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34 月島もんじゃ焼き屋。こどもの駄菓子から始まって今や東京のメイブツになったとはいえ… [月島界隈]

 つい先日、みぞれまじりの寒い宵の口、東京駅八重洲南口から出て、明石町を経由して勝鬨橋を渡り、深川車庫へ行くバスに乗っていた。 前の席に座った若い女性が、運転手さんに尋ねている。もんじゃ通りに行くにはどうしたらいいかというのだ。運転手さんは、最初は勝どき駅前で降りて、亀戸行きのバスに乗り換えるコースを教えようとしていた。いやいや、それよりも、勝鬨橋南詰で降りて、交番の角を左に曲がって西仲通りをまっすぐ行けばそのほうがはるかに早いのに…。そう思っていたら、運転手さんも考え直して、ちょっと歩くけどこっちのほうがいいと教え直していた。
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 どうやら、その女性は遠くからやってきて、もんじゃなるものを食してみようという、酔狂な考えに取りつかれてきたらしい。月島といえばもんじゃ。今では誰でもそういう連想をするくらい、立派な東京名物のひとつであると認識されてきたらしい。
 だが、最初に断っておくと、でんでんむし自身は個人的にこの食べ物にはあまり感心していない。だから、もんじゃ屋には数回数軒は入ったことがある程度で、人様にお勧めするような情報提供や、もんじゃのうんちくを語ろうというにも、その資格を欠いている。したがって、鉄板の上の写真を撮ろうなどとは毛頭考えない。
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 もともとはこどものためのおやつ間食として、路地裏の駄菓子屋の店先に鉄板を置いて焼くようなものだった。“もんじゃ焼き”の語源も、そのときこどもたちが文字を書くようにたらして遊んだ“文字焼き” といったところからだという。
 こどものおやつだったという点では、広島のお好み焼きと同じであるが、広島出身のでんでんむしとしては、どうしてもそれと比べてしまう。それが、もんじゃに対しては辛口にならざるを得ない唯一の理由である。
 広島のお好み焼きは店の人が焼いてくれるが、月島のもんじゃ焼きは客が自分で焼く。店としては手間がかからないンだから、もっと安くてもよさそうなものだが、今ではこどものおやつどころの値段ではなく、しかもアルコール類を提供することが不可分となっている。
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 月島のもんじゃ屋は、西仲通りだけでなく、そこから路地を入ったところや別の通りにもあって、その数70とも80ともいう。ブラッド・ピットがお忍びで食べにきたという伝説がある店などは土間の雰囲気など、昔の駄菓子屋もんじゃの延長にあるようだ。
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 でんでんむしが月島にやってきた9年前には、西仲通りには気の利いた喫茶店やブリ刺し定食のうまい食堂などもあったのだが、間もなくそれらがすべてもんじゃ屋になってしまった。月島では、もんじゃ以外でうまいものを食べさせる店は、まずほとんどない。もちろん下戸のでんでんむしのいうことだから、知らないだけである。
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 月島の有名店も、ネットでは超有名なアンコウ鍋のほていさん、テレビがくると必ず写す牛もつのげんき、清澄通りの居酒屋魚仁(ここは吉田類の「酒場放浪記」に登場した)など、などいくつかあるけれども…。あ、ほていさんはね、何度かお客さんを連れて行きましたけどね。
dendenmushi.gif(2011/02/20 記)

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コメント 9

tokumichi

もんじゃやき よくテレビ等で見かけますが一度も
食べたことがありません どんな味がするのかな?
by tokumichi (2011-02-20 08:57) 

お水番

私も生まれてこのかた、「もんじゃ焼き」を一度も食べたことがありません。一度食べに行こうと夫に言うと、一度だけ食べたことのある夫は、「見た目も悪いし、旨くないし、高いから」と反対されました。
地元のでんでんむしさんが同じことをおっしゃるので、納得しました。
by お水番 (2011-02-20 10:16) 

