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597 金ヶ岬=舞鶴市字西神崎(京都府)舞鶴港の出入り口を扼する岬がここ [岬めぐり]

 「岬」と「崎・鼻」の使い分けについては、かねてから“大きな目印になるところ”が「岬」と呼ばれることが多いように感じていた。少なくとも、この若狭と丹後の海ではそれが生きている。
 たとえば、この付近の海を航行して舞鶴港に入る船長のつもりで海図をみるとする。東からやってくる船は、若狭湾では敦賀の立石岬、常神岬、成生岬ときて、博奕岬を取り舵いっぱいで金ヶ岬へ達する。また、西の海からくる船は、丹後半島の経ヶ岬から面舵で、伊根の鷲岬を過ぎ、博奕岬と金ヶ岬を目印に、舞鶴港に入るだろう。
 以上が、この付近の岬のすべてで、あとは全部、崎か鼻と、誠に整然としている。そして、金ヶ岬こそは、舞鶴港の港口の岬なのだ。
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 この岬の出っ張りには、港に面した東側も、反対側の西側も、山地ばかりでほとんど人の暮す気配はない。先端部の高いところで200メートル超の山が50メートル下ったところから一気に海になだれ落ちている。そのため、なかなか堂々とした岬っぷりである。
 ただ、この天気でこの光線だと、単なる黒い塊にしか見えない。
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 舞鶴港の入口は、幅が1キロと少しくらいしかない。金ヶ岬と松ヶ崎の発電所の間の狭い海峡を、すべての船が出入りする。岬に灯台はないが、そのかわりに港への航路の入口を示す灯台が、海中に立っている。船が通れる幅は、さらに狭いのである。
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 金ヶ岬の西は神崎地区で、そこへ行くには西舞鶴から北近畿タンゴ鉄道の宮津線に乗って由良川に沿って北上することになる。
 翌日には、この線に乗って車窓からの金ヶ岬を見たが、電車からではほとんど岬の展望がなかった。わずかに、由良川の河口を渡るとき、金ヶ岬の尾根とその遠くには博奕岬がうっすらと影になっていた。
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 由良川の右岸が神崎地区だが、ここの字地名が、なんで?と理由を聞きたくなるようでまたおもしろい。金ヶ岬の突端があるところは字西神崎なのだが、東神崎は神崎の海水浴場のあたり。つまり、「西神崎」のほうが「東神崎」よりも「東に」あるのだ。これは、Yahoo!地図ではわからないが、Alpsのエキサイト地図でははっきりわかる。西神崎地区は由良川の河口付近だが、そこから東神崎をはさんで飛地になっているのだ。
 どうしてこうなったのだろう。
 こういうどーでもいいようなことに、答えがあろうがあるまいが、いちいちこだわってみたいというのが、このブログの基本である。
 実は、この由良川の河口付近の浜こそが、あの若狭の海岸に銅像が立っていた安寿と厨子王を取り巻く悪人の代表である『山椒大夫』の地盤だったところなのだ。安寿と厨子王のつらい過酷な日々で、浜から見えたこの岬はなぐさめになっただろうか。
 丹後由良駅の看板には「安寿姫 厨子王丸の里」というフレーズがあったが、これにはなんとなく違和感がある。なんでも、利用できるものは利用すればいいとはいうものの…。(ついでに、この看板のように「山椒太夫」と書いているものがやたら多いが、正しくは「山椒大夫」である。)
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 由良駅を出て、栗田へ向かう北近畿タンゴ鉄道の電車が、海岸に達するところで、西からの金ヶ岬が姿を現わした。ここを通るのは二度目であるが、ちょっとワープしてしまった。舞鶴の岬はまだ残っている。
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▼国土地理院 「地理院地図」
35度31分29.80秒 135度19分22.96秒
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dendenmushi.gif北信越地方(2010/06/08 訪問)

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タグ:京都府
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コメント 2

三庄大夫

金ヶ岬を神崎のほうから自転車を押して入りました。海岸の舗装された直線道路が終わったところで車が入れなくしてあります。

途中までそれなりの太さの道もありますが、どんどん細くなり、砂地で崩れやすいです。

途中からは浜に降り自転車を担いで、防波堤か又は斜面になった船揚場の残骸の先あたりまでいきましたが、先端あたりが1キロとも500mとも見えるあたりまで近づくと、急峻な崖と山が見えそれ以上の振興を断念しまいた。

自転車を担いでいなければなんとか白杉まで越えれたかもしれません。現地では3時間近い格闘でした。

最初に考えていたのは、もっと手前の水間→吉田の山越えでした。点線もあるし、等高線もなだらかで、山越えについてについて地域のお年寄りに聞いたところ、昔は自転車で通れた今は道もないよといわれました。

次に蒲江→青井の山越えに挑戦しようとしましたが、村の奥までいったところで倒れた木の処理をしておられる人たちに聞いたところ、中間の山は急峻で水間から入れないなら無理だろうということで断念し、岬を通過して白杉へ向かおうとしたのですが、まったくの無謀でした。

京都府道601号由良金ヶ岬上福井線は一部歩行も困難です。
by 三庄大夫 (2012-04-21 22:33) 

dendenmushi

@三庄大夫さん、自転車で金ヶ岬越えですか。そりゃまた、すごいことを考えましたね。金ヶ岬のある出っ張りは、結構厳しい山です。
地図でも、道は途中で消えていて、およそ人が通れるところではなさそうですもんね。西からもダメですし…。
三庄大夫さんの自転車は、本格的なロード用のヤツでしょうね。
でんでんむしは、岬めぐり用に、前から携帯というか折畳みのちいさい、イギリスのなんとかいう三角形のが欲しいなあと思っていたのですが、輸入が止まっていて、なかなか手に入りそうにありません。
by dendenmushi (2012-04-22 07:43) 

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