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506 黒岩崎=浜松市西区呉松町(静岡県)“産”がつくった“学”もある浜名湖橋の東… [岬めぐり]

 一度も泊まったことがない人でも、館山寺温泉という名だけは知っていることだろう。昔から、“浜名湖といえば舘山寺”というイメージがあったように思うが、どうやらそれは比較的新しい観光キャンペーンによって刷り込まれたものらしい。
 なぜなら、空海の創建になるという秋葉山系の寺院のことは、古いらしいけれどもさほどに著名な名刹というわけでもなく、温泉が開発されたのは1958年(昭和33)年と、そう大昔のことではないからである。
 浜名湖はその北東岸に大きく細長く南に向かって突き出た半島で、東の湖面の一部が区画されているが、半島付け根部分に内浦という入江があり、その出入り口が舘山寺の山によって狭く絞られている。
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 黒岩崎は、そこと向かい合う大草山の北西端に位置して、2つに分かれている。北東側の岬は東名高速道路に提供し、全面的に明け渡しているので、現在黒岩崎という地図上の表記は南西側の出っ張りだけについている。あるいは、もともと2つの出っ張りの一方だけについていたという説も成り立つが、そうだとするとそれなりの理由も聞きたくなる。
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 また、この岬がはっきり見えるポジションを探すのも大変だった。
 前項で書いた浜松ホトニクスは、大草山の北一帯にも広大な敷地をもっていて、そこに浜松ホトニクス産業開発研究所がある。また、隣接して光産業創成大学院大学が置かれている。理事長が浜松ホトニクス株式会社の社長という、いわゆる産学協同というより、ベンチャー企業家の育成支援などを目指して、正真正銘“産”がつくった“学”なのである。
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 この会社が、ちょっと一般に有名になったのは、小柴昌俊がノーベル物理学賞を受賞してからだろうか。あのカミオカンデの壁面?には、浜松ホトニクス製の光電子増倍管がずらりと並んでいたからである。
 ほとんど経済オンチであることに、ある種の誇りさえもっているでんでんむしは、前々から日本という一国の経済が、自動車産業によって左右されるという構造そのものに、非常な不信と危惧を抱いていた。自動車などはしょせんアメリカのマネに過ぎず、そんなものをアメリカでいくら売ったとしても、いつか必ず反発を招き、しっぺ返しを食らうであろうことは、目に見えている。
 確かに多くの人の生活がかかっていることは事実としても、そんなトヨタ1つに依存することが、国としての望ましいことではないというのは、簡単な理屈である。トヨタ叩きのリコール騒ぎも、クルマは自分たちの文化そのものだというアメリカ社会に潜在する日本への反感が底辺にあり、そうしたでんでんむし的視点からは、しごく当然の予想された事態の一コマとしか思えない。
 なにか具体的な意味のある提言だとは、到底思えないのだが、それでも「もしかしたら、日本の進むべき道は、アメリカ型クルマ社会の後追いではなく、もっと別の選択もあったのではないか」というのは、いつも消え去ることがない。同様に、1つのトヨタより、100のあるいは1000の浜松ホトニクスなどのほうが、よほど尊重すべきことのような気がしてならない。
 浜松ホトニクスのフェンスに囲まれたところから道を探しながら、やっと大草山に自転車を引っぱり上げ、みかんのなる斜面から山道に入る。生い茂る木々の切れ間から舘山寺をのぞきながら、道なりに行くと山をぐるりと一周することになった。途中、ロープウエイが音もなく頭上を通り過ぎるが、上に上がる道がない。結局、山を一周りして自動車道に戻って国民宿舎まで辿り着いたが、えらい大回りである。
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 トヨタに乗っていればかく必要もない大汗をかいてしまったので、なにはともあれ、立ちより湯に浸かって…。そして、やっぱりうなぎだな。

(2010/02/12記 2010/03/21Vol.2から移転統合)

▼国土地理院 「地理院地図」
34度46分30.20秒 137度36分59.96秒
kuroiwasakiM.gif
dendenmushi.gif東海地方(2009/12/05 訪問)

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タグ:静岡県
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