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510 竜岬=土佐市宇佐町竜(高知県)竜の岬のある竜に来て第三十六番札所青龍寺に参拝 [岬めぐり]

 竜は架空の存在でありながら、古来から日本人の精神に大きな影響を及ぼしてきた。もとは、大陸から移入された概念かも知れないが、天空を駆ける人知を超えた存在を、想像から生み出し、それを崇敬してきたというのも、なかなかすばらしい発想ではある。
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 「竜」という地名は、ここともうひとつ愛媛県伊予岩松にある。「龍」も和歌山県龍神村と大分県にある。岬の名前としては、「龍」または「竜」の字がつくところは、全国に30いくつもあるが、「竜岬」そのものは他にはなくここだけである。(桂浜のふたつの岬も、上竜頭岬と下竜頭岬という。頭につくだけでなく、含まれる岬の名の数を入れると、もっと数は多くなる。)
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 ただ、これをどう読むのか、「岬」と書いて「さき」と読ませる例も多くあるし、文字には書いていないけど「ヶ」「が」を読ませるというのまであるので、「りゅうみさき」なのか「りゅうがさき」なのか「りゅうざき」なのか「りゅうがみさき」なのか、どこにも情報がないので断定しかねる。そう思うと、われわれの国語というのは、いかにも融通無碍である。
 竜岬を眺めていると、なんとなく竜の頭に見えてくるというのは、かなりムリなこじつけで、なにかの形からこの地の名前や岬の名前が派生したと考えると、それは横浪三里と、それを囲うように東西に伸びる半島の地形以外にはない。
 しかし、その形は、竜にでもなって天に昇って見下ろさない限り、目にはし難いものなはずである。
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 竜岬の付け根には船溜まりと小さな砂浜があり、道沿いにある食堂の宣伝らしいが、“黄金大師”と大書した大きな柱のような看板が三本も立っており、真ん中の看板の上には、弘法大師のつもりの座像が乗っかっている。
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 この奥には、第三十六番札所青龍寺があり、ここは遍路道でもある。
 中年になった頃だったが、突然、四国遍路にでも出たいという衝動に駆られたことがある。こどもは次々大学受験で仕事も忙しい大変なときに、そんな実現可能性などまったくないことを、どうして考えたのだろう。今思えば、それも不思議である。
 “でも遍路”であるから、どうせたいしたことではないのだが、そういうときにあえてすべてを投げうって遍路に出るというのこそが、ほんとうの遍路のような気がしないでもない。
 観光バスで、くるくる回るのとか、リタイアしてヒマになったから行こうかというのは、厳密に考えるとどうも違うように思えてくるのだ。でも、まあ、それも人それぞれですから…ね。
 第一、岬めぐりも自分にとっての遍路だと、勝手な理屈をつけているでんでんむしとしては、なんでもありでいいのです。
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 ついでながら、少しは殊勝な気持ちになって、青龍寺に参拝する。(実際には、青龍寺を訪れたのは翌日の朝である。山の上にある宿舎の裏にある奥の院から、山中の淋しい遍路道を下って行ったので、この項の記述順ではない。)
 青龍寺は山裾の奥まったところにあって、その前一帯が広い沼沢地になっている。なぜか、そこは竜ではなく蟹ヶ池という。
 案内板によると、もとは希少種のトンボの生息地だったが、絶滅してしまったので、現在は湿地そのものをかろうじて保護しているらしい。
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 蟹ヶ池の向うには、大きな建物とテニスコートがある。ここは明徳義塾の国際キャンパスということになっているが、実はその前にはあの有名な“グリーンピア”だったと、タクシーの運転手さんに教わって、なんだか一挙に納得してしまった。テニスコートの脇には、使われなくなって草に埋もれそうになっている“元流れるプール”がある理由も…。
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 そして、有名といえば、あの毎度お騒がせの元横綱のお名前、ナンでしたっけ? いやいや、しこ名だけでなく、下の名前も…。ね、それも一挙納得です。それもこれもお大師様のお導きでしょう、などとふざけたことを言ってはいけません。

(2010/02/20記 2010/03/21Vol.2から移転統合)

▼国土地理院 「地理院地図」
33度25分58.80秒 133度27分27.52秒
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dendenmushi.gif四国地方(2010/01/21〜22 訪問)

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タグ:高知県
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