ナツパパ

西仲通を歩いていると、ホント軒並みもんじゃ屋さんという印象ですものねえ。
わたしはまだ食べたことがないのですが、この食べ物もなんだか蘊蓄が多くて、
ちょっと辟易します。
by ナツパパ (2011-02-20 20:07) 

dendenmushi

@どんな味といってもねえ…。基本は粉を溶いた溶液とキャベツのような野菜、それにトッピングというか加えるもののバラエティがいろいろあって、それでいろんな名前がつけられています。
by dendenmushi (2011-02-21 05:03) 

dendenmushi

@やはり普通一般にはなじみのないもですよね。でも、月島にとってはだからこそいいのであって、わざわざ月島にそれを食べに行く、というところに活路もあるような気がします。
 名物にうまいものなし…っていうけど。
by dendenmushi (2011-02-21 05:08) 

dendenmushi

@うんちくの多い理由はね、焼き方にコツがあるからなのです。その溶液が水っぽいので、それを鉄板に流すと収拾がつかなくなる。そこで、最初に椀に盛られて出てくる材料のうち、野菜などを先に鉄板で焼きながらそれを土手にして輪をつくるようにします。
 その輪の中に溶液を垂らしながら焼いていくのですが、だいたい慣れない人がやると、土手が決壊して鉄板が洪水状態になってしまうのです。
 でも、慣れた人はほんとに手際が良くて、次々と何枚も焼いて片っ端から平らげていきます。
 まあ、名物は、結局「雰囲気」なんですよね。
by dendenmushi (2011-02-21 05:16) 

Takesan

「もんじゃ焼き」は、本当にブレイクしましたね。子供時代を練馬区で過ごした私は、近所にお店がなかったせいか、40過ぎまで食べた事がありませんでした。

テニス仲間の集まりで、越中島にあるお店で初めて食べました。4卓ぐらいに別れて食べたのですが、しきっていたのは、足立区・墨田区・江東区などの出身者(元悪がき)。
子供時代を懐かしんで、楽しそうにドテの作り方などを披露しながら盛り上がっていました(地域で違いがあるそうです)。

ここ数年、昭和を懐かしむショップや飲食店が増えているようですが、その先鞭をつけたのが「もんじゃ焼き」ではなかったでしょうか。今のB級グルメ・ブームにまで繋がっているように思います。

ちなみに、銀座・築地が故郷のパートナーは、いまだに食べた事がありません。もちろん、食べたいとも申しません。なにしろ「川向こう・場末」のものですから(笑)。

追記:
過去記事で、月島方面から日本橋方面をさして「川向こう」と表現されていたように記憶していますが、そちら側から「川向こう」とは言いません。
「川向こう」の表現には、嫌な事ですが差別的なニュアンスがありますから・・・。

誤解されると困るのですが、江戸文化や下町人情などにふれようとすると、この辺の分をわきまえた差別を、肯定的(?)に理解していたほうが良いように私は思っています。

by Takesan (2011-02-21 11:15) 

dendenmushi

@Takesanさん、ごていねいなコメント恐れ入ります。確かに、B級グルメブームというのが、あったかもしれませんね。もんじゃを押し上げる要素のひとつに…。
 追記の件に関しては、でんでんむしはまったく誤解はしておらず、「川向こう」に込められた差別、蔑視の意味も、充分に理解しております。
 そこで、それを逆手にとって、月島の側から川の向うを見たってやはり同じ「川向こう」じゃないか、という意味で、前には使わせていただいておりました。
 今回また、川向こうを眺めるので、この度は「」つきにしてみました。
 ということで、よろしくお願いいたします。
by dendenmushi (2011-02-23 09:02) 

Takesan

「川向こう」の件、私の軽率な理解で失礼しました。”逆手”にとって表現をすること、私も共感できます。

私の場合、似たような例では、毎度お馴染のパートナーの東京中心の発言に対し、「この、東京もの!」と言って反発します。ただし、「この、田舎もの!」ほどのパワーはないようですが・・・(笑)。

ちなみに、私の故郷は三重県の山間部(榊原温泉近く)。先祖は百姓。幼児期から小学生の高学年まで津市郊外に住んでいました。

そんな生い立ちもあつて、「東京」をやや斜めから観察する癖があります。

by Takesan (2011-02-23 10:43) 

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