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566 獅子ヶ鼻=大町市平(長野県)青木湖ではひさびさに人の情けがうれしいことが… [岬めぐり]

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 塩の道、千国街道を行く人も、荷を運ぶ牛馬も、アブに悩まされていたのだろうか。青木湖の西岸から、北岸に回り込むと、それもだんだんに減ってきた。
 黒い森から、明るい灌木か緩やかな斜面に変わる。そこを、疎らでも密でもなく、ほどよく覆つているが、その間から湖水が見える。
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 そんな景色のでこぼこが、二つ三つ続くと、獅子ヶ鼻である。最初、大糸線の車窓から見たときには、すぐにそうだとわかったのに、実際にそのなかを歩いていると、わかりにくい。
 でっぱりが描くカーブが、ゆっくりとした弧になっているからだが、いらいらせず、こちらもゆつくりと、カーブにあわせて景色を楽しむ。
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 それというのも、疎林の中にヤマツツジが、たくさん咲いているからだ。ツツジの種類もハンパではないので、正式にそういう名前なのかどうかもわからない。
 山野に自生するツツジで、枝が真っ直ぐ伸びて、花がよく目立つのは、葉っぱが花の後に控え目に出るという特徴をもつ種類だからである。しかも、このツツジ、でんでんむしがこどもの頃、広島の山を遊び場にして、かけめぐっていたときにも、たくさん咲いていたものだ。
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 青木湖の獅子ヶ鼻は、なつかしいツツジの岬だった。
 大糸線の電車も、滅多にはやってこないが、乗ってきた便の後は、夕方までないので、いかになんでもこれはひどい。調べてみると、大町市が地域バスを走らせていることがわかった。白浜という集落が終点起点だというが、そこは獅子ヶ鼻の東、青木湖のどんづまりにあたる。
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 ところが、やってきたのはいいが、その集落はごくこじんまりしたもので、おまけにどこを見渡してみても、どこからそのバスが出るのかさっぱりわからない。道路だけは広いが、標識も掲示も、まったくない。湖岸を少し下ったところには、数軒の新しめの家があり、車が止まっているので、そこで尋ねてみようと行ってみるとそこは別荘風の建物のレストランのようだった。ドライバーやライダーのご用達というところらしい。
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 客でもないのに入って行くには、いささか躊躇もあったが、客として入るには時間がない。とにかくドアを押して中に入ると、店内は結構繁盛している。ほかにはまったく人気がなかったのに、ここだけこんなに人がいるのが奇異に思われるほどだ。
 接客で忙しい店のおねえさんに、大町行きのバス乗場はどこだろうかと聞いてみてもよく知らない。厨房にいた人に聞いてくれたが、その先の駐車場付近で待っていれば停まってくれるんじゃないか、という。
 礼を言って店を出ると、青木湖の岬に別れを告げて、言われたとおり隣家の先の駐車場に立った。すると、そこへ赤い軽自動車がするすると止まって、「大町まで行くのなら乗って行きませんか」と、乗っていた女性二人から声をかけられた。
 これは、ありがたい。これはうれしい。見知りらぬ土地で見知らぬ人から受ける、打算も見返りも期待しない親切や好意ほどうれしいものはない。でんでんむしは、かねてからそう思っていて、それがまた日本の良いところではないのかと、多少飛躍して考える。岬めぐりで、てくてく歩いていて、こういう暖かい人の善意・好意を受けることは、きわめて少ない。この前にそういうことがあったのは、宮城県の松島湾の南でのことだったと思うが、あれはいつのことだったのだろう。調べてみると、それは

▼国土地理院 「地理院地図」
36度36分59.06秒 137度51分11.69秒

dendenmushi.gif北信越地方(2010/05/23 訪問)

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タグ:長野県
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