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659 目戸鼻・竜宮鼻・スソノ鼻ほか=度会郡大紀町錦ほか(三重県)行けなかった岬でも… [岬めぐり]

 前項では、リンクボタンを付け忘れていたのだが、372項で「この先は“岬めぐりの難所”でも最もやっかいな場所」と題していた。前回の伊勢志摩の岬めぐりで最西端まで到達したのが田曽岬で、そこから西の端に遠く赤石鼻を眺めるところまでで終わっていた。
 ところが、前項をアップしたその日、リンクがないにも関わらず、372項を6人もの人が閲覧していることがわかった。よほど熱心で探求心の強い読者かと思ってもみたが、そんな人がそんなにいるとも思えないので、おそらくそれは単なる偶然というやつであろう。
 “岬めぐりの難所”の大部分を占めるのは南伊勢町で、五ヶ所湾、贄湾、神前湾、寺倉浦、古和浦湾といった大小の入江が連続し、いくつもの岬があるが、その姿を見ることができるのは船で行き来する漁業関係者くらいのものであろう。
 その西隣が大紀町で、ここには錦湾があり、3つばかりの岬がある。南伊勢町と大紀町の境界は、姫越山という500メートルほどの山で仕切られているが、その南の海に面して、芦浜池という池を抱えた砂浜が山と山の間に広がっている。国土地理院の地図を見ながらその景色を想像してみると、そこは、全国にたくさんある美しい海岸、日本の地形の原点のようにも思えてくる。
 周囲数キロに渡って、人家もなければ道路もない。そこへ行くには、近畿自然歩道と名が付いている山道を、エンエン登ったり降りたりしなければならないのである。
 ところが、これも偶然知ったのだが、なんとそこには原子力発電所の計画があった。だが、反対運動などもあって立ち消えのようになっているらしい。なるほど、原発というものの立地は、こういうところに着眼するのだ。
 同じ大紀町内の錦の集落までは、3キロ以上離れてはいるが、数キロ離れているくらいでは、安全でもなんでもないことは、福島が証明してみせた。
 確か記憶に間違いなければ、紀伊長島から錦までは、ついこの前までは路線バスが通っていたはずだ。そう思って今回の計画に当たっては、まずそれを探してみたが…。このバス路線も、もうなくなっている。
 バスがあれば、文句なく紀伊長島で降りて、芦浜池まではムリでも、目戸鼻、竜宮鼻、スソノ鼻という3つの岬が見えるところまでは行けたのに…。
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 大紀町の西隣が紀北町で、ここは例の平成大合併によって2005年に紀伊長島町と海山町が合併してできた。そのため、東西に比較的広く長い海岸線をもっている。西側の「海山区」という住居表示になっている地域が、旧海山町なのであろう。ここには大小の島も多く、でこぼこの多い半島が入り組んでいる場所もあるのにも関わらず、どういうわけか岬と名の付くものが、ひとつもない。
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 つまり、紀北町の岬は、前項の桃ノ木鼻だけということになる。
 それもあまりに淋しいので、ここでは行っていない岬もネタに、ムリヤリに一項目をでっちあげてみた、という次第であります。

 ひさしぶりに岬めぐりに復帰した前項に、さっそく4人もの方からコメントをいただいた。これも、当ブログではめずらしいことだ。
 ナツパパさんは、「海と山が美しい土地」というが、まさしくここらは海と山がせめぎあっているような印象がある。そんなん日本中どこでも海岸線では同じやろといえばそれもそうだが、ここに「海山町」がかつてあり、今も「海山区」があることはポイントである。
 “街歩き”のつぼっちさんの、「地名だけでもワクワクして」くるという感覚は、でんでんむしも同じでよくある。紀北町は、その西部であの「大台ケ原」に接している。
 綾小路曽根斗麿さんと夢空さんは、どちらも「きた!みた!」印ではおなじみだったが、初コメントで登場である。釣りや海水浴で、この方面には昔からのなじみがある土地だという。“ここ知ってるう”、“行った行った”というのや、“そこうちのふるさと”というときの、なんともいえない情動は、とてもうれしいものだ。
 それが、はじめての方お二人を招き寄せた、といっていい。
 「月島界隈」が終わって、訪問者のペースダウンが顕著で、岬めぐり本来のマイナーブログの路線に戻っていくと、「検索」でひっかかる人くらいしか見る人がなくなるだろう。おそらく、やっとランキングからも外れることができるだろう。それでも、どんな辺鄙なところでも、誰も知らないような場所でも、そこに縁を結び繋ぐ人がいるには違いない。
 そういう人がこのブログをたまたま見て、コメントがたくさんくると、ひきこもりマイナーのでんでんむしも、やっぱりうれしいかもね…。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度12分13.48秒 136度23分52.22秒 34度12分42.36秒 136度23分33.99秒  34度12分32.78秒 136度23分11.28秒

dendenmushi.gif東海地方(2011/04/12 訪問)

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きた!みた!印(43)  コメント(8)  トラックバック(1) 
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コメント 8

Takesan

三重県は私のご先祖様が眠るところ。個人的な感慨をいだいて拝読させていただいています。
by Takesan (2011-06-07 09:10) 

ナツパパ

海山町、という名前、良いですねえ。
自分たちの住むところを愛していなければ付けられない名前、と思います。
その名前が...区に変わっても、残って良かったですね。
by ナツパパ (2011-06-07 20:42) 

つぼっち

紀伊長島から大台ケ原まで・・・
紀北町も相当な広さですねえ。
by つぼっち (2011-06-08 00:13) 

ぱぱくま

穏やかで静かな浜ですね。
こんなところに原発が建たなくてホントに良かったです。
日本にはこうした静かな浜が沢山あるのでしょうね。
by ぱぱくま (2011-06-09 00:02) 

dendenmushi

@うん、これは重要ですよね。「ご先祖様が眠るところ」。海岸近くであれば、この先訪ねる場所かもしれませんね。
 そのときはぜひ、「ここじゃここじゃ」と、また声をかけてください。
by dendenmushi (2011-06-10 06:14) 

dendenmushi

@そうですねえ。そうそう、「海山」の読み方に注意を忘れておりましたので、今日の項目で補足しました。
 
by dendenmushi (2011-06-10 06:16) 

dendenmushi

@山が多いですからね、つぼっちさんの街歩きには、山越え、山歩きも必要になるかも知れない…。
by dendenmushi (2011-06-10 06:18) 

dendenmushi

@たくさんあるでしょう。みんなが知らないというより、気にも留めないだけでね…。原発だけは、そういうところに目をつける、というわけですかね。
by dendenmushi (2011-06-10 06:21) 

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