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714 厚苫岬=積丹郡積丹町大字美国町(北海道)ここは岬の典型といえるかもしれないが… [岬めぐり]

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 岬の典型的なスタイルは、海岸からそこだけが飛び出していること、幅はさほど広くないこと、標高もせいぜい100〜200メートルそこそこの山または尾根があること、周囲には崖が多いこと、先端部分には岩場があり、それに続いて岩礁地帯が残っていること、などが一般的にあげられる。
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 これに加えて、灯台もあげられるがこれは一般的というよりむしろ特殊と言ったほうがよい。同様に、特殊な例ではあるが灯台よりはもう少し一般的な条件として、境界に使われることも多い。
 灯台と境界よりももっと一般的なのが、その岬の付け根部分をトンネルが貫通していていることで、とくに北海道のこの地域ではそれが顕著である。
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 美国漁港から2キロほど東の先に見えている厚苫岬は、この典型にぴったり当てはまる。
 標高75メートルの小山でできた岬は、西側が崖崩れの跡のように絶壁で、その崖をつくった地殻変動の名残りのように、岩場と岩礁地帯が広がっている。岩場は、立石の形状を備えている。
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 灯台はないが、この岬の尾根が、積丹町大字美国町と古平郡古平町大字群来町の境界に使われている。ただし、岬の境界の常とは異なり、ここでは岬の中央ではなく、境界線は付け根から急に東へ向いてずれている。
 そのため、厚苫岬全体は、まるまる積丹町大字美国町に属しているのだが、きっとこの線引きにも謂れがあったに違いない。
 岬の東半分は西側と対照的に、山の自然斜面を残しているようで、ここでは崖と両方がある。
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 厚苫岬にも、現在のトンネルとは別に、旧道とそこを抜けるトンネルがあった。岬の付け根近くに、古いトンネルの入口がコンクリートで塞いであるのが見える。ここも新しくトンネルを付け替えたのだ。こういう形も、この積丹半島で特徴的に多く見られる。
 岬の東、古平郡古平町大字群来町の「群来」も、ニシン漁が盛んだった頃の名残りである。
 文字通り、大群をなしてニシンが浜に押し寄せて来ることを、「群来=くき」という。
 春になると、ニシン漁のための季節労働者が東北・北海道の各地からやってくる。「ヤン衆」と呼ばれるその人たちは、網元の「鰊御殿」に集って、「群来」を待つのである。
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 厚苫付近の海岸にも、かつてニシンの大群が押し寄せた頃には、そのたびに船を繰りだしては網を入れ、ニシンを引き揚げていたことだろう。
 そのときの労働歌が「鰊場音頭」であり、「ソーラン節」であるという。
 積丹町が「ソーラン節」発祥の地だというのは、何度かふれてきたが、美国港の黄金岬の向こう側、ゴメ島を望む海岸には、その碑があったらしいのだが、そこには行きそびれた。その歌の文句は、通常われわれがなんとなく知っていてよく口ずさむ「ソーラン節」とは、だいぶ違うようである。

▼国土地理院 「地理院地図」
43度17分49.30秒 140度37分47.54秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2011/07/18 訪問)

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タグ:北海道
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コメント 2

ナツパパ

はじめて積丹に行ったのは、今から30年前だったでしょうか。
道もトンネルの狭く、また急カーブ続きですごい道でした。
隔世の感があります。
by ナツパパ (2011-11-03 20:22) 

dendenmushi

@ちょっとだけ台湾に行っておりまして、留守をしておりました。定期のアップだけは事前に用意しておいたのですが、返礼訪問がとだえており、失礼しました。
 ナツパパさん、30年前となら今の道路とトンネルは、おおいに変わっているのだろうと思います。
by dendenmushi (2011-11-07 07:16) 

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