611 経ヶ岬=京丹後市丹後町袖志(京都府)日本で6指に入る経ヶ岬灯台のある岬にやっと再訪かなう [岬めぐり]
いま、宮城県の石巻にいます。今日は、とりあえず写真だけで、本文はまた後日、ちやんと書きますので、あしからず。…と書いていたのだが、よくよく考えてみるとこの経ヶ岬については、なにが書けるのだろうと、ふと弱気になってしまう。
そもそも、この岬については、個人的な思い入れが強かった。そのいきさつは、603 無双ヶ鼻の項でもふれている。そういうわけで、再訪が大きな課題となって残っていた。しかも、その後十数年にわたってなかなかその機会が得られなかった。ただそれだけのことである。
この岬は、日本地図を眺めるとき、比較的よく目立っているように思う。能登半島から長く南下してきた越前の海岸線が、若狭湾で一休みとでもいうように、丸く弧を描き、それからまた山陰の海岸線につながっていく、ちょうどその転回点にある出っ張りなので、すぐに目に入る。
けれども、有名とも言えないし、人が集る観光地でもない。おまけに史上名高いエピソードがあるとか、史跡名勝というわけでもない。
せいぜいがとこ、『喜びも悲しみも幾歳月』くらいのものだが、これとてもともと転勤族の灯台守の話だから、日本中の灯台のある岬のめぼしいところは残らず出てくるわけで、ここが特別どうこういうことでもない。
つまり、地図上で目立っている出っ張りの割には、話題性はない。それでも、丹後半島の最北端であること、どこへでもころころ車を転がして走り回る人々が、ちょっと立ち寄るくらいのポイントにはなっているのだろう。岬のピークの下まで、広い道路ができていて、その先にはこれまた広い駐車場ができている。そこの展望台からは、カマヤ海岸が見渡せるようになっていて、「山陰海岸ジオパーク」の幟(「目指せ!」だけどね)が、はためいている。
前に来たときには、この道はあったかもしれないが、灯台のための業務用道路のようなものだったような気がする。そこで、岬の西側を巻いて登る山道を歩いて灯台まで行った。今回は、別ルートからとこの道をやってきたわけだが、なんと山の頂に展望台までできている。帰りのバスの時間があるので、これはパス。
経ヶ岬の灯台は、灯台マニアには重要なポイントであるはずだ。なにしろ、入口の看板でも強調しているように、ここの灯台のレンズは焦点距離の長い第一等レンズが使われている。と言われてもよくわからないが、日本にある灯台で第一等レンズをもつ第一等灯台は6か所しかないと聞けば、ほう!と思う。
ちなみに、玄界灘の沖ノ島灯台(福岡県宗像市)、関門海峡の角島灯台(山口県下関市)、この岬めぐり050番の出雲日御碕灯台(島根県出雲市)、003番の室戸岬灯台(高知県室戸市)、そしてこの経ヶ岬灯台と045番の犬吠埼灯台(千葉県銚子市)が、その6つである。こう並べてみると、とくに意図があってのことでもないようだが、半島と向き合う日本海側に多い。
そういえば、背後に控える岳山(451メートル)の上には、丹後町尾和の無名の岬の上にある自衛隊の施設とも関連があるのかどうかはわからないが、大規模なレーダーサイトのようななにかがある。
灯台がある場所は、海抜150メートルくらいのところで、岬の斜度も急角度なので、足元まで見えるというわけにはいかない。海と空の境もまったく判然としなかった。
現在日本全国で活動している灯台の数は67基ほどであるが、すべて無人である。「おいら岬の灯台守は〜」もはやどこにも存在しない。一般の人が、中に入って見学できるようになっている灯台は、15か所ある。そのうち13か所は、すでに訪問しているのだが…。
▼国土地理院 「地理院地図」
35度46分37.58秒 135度13分25.77秒
近畿地方(2010/06/09 訪問)
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