720 ポロマイ崎=小樽市蘭島・忍路(北海道)マメな釣り人の車に乗せてもらってオショロの湾に [岬めぐり]
蘭島の海水浴場からも、東に見えていたのがポロマイ崎だが、そこは余市と小樽の間の海岸に、なにかを掴み取ろうとする手指のように突き出した半島である。地図によると、この半島には、ほかにも兜岬、竜ヶ岬という岬があるが、海岸伝いには道がないので、そこに行くにはいったん半島の東側に出て、そこから斜めに道を詰めて行くと忍路(おしょろ)湾に行き当たるルートしかないことになる。
また、余市=小樽間は国道5号線と一緒になっている229号線に戻ってバスに乗り、忍路トンネルを越えたところにある忍路のバス停で降りると、竜ヶ岬と反対側には小樽海岸が広がる。
お天気はあいかわらずよくないが、これで晴れていれば明るい開放感が満ちる海岸になるのだがなあ…などと思いながら眺めていると、一台の車が忍路への道に入ってきて、若い男の人が降りて話しかけてきた。道でも聞くつもりなのかと思えばそうでもない。「いい眺めですねえ」「そうですねえ」などというやりとりの後、どこへ行くのかというので、忍路湾に行くと答えると、じゃあ車に乗りませんかと言ってくれた。
こういうことは、滅多にないことなので、ありがたくお言葉に甘えて、港の岸壁のところまで乗せてもらった。話を聞いてみると、港から少し山に入る道があるのでそこで車を停め、ロープを伝って竜ヶ岬の海岸に降りる釣り場へ行くため、札幌からやってきたのだという。彼もまた、敬服すべきマメな釣り人のひとりであるようだ。
山道に向かって去って行く車に手を振って、高い堤防によじ登ると、ポロマイ崎の東面が見える。長らく岩や断崖が目立つ岬が続いてきたので、ひさしぶりに樹木に覆われた岬を見るような気がする。
堤防の外側には恵比寿岩、内側には立岩があり、それぞれごていねいに地図にもその名が表記されている。
小さな湾内には“験潮場”があると、電子国土ポータルには表記しているが、ZENRINソースの他のネット地図では、“忍路臨海実験所”となっている。なんとなくだが、これは電子国土のほうが情報が古いような印象がある。
湾に面した平地は、ごく狭いので、自然にそうなったと思われるが、ここも集落乃中心は湾に向かう斜面の真っすぐな一本道の両側に連なっている。港にはしゃれた建物があって、2階に張り出したテラスデッキには傘を立てた白いテーブルと椅子がある。レストランのようなので、ちょうど雨粒も落ちてき始めたし、時間も遅めのランチに間に合うと一休み。室蘭以来、3日ぶりのコーヒーをゆっくり味わう。
小樽となると、こんなはずれであっても、急にこういう都会的な雰囲気になるのもいとおかしである。
ポロマイ崎の西側の南には、「猫泊」という表記のついた入江がある。ここは崖に囲まれた道も人家もないところなのに、どうしてここにこんな名前がついているのだろう。
それに、だいたいにおいて「猫」のついた地名は少ない。もちろん、「犬」に比してというくらいのことだが…。
▼国土地理院 「地理院地図」
43度12分41.44秒 140度51分15.39秒
北海道地方(2011/07/18 訪問)
曇っていても海水浴のテントが見えますね。
今夏、北海道は暑かったそうですから、海水浴も賑わったことでしょう。
by ナツパパ (2011-11-18 13:57)