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591 押廻鼻=大飯郡高浜町音海(福井県)雄大な海の回り舞台を押し回してみたら [岬めぐり]

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 音海断崖のビューポイントから、また山道を少し登って、海に張り出した尾根の上を行くと、突然視界が開けて、押廻鼻の灯台が現われる。
 ここは、標高162メートルの高さがあり、崖になった汀はどうなっているのかさっぱりわからない。地図で見る限りは、崖また崖以外ではないが、東側の崖は遊歩道のすぐ下から落ちている。
 海食崖は、海の波の動きによって長い時間をかけて侵食されるものであるが、その形状を見る限り、地震など地殻の変動によって突然崩れたかのような印象がある。波が崩すのだから、地盤が柔らかいのかと思うとさにあらずで、逆に堅くないと海食崖にはならないらしい。そういわれてみると、なんとなくなるほどと思う。堅いから崖になるのである。
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 岬を眺めるには岬の上に立ってしまうと見えない、という至極当たり前の理屈なのだが、この岬は岬の上から。
 この岬全体を眺めるには、音海からでは不可能なので、内浦湾の対岸に渡ってみなければならない。それもかなり北の方まで行き止まりになる道を詰めて行かなければならない。
 つまり、押廻鼻の全体像は、なかなか見ることができないと言いたい訳だが、そう書いていて思い出したのが、シー・カヤックのことである。
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 小浜市の阿納から矢代にかけての海岸を歩いていたときのことを書いた576項と579項で「カヌー」といっていたが、それはどうやら「シー・カヤック」というべきであったと、後で気がついたのだが、ちょうどフォローネタができた。(ついでながら、めずらしくコメントがついた。それが“小浜のおせっかい野郎”さんの578項の沖の石についてのコメントで、ちょうどこのあたりのことである。)
 このシー・カヤックの愛好者が結構いて、その航行(でいいのかな?)記録をネットにあげている例も、ぽつぽつ見かけるようになった。昨日も、音海断崖のことを検索したら、そのなかに三松海岸から漕ぎ出して、内浦半島にそって北上し、押廻鼻を回り込み、蔕ヶ崎まできて引き返した、という人の記録があった。それによると、三松から蔕ヶ崎まで、「5時間半、往復20km」と書いてあった。でんでんむしのこの日歩いたのは、三松駅から青郷駅までで、このシー・カヤックの倍近い時間がかかっているので、歩くよりはだいぶ速い。
 それでまた思い出したのだが、『暮しの手帖』に組み立て式のカヌーのつくり方という記事が掲載されたことがあった。数十年も前だが、そのときにもかなりそれに憧れたものの、自分で実際につくるところまではいかなかった。でも、組み立て式ではこうはいかないのだろう。
 高浜町が立てた案内板では、わざわざ「この地方では岬のことを鼻と称している」と書いているが、それは“この地方”に限らない。全国ほぼ共通である。(そのへんのことは、番外の岬・崎・鼻データベースでも書いているので、詳しくはそちらを参照してね。)
 また、「廻」も「廻」ではなく「回」を使っているが、ここでは国土地理院に準拠した。
 「廻」でも「回」でもいいのだが、「おしまわしはな」というのもおもしろい名で、なにやら動きを感じさせる。
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 そうだ。たとえば、ここからぐるりと見渡せば、西から内浦湾の静かな内海と正面崎、北には馬立島や毛島と成生岬の墨絵のような光景、東には樹木の間に大島半島と今戸鼻、後ろの南側には鷹ノ巣山が断崖と同じような岩肌を見せて聳えている。
oshimawashihana03.jpgoshimawashihana04.jpg そうして視線を360度回転させていくのは、ちょうど回り舞台を押し回して、舞台の背景を変えているかのようである。
 あいにくと天気が快晴ではないので、薄もやがかかったような感じで、すっきりとした景色とはいえなかったが、灯台の台座に座って、しばしその眺めを楽しんだ。

▼国土地理院 「地理院地図」
35度33分10.50秒 135度30分0.41秒
oshimawashihanaM.jpg
dendenmushi.gif北信越地方(2010/06/07 訪問)

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タグ:福井県
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