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592 広瀬鼻・長崎鼻=大飯郡高浜町山中・宮尾(福井県)摩訶不思議な21号線と塩汲峠の下に [岬めぐり]

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 若狭湾はいわゆるリアス式海岸といわれるが、内浦湾だけみてもいかにも沈降地形らしくみえる。さほど広くない湾内に大小いくつもの出っ張りが湾央部に向かって突き出ているのは、独特の景観なのだが、写真ではそのさまはなかなかわかりにくい。
hirosehana02.jpg その西の脇に小さくちょこんとくっついている長崎鼻とともにある広瀬鼻は、東のダンノ鼻と対を成すように、静かにたたずんでいる。音海の側から道を歩きながら見てのでは、長崎鼻は陰になって見えない。押廻鼻からなら、見えるかと期待していたのだが、惜しいところまではいったが、やはり見えなかった。
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 湾の西の端を区切っている正面崎は、福井県と京都府の境界線上にあり、若狭湾はここから西へしばらく余韻を残すが、リアス式はここでおしまいになる。京都府に入ると、今度は隆起地形に変わる。
 専門家でなくとも、地図をよくよく眺めていると、その違いは彷彿として浮かび上がってくるのである。
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 それともうひとつ、この付近の地形で興味を引くことがある。
 広瀬鼻と長崎鼻の横には、後方の山から数本の水流が流れ、その流域は傾斜の緩い山地のでこぼこが幾重にも連続している。山の稜線が京都府との国境になっているのだが、京都府側のゴルフ場になっているところから続く正面崎方向は、400メートルほどの高さの山が続いているし、標高700メートルもある青葉山に続く。
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 ちょうど、その間に広瀬鼻の奥のほうの山が低くなっているところがある。ここに塩汲峠という、これまたいわくありげな名の峠がある。「汲」むのなら「塩」ではなくて「潮」だろうと思うが、どのような物語がこの峠にあるのだろうか。
 集落とそれをめぐる道路は、海岸ではなく100〜150メートルくらい高いところをうねっていて、ここでその峠とも接続している。
 これが、摩訶不思議な走り方をしている県道21号線。
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 マイカーもなくドライバーではないでんでんむしは、道路網に興味があるわけではないのだが、JR小浜線の三松と青郷の間にある日置というところから、難波江を過ぎ、小黒飯から山に入り、神野、山中ときて峠を過ぎて徐々に下りながら、鎌倉、下、宮尾、日引、上瀬(うわせ)まで続くのがこの道。上瀬から先は、正面崎になって行き止まりになる。
 …そう思っていたのだが、そうではなかったらしい。
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 京都府の舞鶴港の北にある山地の間を、切れ切れに走っているように見えた県道21号線は、実は切れていなくて山道でつながっているようなのだ。
 九州と四国をフェリーで結ぶ国道もあるし、龍飛崎の階段でつながっている国道は有名だが、車が走ることができるというのは国道の必須条件ではない、ということに改めて気がついた。 では、県道も同じなのだろう。だが、山道で繋がっているといったって、向うは京都府。そちらへ行くと“府道21号線”と自動的に名前が変わるのだろう。

▼国土地理院 「地理院地図」
35度32分6.26秒 135度28分50.73秒 35度31分53.56秒 135度28分23.70秒
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dendenmushi.gif北信越地方(2010/06/07 訪問)

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タグ:福井県
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