576 和田戸崎=小浜市西小川(福井県)「若狭ふぐ」を養殖している静かな湾に [岬めぐり]
ついでにタクシーには、阿納(あの)まで行ってもらうことにする。久須夜ヶ岳の半島の付け根がいちばん細くなった部分の西の小浜湾側が阿納尻で、そこからトンネルで西側へ越えて下ったところが阿納。和田戸崎は、漁港の向こう側に見えている。
タクシーを降りるときに、運転手さんが「お帰りのときには…」といってなにか渡そうとするので、「あ、電話番号なら領収書に書いてあるからいいですよ」といってしまった。タクシーがきた道を戻っていくのを見送ってから、悪いことをしたと気がついた。
なにしろ、ここにはバス路線も通っていない。歩くかタクシーかしか方法がない。帰りのタクシーを呼ぶなら、自分を呼んでくれという意味で、名刺かなにかを渡そうとしたのだろう。
和田戸崎のあるところは、小鰡ノ鼻と同じ西小川なので、そう呼ばれている地域は広いが、人が住んでいる場所は西小川の集落だけに限られている。
その西小川の集落から山の中を登ったり降りたりしながら、阿納まで細い道が地図には刻まれている。海岸はそこもずっと急な崖なので、阿納のほうから眺める和田戸崎の景色は、裏側から見るとまったく違うものだろう。細長く飛び出した先端が丸い小山になっているのと、途中にこぶがある和田戸崎は、独自の風景をもっている。突端の沖に見える島影は、沖の石という岩島であろう。
阿納の集落は海岸に寄って固まっており、北の山陰に漁港がある。フグの養殖も盛んなようで、湾の中にはブイが並んで浮いている。あちこちでみかけた大きな手づくり看板にある、ユーモラスなフグが、なかなかよかった。
ここでは、カキやウメなどの果樹園も多く、集落と山の間の開けた傾斜地に広がっている。
民宿もあるあらしいが、それも夏の海水浴と冬のふぐ料理がウリのようだ。ここの浜は岩場と藻場が多く、あまり海水浴向きでもなさそうだと思ったのは、でんでんむしが降りた海岸が、たまたまそうだったのだろう。
それでも、小浜市の観光ページにある「阿納海水浴場」の写真は、これどこで撮ったんですかと、聞きたくなるものだろう。写真は、場所を特定する目的で見るときには、簡単なようで結構むずかしいが、それにしても…。
「若狭ふぐ」のブランドで売出し中の、若狭ふぐ組合のホームぺージにある、湾の船の上にみんなが顔を揃えた写真の背景には、和田戸崎もしっかり写っていた。
組合では通販もやっていて、“若狭ふぐ宅配セットのAセット(3〜4人前)は23,000円(税・送込)”…だそうである。
そういえば、フグもひさしくお目にかかっていないなあ。
ネット上では、阿納の情報もいくつかでてくるが、海水浴シーズン前の、日曜日の午前中、小さな集落と海岸は、ひとつの人影もなく、ひっそりと静まりかえっていた。
阿納の海を後にして、進んでいくと、岬はだんだん小さく遠くなり、対岸の黒崎のある半島の先端が、和田戸崎の向かいにあるように見える。実際は、和田戸崎と黒崎は、4キロ以上は離れている。
遠くに聞こえていた草刈り機のモーター音が、大きく近くなってきた。道端の草刈りをしているのは、道路管理の業者ではなくて、どうも地元の人たちのような感じがした。草刈りの進む空地の奥では、一人の人が作業に余念がない。みると、カヌー(カヤックと言うべきか)を組み立てているのだ。
▼国土地理院 「地理院地図」
35度32分28.01秒 135度47分30.98秒
北信越地方(2010/06/06 訪問)
タクシーを降りるときに、運転手さんが「お帰りのときには…」といってなにか渡そうとするので、「あ、電話番号なら領収書に書いてあるからいいですよ」といってしまった。タクシーがきた道を戻っていくのを見送ってから、悪いことをしたと気がついた。
なにしろ、ここにはバス路線も通っていない。歩くかタクシーかしか方法がない。帰りのタクシーを呼ぶなら、自分を呼んでくれという意味で、名刺かなにかを渡そうとしたのだろう。
和田戸崎のあるところは、小鰡ノ鼻と同じ西小川なので、そう呼ばれている地域は広いが、人が住んでいる場所は西小川の集落だけに限られている。
その西小川の集落から山の中を登ったり降りたりしながら、阿納まで細い道が地図には刻まれている。海岸はそこもずっと急な崖なので、阿納のほうから眺める和田戸崎の景色は、裏側から見るとまったく違うものだろう。細長く飛び出した先端が丸い小山になっているのと、途中にこぶがある和田戸崎は、独自の風景をもっている。突端の沖に見える島影は、沖の石という岩島であろう。
阿納の集落は海岸に寄って固まっており、北の山陰に漁港がある。フグの養殖も盛んなようで、湾の中にはブイが並んで浮いている。あちこちでみかけた大きな手づくり看板にある、ユーモラスなフグが、なかなかよかった。
ここでは、カキやウメなどの果樹園も多く、集落と山の間の開けた傾斜地に広がっている。
民宿もあるあらしいが、それも夏の海水浴と冬のふぐ料理がウリのようだ。ここの浜は岩場と藻場が多く、あまり海水浴向きでもなさそうだと思ったのは、でんでんむしが降りた海岸が、たまたまそうだったのだろう。
それでも、小浜市の観光ページにある「阿納海水浴場」の写真は、これどこで撮ったんですかと、聞きたくなるものだろう。写真は、場所を特定する目的で見るときには、簡単なようで結構むずかしいが、それにしても…。
「若狭ふぐ」のブランドで売出し中の、若狭ふぐ組合のホームぺージにある、湾の船の上にみんなが顔を揃えた写真の背景には、和田戸崎もしっかり写っていた。
組合では通販もやっていて、“若狭ふぐ宅配セットのAセット(3〜4人前)は23,000円(税・送込)”…だそうである。
そういえば、フグもひさしくお目にかかっていないなあ。
ネット上では、阿納の情報もいくつかでてくるが、海水浴シーズン前の、日曜日の午前中、小さな集落と海岸は、ひとつの人影もなく、ひっそりと静まりかえっていた。
阿納の海を後にして、進んでいくと、岬はだんだん小さく遠くなり、対岸の黒崎のある半島の先端が、和田戸崎の向かいにあるように見える。実際は、和田戸崎と黒崎は、4キロ以上は離れている。
遠くに聞こえていた草刈り機のモーター音が、大きく近くなってきた。道端の草刈りをしているのは、道路管理の業者ではなくて、どうも地元の人たちのような感じがした。草刈りの進む空地の奥では、一人の人が作業に余念がない。みると、カヌー(カヤックと言うべきか)を組み立てているのだ。
▼国土地理院 「地理院地図」
35度32分28.01秒 135度47分30.98秒
北信越地方(2010/06/06 訪問)
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