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523 網懸崎=須崎市浦ノ内出見(高知県)横浪半島にかこまれた浦ノ内湾の行けない岬見えない岬 [岬めぐり]

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 網懸崎は、長崎の船着場から見ると右手にあり、その左手にはまだまだ広くて奥が深そうな水域が広がっている。横浪半島側の入江はとくに深く入り込んでいるので、湾の最奥部までは見通すことができない。
 前項で述べたように、浦ノ内湾全体でみれば網懸崎はだいたい中間くらいに位置しており、その付近一帯の水域では、宇佐から須崎にかけて盛んなタイのような高級魚の養殖が盛んである。
 この写真ではわからないが、末尾に貼り付けたGoogleの航空写真でみると、筏がたくさん並んでいる。
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 巡航船の終点は、夕方の二便だけは湾の西端にある半島の付け根の細くなったところの坂内まで行くが、これを除くと他の便はすべて浦ノ内東分の横浪止りである。せめて、坂内まで連れていってくれれば、そこから再び横浪半島の太平洋岸に出ることができる。
 そこには、前日は途中で引き返したので見ることができなかった甲崎という特徴的な細長い岬や、須崎湾の東を囲っている中ノ島に続くフラクタル図形のような出っ張りにある観音崎、九石鼻、畑下鼻、ノゾキノ鼻という岬が見えるはずだ。
 しかし、国土地理院の地図をよく読んでみると、それもまったく不可能だということがわかる。
 200メートル前後の山が連なるこの沿岸は、久通という集落の一か所を除くと、あとはすべて急激に切り立った断崖絶壁が延々と続いていて、海岸をめぐる道はまったくない。久通へ行くには鳥坂トンネルの上からさらに山道に入り数キロも谷を詰め山を越えなければならない。しかも、小さな入江の奥に保護された久通からは、南側の展望はきかないので、苦労して行った割には、報われない。
 当初の計画段階では、船で湾を横断して横浪に向かい、そこからバスでもあるのではないかと期待していたのだが、須崎市のバス路線は中ノ島を往復する一路線しかない。これも、市営である。
 中ノ島方面には是非にも行くべきかと考えていたが、ここがまた横浪半島とは近いようで遠い。どこまでも断崖絶壁が続き、道というものがない太平洋側の海岸は、あきらめるしかない。
 となると、荷物を背負って、仏坂を越えて須崎へ出るのも、なかなかしんどい。鳥坂トンネルを抜けて、もしかしたらいるかもしれないカワウソを騒がせて押岡川を下り、法印山の下を1キロもあるトンネルを歩いて中ノ島へ向かうのも、いささか躊躇された。
 そう、カワウソ。これはもうちょっと旧聞に属するので、忘れてしまっている人が多いはずであろう。でんでんむし自身も、実はああそういえばそうだったと、やっと思い出した。それが、そんなに昔のことではなかった記憶があるのだが、最後の目撃情報からも、もう17年も経っている。とすると、最近聞いた憶えがあるのは、別の関連情報でだったらしい。それがなんであったか、思い出せない。
 絶滅したと思われていたニホンカワウソの生息が、最後に捕獲確認されたのは30年前で、ここ須崎市でのことである。その後も須崎市のニホンカワウソ発見の場所は、新荘川をはじめ複数あるようだが、そのひとつにこの浦ノ内湾の西の押岡川でも目撃情報があったというのだ。
 こういうことは、なるべくそっとして静かに見守るしかないのであって、またどこかで見つかったとしても、テレビクルーが押し寄せるようなことはないことが望ましい。
 それにしても、数日前の繁殖飼育中のトキがゲージの中に侵入したテンによって全滅させられたというニュースは、このさまざまに発達した現代社会で、組織やしくみの狭間の間に、目立たない不作為やヒューマンエラーが重なって、何度も繰り返して起こるたくさんの悲劇の象徴のように見えるのだが…。
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 結局、あれこれ考えた末に、長崎から船を乗り換えて引返す道を選ぶことになったのだ。埋立に戻り、バスで高知駅まで引返すと、JR土讃線に乗り換え、山の中を抜けて須崎駅へ向かう。

(2010/03/18記 2010/03/21Vol.2から移転統合)

▼国土地理院 「地理院地図」
33度25分55.96秒 133度24分18.26秒
ngaamiM.jpg
dendenmushi.gif四国地方(2010/01/22 訪問)

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タグ:高知県
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