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番外:野尻湖ナウマンゾウ博物館=上水内郡信濃町大字野尻(長野県)『ギャートルズ』を連想する(長野県) [番外]

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 野尻湖で『ギャートルズ』を連想したのは、実際は時代と場所の混同であって、マンモスとナウマンゾウは同じゾウ科の動物だが、属が異なる別のでゾウである。ところが、この両者は時代と場所がまるっきりかぶらないのかといえば、琵琶湖のように同じ場所から両方の化石が見つかったりして、必ずしもそう断定もできないらしいので、話がややこしくなる。
 約400万年前からおよそ1万年前くらいまで、氷河期を生きていたマンモスがなぜ絶滅したかについては、氷河期末期の気候変動による食料不足、人類の狩猟圧力に負けた、巨大な嵐や細菌・ウィルスが原因とするなど、諸説ある。
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 “日本にもゾウがいた”ということで、その名は広く知られているナウマンゾウは、マンモスの時代の終わり頃から、約2万年前の新生代更新世後期までで、生息していた場所も日本、朝鮮半島、中国という東アジアに限られていた。
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 前にも、ナウマン博士に縁があった高知の須崎周辺や、化石が出ている浜名湖の浜北佐潟の項目で、少し関連して触れていた。ナウマンゾウの化石は、日本全国あちこちで発掘されているが、ここ野尻湖が最も有名で、ちゃんとした博物館までできている。ナウマンゾウに限らず、野尻湖周辺の5万年の歴史と湖を中心とした周辺の自然環境を対象にしている。
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 なにしろ、1962(昭和37)年から始められた発掘調査は、現在に至るまでエンエンと続けられているというから、それだけでもすごいのだ。当然、化石発掘の量もここがいちばん多い。
 また、発掘に“野尻湖友の会”という全国組織まであって、誰でも入会して発掘にも参加できる。おまけに、運良く何か発見できれば、展示ラベルには自分の名前をつけることも可能…といった、従来の専門家が“神の手”かなにかを使いながらひっそりとやる、発掘調査の常識を覆すようなユニークさが受けているのだろう。
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 「野尻湖発掘」については、さまざまな情報が数多く発信されていることも、重要だろう。ナウマンゾウ博物館は、その基地にもなっている。売店もお決まりのグッズなどと並んで、地学・歴史関連の書物資料も販売されている。記念に、野尻湖地質グループ著『火山灰野外観察の手びき』という小冊子を求めておいた。
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 その博物館が発信している仮説のひとつには、非常に興味をそそられる。
 およそ、3〜4万年前、旧石器時代に生きた人々は、ここで集団生活を営み、ナウマンゾウを狩って暮していたのではないか、というのだ。
 それというのも、野尻湖周辺では旧石器遺跡が多く、さまざまな石器や骨でつくった細かい作業をする道具などが発見されているからであり、見つかる化石も、自然な形で出てくるのではなく、ばらばらで整合しないのだ。
 そこから、導きだされた仮説は、野尻湖はナウマンゾウの解体処理場だった、というものである。
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 こうなると、やはり園山俊二『ギャートルズ』は、“マンモー!”ではなくて実はあれは“ナウマンゾウ”だったのだ、と考える方が納得がいく。マンモスが主に生きた氷河期だとすると、やはりおかしいということになる。マンガの登場人物が、オトコは上半身裸、豹柄ワンピ毛皮のオンナは二の腕も胸の谷間も露出しているとなれば、氷河期も終って間氷期に入り、温暖化がかなり進んだ時代ということになるからである。
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▼国土地理院 「地理院地図」
36度49分56.13秒 138度12分22.92秒
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dendenmushi.gif北信越地方(2010/05/22 訪問)

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タグ:長野県
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