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546 城ノ岬=土佐清水市下川口(高知県)海という異世界に接するのぞき窓 [岬めぐり]

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 城ノ岬は、321号線を竜串から4〜5キロほど西に走ったところで、海に突き出した83メートルの丸い小山の南一帯に広がる岩島と岩礁地帯の先端である。こう書くと、また疑問が出てくるのだが、それはもっぱら地図の名称が表記されている位置によって、なんとなく判断している。
 それでいいのだろうか。あるいは、岬と呼べるのはやはり岩島ではなくて小山が海に接するところをもって、そう呼ぶのだろうか。
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 そんなことはどーでもいいと思う人がほとんどだろうが、自称「岬評論家」としてはいちおう問題提起はしておきたい。
 それ以前に、この岬の名前が話題になったり、人の口の端にのぼることがあるのだろうか。それすら、疑わしい。
 海洋館前のバス停に着いたところで、まもなく宿毛行きのバスがやってきた。例によって、乗客は少ないがお年寄りばかりである。「そいういうオマエも、年寄りではないのか」と聞かれると、うーん。「まだ、そこまではいっておりません」とでもいうか。
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 海中展望塔の海底館(そうえば、ここも海洋館も、“竜串”なのに“足摺”を名乗っている。)に前にやってきたのは、1987(昭和62)年頃のことで、今回も四万十から足摺岬、竜串、宿毛へと車で走り抜けた。前にも書いたが、このときの写真が見つからないので、改めて記録するために同じコースをなぞっている。
 房総の勝浦にも同じようなものがあるが、岸から長い橋をかけて塔に渡り、そこを螺旋階段で降りていくと海中の様子が見えるというのは、船の底にガラス窓をつけるというのを発展させた、なかなかのアイデアである。こっちの塔の方は動けないので、立地条件が整っていないといけない。
 昔の記憶を引っ張り出してみると、魚影の数も種類もかなり多かったように思う。
 海底館の近くには、弁天島というフタこぶの島があり、それを過ぎると城ノ岬の岩場も目立ってくる。岬の手前にも小さな岩の出っ張りがある。
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 岬の付け根を道路はトンネルで抜けると、下川口浦という集落と港があるが、岩磯に取り囲まれた城ノ岬自体は、道も家もなにもない。ただ、岩島と岩礁は目立っている。
 こういった海岸線の光景は、足摺岬半島から高知県最西端の大堂海岸から宿毛にかけて続き、さらに北上しつつ愛媛県に入ると、宇和海のフラクタル半島の連続する地形につながっていく。
 この海岸の岩礁地帯で、潮の満ち引きがあるところは、干潮時に遊ぶには絶好の場所である。こどもの頃のでんでんむしにとっても、潮だまりは、海という異世界をのぞき見る小さい窓だった。
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 しかし、ここは内海ではなく、外洋に面した荒磯である。だから海底館もできるので、おそらく磯遊びに適した場所とは言えないのであろう。そう、岩場は危険も多いのだ。
 トンネルを越える前後の、わずかな間に見える城ノ岬の岩磯も、そんな一面を隠し持っていて、集落のそばにありながら人を寄せつけないのかもしれない。
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 トンネルを出た前方には、また岬と岩島が連続する。この岬には名はないが、岩の方には鳥ノ碆という立派な名もある。
 遠く見えていた千尋岬ともお別れして、ここから先の321号線は、長いトンネルといくつもの碆が続く。山が海に迫っている険しい地形なのである。

▼国土地理院 「地理院地図」
32度46分38.76秒 132度50分44.61秒
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dendenmushi.gif四国地方(2010/01/24 訪問)

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タグ:高知県
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