528 山崎鼻=須崎市須崎(高知県)“須崎の一丁目一番地”はココなんですよ!? [岬めぐり]
山崎鼻のこの写真は、岬めぐりでは、ちょっとめずらしいものになった。普通、岬を眺めるときは海に向かうことになるので、背景は海か空と相場が決まっているのに、これは岬のバックに大きな山が二重に迫ってくる。
須崎港の入口にあって、港を守るように大きく立ちはだかっている山は、海蔵寺山という。その標高は200メートルちょっと程度なのに、市街地のほうから見ると、町にかぶさってくるほどの圧迫感がある。これが、津波の被害から町を守ることにはならなくて、逆に被害を拡大させる要因のひとつになったのは、皮肉である。
これが中ノ島往復のバスが発着する市民文化会館前付近から見た海蔵寺山。これを見ると、この下に港があるとは想像もできないだろう。写真の左で山が落ちているのはここに峠があるからで、ここを越えて野見・中ノ島方面と往来できるわけだが、野見湾側から見ても、海から屹立して堂々の威厳を示している。
山崎鼻は、この山が西の須崎湾に落ちるところにある。その周囲は崖の海岸に囲まれており、どこにも道はなく、町の前にあって、人びとの暮らしとは隔絶した一角を現出している。
岩の上には灯台があり、岬のところからは白い大きな防波堤が延びているようにも見えるが、これは岬とくっついているわけではない。須崎湾のなかで、津波から町や港を守るために構築されたものだろう。その白さが、まだ目立っているところをみると、比較的新しいもののようだ。
山崎鼻と対峙する西の岬は、角谷岬である。このふたつの岬は、実を言えば、中ノ島から眺めるよりは、市街地の南端にある富士ヶ浜辺りから見るのがよかったのだろう。
だが、そこまでは行くことができなかったので…。
字地名のふしぎさは、ここにもあった。
市の名前にもなっている「須崎」の字地名は、海蔵寺山頂から西の山崎鼻にかけての岬全体、誰も住んでいないだけでなく、人の気配さえもないこの山にだけつけられている。
「須崎市須崎」は、近頃の政治家が好きな常套句でいえば、“須崎の一丁目一番地”であるはずなのに、それが市街地の中心ではなく、人もいないこんなところにあるのはどうしてだろう。ふしぎというほかはない。
なぜ?
そういう疑問に答えてくれる情報は、どこにもない。ナニが情報社会なんだよ!
その状況がわかるように、もうすでにサービスが終了していて見ることができないALPSLAB baseの画面を、手回しよくキャプチャーしていたので、それからまた取り出してみよう。
バスが須崎港から海蔵寺山の裾の峠に入るところ付近の地図には、“猫神社”というネコ好きなら思わずバスの降車ボタンを押しそうになる表記があるが、そこら辺から南西方向に港の水面が広がり、その先端に岩島を伴った山崎鼻の北面が影絵のように見えていた。
33度22分56.44秒 133度17分25.60秒




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