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630 燕崎=北津軽郡中泊町大字小泊(青森県)339号線から遠く離れて断崖のなかに幻の岬 [岬めぐり]

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 小泊が日本海側本州最北端かというと、残念ながらそうではない。「大字小泊」の範囲は広く、集落の中心からさらに北へ約15キロ先まで続くのだが、その領域は最北端の手前で終り、残りは龍飛崎というおいしいところも含めて外ヶ浜町の三厩にとられてしまっている。
 だが、これはアクセスの容易なほうがその勢力を伸ばし確保するという点では、当然の帰結といえる。東側の津軽海峡に面した外ヶ浜町のほうは、集落も連続してあり、国道339号線が海岸沿いに龍飛崎まで通っていて、路線バスも通っている。
 中泊村小泊のほうは、同じ国道339号線が通っていて、“竜泊ライン”という名前はあるものの、すべて山また山の中と無人の海岸線を辿るその整備された道路の利用度は低い。
 少し前までは、小泊と龍飛崎の間を乗り合いタクシーが運行されていたようだが、それもなくなった今では、公共交通機関の空白地帯である。
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 小泊漁港のそばの民宿から、タクシーで龍飛崎を目指して、その道を走っている。もう何度も行っている龍飛崎を今回のコースに入れる必要は別にないのだが、日本海側の小泊から津軽海峡側の外ヶ浜町へ出るには、このコースしかないというのだ。
 地図では、小泊ダムから山越えで三厩へ抜ける道309号線があるので、この道は行けないのかと運転手さんに聞くと、「四駆やジープでも、ちょっと…」という返事…。
 それでしかたなく龍飛崎を目指しているわけだが、小泊にはもうひとつ燕崎という岬が残っている。それが見られるのなら、このコースを辿る意味もある。
 燕崎は、外ヶ浜町との境界から2キロ足らず南の、道も何もない断崖絶壁の続く海岸にあるので、そこには船でもチャーターする以外に接近する方法はない。断崖の間のところどころから谷川が流れ出し、滝をつくっていて、ここには燕ノ滝があると地図は語るが、“竜泊ライン”はそのはるか手前から海岸線を離れ、山の中に入り込んでしまう。
 わずかに、小泊を出て少し高いところを走っているところから、その燕崎があるとおぼしき方が眺められる。まあ、ここはこれでよしとしなければなるまい。
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 小泊の民宿権現崎を出た朝、空模様は芳しくなく、西のほうを振り向けば、空と海の間の白く細い帯の中に権現崎が浮かんでいる。海岸沿いの途中にも七ッ滝が道路に向かって流れ出しているが、ここらでは雨が降り出してきた。道路が燕崎から遠く離れながら山に入っている頃には、雨は止んだが今度は霧。
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 霧の山中を“竜泊ライン”は津軽海峡線の長いトンネルの上を北へ向かい、龍飛崎に到着する。灯台に行く道は、鼻をつままれてもわからないというような一面乳白色でなにも見えない。
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 下の駐車場のところまで降りると、少しは見通しも利くようになる。ここも、来るたびになにかができていて、変わっている。最初ここに来たときに泊まった民宿のようだったホテルも、今では随分大きく立派になっている。
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 そう…。あの有名な「階段国道」は、今通ってきた“竜泊ライン”と外ヶ浜の道をつなぐ339号線の一部なのだ。ここで、路線バスを待って、今度は西側を三厩まで南下する。
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 この白いクマのようなものはなんだろう? 向うにも2つくらい見えているけど…。

▼国土地理院 「地理院地図」
41度14分1.39秒 140度19分57.19秒
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dendenmushi.gif東北地方(2010/07/01 訪問)

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タグ:青森県
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