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548 朴崎=幡多郡大月町大字大浦(高知県)これも岬らしい岬の姿かたち [岬めぐり]

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 「朴」という字から連想するのは、かつての韓国軍事政権の親玉のことくらいで、あまり日本人には馴染みがないかなと思ったが、そんなことはない。なにしろ「素朴」の“ボク”なのだからね。純朴、朴訥、質朴、朴直など、どれも近頃では滅多なことではお目にかかれない、人間のもつよさの一面を意味する言葉である。
 ホオノキ(厚朴)という木もあるらしいが、どんな木なのかぴんとこない。そういえば、下駄の歯も「ホオバ」というから、その木を使ったものだろう。下駄と下駄の歯も朴の字が表わす良資な人間性も、日本人には縁遠くなってしまった。
 解説によっては「朴」は「榎」と同じというがあったり、同じ字が並んでいたりするが、エノキとホオはまったく別の木であろう。そうかと思うと、“エノキを榎に字を当てるのが間違い”という説もあったりするので、木の名前もシロウトには収拾がつかない。
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 朴崎にホオノキがあるのかどうかわからないが、その岬は叶崎を過ぎて最後にその姿を振り返り、脇ノ川トンネルを抜けて土佐清水市から大月町に入るところで、無名の岬の向うにちょこっと顔を出す。
 小才角の出っ張りを回ったカーブには、“忘れな注意”という文字が読めたが、何を忘れるなと注意しているのだろう。交通事故の…?
 ここからは1キロ以上に渡って、バスはじゃまなものもない海岸線を走るので、しっかりと朴崎を眺めることができる。
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 その険しい絶壁と、海岸に立つ刃物のような立岩の列が、なかなか印象的な岬である。手前の海中にある岩の摂理を見ると、岬の垂直な崖もこのようにしてできたものだろう。
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 地図で朴崎の表示がある突端には、ぽこっと飛び出したピークが目立っている。一見するとこのピークがずーっと手前の崖までつながって流れているように見えるが、実はピークの下には深い谷が走っていて、しっかりと切れて別の尾根になっている。地図を見ると、その人家もない谷にも道があるのだが、なんとなくその道を歩いてみたくなる。
 ここからは見えない朴崎の西海岸は、尾根の半分が削り取られたような断崖が続いているようだが、それも海の上からしか眺めることはできない。灯台も展望台もなにもないが、これもまた岬らしい岬のように思えるのは、せり上がったピークからいきなり落ちる姿のよさにあるのだろう。
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 遠くに見えているのは、大月町の大堂海岸だろうと思って眺めていたのだが、後でよく地図とにらめっこをしてわかったのは、それは大堂海岸ではなく、その南西沖にある沖の島であるらしい。沖の島は宿毛市である。
 これから、バスはしばらく海岸を離れ、大月町の山の間を走る。その途中には、なんと。またしても「駄馬」(542 稲荷崎・窪津崎の項参照)
 高段駄馬、大駄馬、馬ノ谷、馬路、小馬路という小字名が続いている。 やっぱり、なにか馬と関係があるようなのだが…。

▼国土地理院 「地理院地図」
32度45分13.18秒 132度45分26.93秒
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dendenmushi.gif四国地方(2010/01/24 訪問)

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タグ:高知県
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