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27 月島区民センターにある月島図書館。ここは石田衣良の“ご当地小説”の舞台でもある [月島界隈]

 中央区の区役所は築地一丁目、地下鉄有楽町線の新富町駅を上がったところにあるので、“川向こう”である。そこで、住民の利便性を重んじる中央区は、月島に出張所を設けている。複数の住民サービス施設などが集る拠点が、この月島区民センターである。ここも月島第一小学校と同じで、昨年一年以上覆いが掛けられ工事がされていたが、やっと終わった。例の耐震補強工事というやつなのだろう。
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 区民センターのエレベーターで3階に踏み出すと、そこがもう月島図書館の内部で、ここはよく利用させてもらった。蔵書数は、区役所の隣にある図書館のほうが多いというが、両側が窓の月島図書館のほうが明るく開放的で、本を読んだり探したりするのに気持ちがよい。とくに、公園に面した窓際の、書棚の間に設けられた本置き台がついた一人がけの椅子が最高なのである。
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 同じ建物のなかには児童館などもあるが、数年前からできて拡張されているのが、1階玄関横の「あかちゃん天国」なるところ。「赤ちゃんポスト」のようなものではなく、母子の休憩くつろぎの場と、母親同士の交流をめざしたもののようである。名前の「天国」にはちょっとひっかかるけど…。
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 その前の植え込みには月島の周年記念事業のタイムカプセルが埋めてあるようだ。開けるまでは、まだだいぶあるな。
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 月島図書館の名を一躍有名にしたのが、石田衣良の『4TEEN(フォーティーン)』であろう(か?)。2003年上半期の直木賞をとったこの作品では、読んでいくと物語の主人公たちの通う学校というのが、ちょうど朝潮橋を渡った付近として想定したらしく、公園の通りや区民センターの月島図書館がよく登場する。当時は、“ご当地小説”として地元では話題になった。朧げな記憶では、著者を呼んで講演会か何かそんなイベントまであったような…? でもね、でんでんむしもいつもそんな本を読んでいるわけじゃないので、でもこれは地元だからと買って読んだ。
 いわゆる文学が苦手なのは、現実のようなふりをした虚構の話とどうつきあったらいいのか、自分のなかでどうもうまく収まらないからだろうか。この作品のなかでは、同じ中学の同級生として、月島の長屋に住んでいる子と佃の高層マンションに住んでいる子が出てくる。ここへ来てこの風景を見れば、作家として何か使いたくなる舞台であることはわかる。だが、でんでんむしとしては「そりゃ中学の学区が異なるでしょうが…」と、無意識のうちに突っ込みを入れてしまうので…。
 それで、うそならうそがはっきりしているSFのほうがおもしろいと思ってしまうのかも知れない。
dendenmushi.gif(2011/02/03 記)

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タグ:月島
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きた!みた!印 26

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お水番

おはようございます。でんでんむしさんの「月島絵巻」、いつも楽しみにしています。知らない街なのに、写真と文章から、住んでいる人ならではの息吹が感じられ、親しみがわきます。
「あかちゃん天国」のネーミング、いわんとすることはわかるけど、ねえ。天国に送っちゃまずいでしょと、ちょっとギョッとしますね。誰がつけたんでしょうね(笑)。「オヤジ天国」に憧れている市の職員さんでしょうか。
by お水番 (2011-02-03 09:05) 

dendenmushi

@「月島絵巻」ですかあ、そうなっていればいいのだけれど…。勝手に選択してほじくっていますので、お水番さんのように思って見ていただけると、うれしいです。
 こういう名前って、つけた本人はいいと思っている(思い込んでいる)こと、よくありがちですよね。
by dendenmushi (2011-02-04 05:43) 

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