615 仲ノ澗崎=西津軽郡深浦町大字大間越(青森県)十二湖はほんとは三十三湖なんだって [岬めぐり]
須郷岬を越えると、青森県は深浦町になる。以前の深浦町はもっと北の方だけだった。前項で述べたように、南に隣接し白神山地の西の一部と白神岳、十二湖を有する岩崎村と合併して、「白神町」を名乗るつもりでいた。それが、結果的に深浦町が名を残し、岩崎村を吸収合併する形となった。このため、2005(平成17)年から、深浦町は秋田県の県境から鯵ヶ沢の隣まで、青森県の西海岸、五能線沿線のほとんどをこの町で占めることとなったわけである。
十二湖周辺の観光コースを歩いたのは、もうかれこれ4年前の夏のことだから、そのときには既に、人口1万人超、約4,000世帯の新深浦町になっていたのだ。
十二湖どころか33の湖沼が点在するといっても、観光客レベルで歩ける範囲はごく限られる。深いブナの森の中の端っこの一部の、ウッドチップが敷き詰められた道を、追い立てられるように歩いて一回りしたに過ぎなかったが、それでも神秘的な森と湖の雰囲気はあじわうことができた。
深浦町のホームページには、白神山地の成因を、次のように説明している。
「白神山地はとても崩れやすい地質からできています。また速い隆起速度、さらには多雪地帯であることから、山地のいたる所で崩落が見られます。そして、崩落した土砂が堆積した緩斜面に見事なブナ林が発達しています。これが白神山地の大きな特徴です。」
仲ノ澗崎は、県境と白神岳登山口の中間にある。
この名前の表記は、国土地理院以外の地図ではそろって「中」としていて、「澗」も読みは「かん」ではなく「ま」である。やはり、公的機関に従うことにしよう。公的だからといっても、政府も外務省も検察庁もまったく信用できないような事態が、こう立て続けに起こっては、なんともかんとも情けない。が、ここでは国土地理院(と海上保安庁)を信用しても、まあ問題あるまい。(ここ数日の間に、252 平久保崎=石垣島の項の閲覧数が急増しているのも、ネット社会の一断面といえるのだろうか。)
五能線の海岸線の見せ所は、秋田県から県境を越えて青森県に続いている。けれども、いかに観光列車が徐行運転をしようが、その海岸美を車窓からだけで満喫しようというのは、いささかムシが良過ぎる。おそらくは、そういうものではあるまい。
101号線の方は、道路脇のところどころに、停車スペースを設けている。
青森県側では、十二湖の観光開発にあわせて、海岸でもオートキャンプ場などの整備をしているようだし、道路と海岸の間の狭い土地には、小さな別荘風の建物まで並んでいるところもあった。
そうした岩場の続くなかのひとつ仲ノ澗崎は、岩の出っ張りを利用した船溜りになっていた。そこには、古い小屋のような建物が数棟あったが、後背地は山なので、集落があるわけでもない。
須郷岬から北へは、板貝、筧、木蓮寺という名の集落があり、仲ノ澗崎へと続く。いずれも小さな集落がぽつんぽつんとあるだけである。
仲ノ澗崎を過ぎると、大間越の少し大きな町並みがあり、白神岳登山口から十二湖までは砂浜が目立つようになる。
遠く北には、恵神崎のある椿山がせりだしてくる。
▼国土地理院 「地理院地図」
40度28分1.01秒 139度56分38.39秒
東北地方(2010/06/29 訪問)
タグ:青森県
おはようございます。
白神岳から登る途中に見える岬の名前はなんて
道路地図みたのですが イマイチはっきりしませんでした。
2万5千のほうが良かったのですね、山屋なのに
うっかりしていました (^^ゞ。
by ☆はな (2010-09-28 08:21)
@☆はなさんは、山屋さんなのですね。それなら国土地理院の地図は、毎度おなじみですね。でんでんむしも昔、いや大昔、山をうろうろしていて、その度に買い集めた5万分の1地形図が、箱に入れて置いてあります。
でも、だんだんと2万5000分の1のほうが、よりおもしろくなってきました。必要枚数が増えることにはなるのですが…。
白神岳からの写真には、黄金崎・椿山も写っていましたね。
by dendenmushi (2010-09-30 05:23)