616 立待崎=西津軽郡深浦町大字沢辺(青森県)車窓からは見えないけれどもあるんだよ [岬めぐり]
ここは函館ではないし、もちろん森昌子の歌とも関係がないが、「岬」が一字違いの「崎」である。あっちのほうは、人を待つといったロマンチックな話ではなくアイヌがらみで魚を待つ岬の意味だったと記憶しているが、こっちも同じなのだろうか。
地図では、小さな島にその名がつけられているようだが、残念ながらそれをはっきりと視認することができなかった。旧岩崎村の町並みを過ぎると、五能線は海岸から離れてしまい、視界は急に悪くなってしまうからである。
なので、立待崎は、遠くから眺めて、どうやらこのへんがそうらしい、ということでお茶を濁しておかなければならない。
五能線で海岸線に沿って北上するにしたがって、だんだんと建物や人工物が増えてくる。十二湖の駅の上にはサンタランド白神という開発地があって、その西で海に飛び出した岬がふたつ並んでいるのだが、そこには名前がない。南のほうにはガンガラ穴、北の島には汐ヶ島という表記があって、そこを過ぎると、旧岩崎村の中心部であった町に至る。
椿山と黄金崎や舮作崎のある深浦の大きな出っ張りが緩く弧を描いて湾をつくっているので、汐ヶ島を過ぎてからは、急速に向うに岬がのびてくる。その中間に、立待崎があるはずなのだが…。
笹内川が海に出るところから、ウエスパ椿山のある付近のテーブル状の台地からさらに一段上の丘の上に、塔のようなものが見える。その下の右端が、恵神崎と立待崎のある沢辺の集落がある。
南のほうを見ると、青森県と秋田県の国境の須郷岬が大きく飛び出している。そこまでが一覧できる地図でみても、その出っ張りはちょこんとしたもので、とても写真のようにその存在をはっきりと主張しているわけではないので、印象的にとてもギャップがある。
こういうことは、なにもこの名所に限ったことではなく、よくあることなのだが、これはとりもなおさず、人間の立ち位置と視界が、地図の縮尺とは関係ないところにあるからであろう。
「リゾートしらかみ」は通過してしまうが、JRの駅でいうと陸奥岩崎と陸奥沢辺の間には、いちおうこの辺では大きな漁港があって、ふたつの小島を岸壁と堤防でつないでいる。
海岸が見えるのは、ここまでであった。
次の停車駅はウェスパ椿山。そこで降りて、立待崎にもわずかな期待をつないでみるが…。
▼国土地理院 「地理院地図」
40度34分57.67秒 139度53分54.63秒
東北地方(2010/06/29 訪問)
タグ:青森県
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