと畑と池の間にあるような芦原温泉や東尋坊を結びながら通って行く。温泉街を通るとき、53年前に泊まった旅館の名の記憶を辿って、バスの車窓を見ていたが、定かでなくわかるはずもなかった。
 ところで、この日本一幸福度が高いという地域を総称する名称は、「北陸地方」だろう。だが新潟県を含めると「北越地方」というべきだろうし、長野県にも岬があるので、これをも合わせ含めると「北信越地方」となるのか。しかし、それではいわゆる北陸地方のイメージがなくなって困る。
 しかたがないから、ここは「北陸地方」としておいて、岬めぐりの都道府県別地域分類では「北陸・信越地方」とでもするか。

▼国土地理院 「地理院地図」
36度14分56.39秒 136度8分21.15秒
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dendenmushi.gif北陸地方(2011/09/06訪問)

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タグ:福井県 北陸
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