513 ツヅラ崎=須崎市浦ノ内下中山(高知県)マウンテンバイクで走るつづらおり [岬めぐり]
もともと、岬の名の由来など、ほとんどの場合いくら詮索してもわからないのが普通で、そんな努力や期待はとうの昔に放棄してしまっている。前項の「伊坂ノ鼻」にしたって、伊坂さんという人が滑り落ちたからなのかどうかわからない。人の名前でないとすると、ほかには見当もつかない。そこでぱったりと、思案は行き詰まってしまう。
このツヅラ崎は、どうして「ツヅラ崎」なのだろう。ここへ来て、なんとなくそうかなと思ったことがあった。
「ツヅラ」そのものが、時代劇やお話ではなじみがあるが、現代ではあまり眼にすることがないだろう。が、古い家なら衣装箱としてどこかにあるかもしれない。網代に編み上げた材料の幅が結構広いので、はじめは木の皮かなにかを使用しているのかと思っていたが、これは「ツヅラフジ」という山野に自生するつる性落葉木のつるで編んだものなのだ。
そして、ツヅラ崎へ来てみると、いかにもそれらしく見えてくる。この枯れたつるが、ツヅラフジなのかそうではないのか、知識のないでんでんむしには判別はしかねる。だが、そうなのだと思い込む方が、ペダルをこぐ足取りも軽くなりそうだ。
宿に着くと、さっそく自転車を借りて自動車道を西に行けるところまで行ってみようと走り出した。
半島にも名前はついていないし、ここを貫いて走る県道47号線にも名前がついていない。道路のほうには昔来たときには、“よこなみハイウエイ”とか呼んでいたような気もするが、まあこういう観光目的の命名はどうでもよい。今では、とくにそんな標識もなにもなかった。ただ、Googleでは「横浪黒潮ライン」と表示している。
前にもふれたように、この道路は竜岬のところから登りにかかり、国民宿舎土佐のあたりから、ずっと標高150メートル前後のところを、山に沿ってくねくね曲りながら通っている。幅も広い自動車道は、なにしろ山また山の中を走るので、かなりのアップダウンもある。
青龍寺の裏の宇都賀山が、この半島の最高点で、標高255メートル。そう高い山はないものの、半島の幅が狭いうえに、北側南側ともに入江や岬ででこぼこになっているので、平地はほとんどなく、有効な土地利用はできないのだろう。横浪三里側の一部を除いて、人家はほとんどない。
借りた自転車はマウンテンバイクで、ハンドルが横真っすぐなヤツで、これはどうも苦手である。どうしてハンドルを棒のようにしたのだろう。なにがどういう利点があるのだろう。わからない。
それでも、下りは快適だ。車も滅多に来ないので、ブレーキをかけずに風を切ってスピードを上げられる。けれども、下った後には、必ず登りが待っている。変速機はついているが、こいでもこいでも空回りするような感じもよけい疲れる。
ツヅラ崎へ向かう途中で、一か所だけ別荘のような建物が数軒ある場所があった。その先のカーブでは、軽自動車が何台も停まっている。こんなところで何をしているのだろう。
この道からは、海岸まで降りる道はなく、あってもけもの道のようなものだろう。そして、海ははるか下で遠い。
(2010/02/26記 2010/03/21Vol.2から移転統合)
▼国土地理院 「地理院地図」
33度24分46.07秒 133度26分23.40秒
四国地方(2010/01/21 訪問)
タグ:高知県
須崎を色々とご紹介頂きありがとうございます。
その場所に止まってる車はサーファーだと思います。
断崖の下に良い波のスポットがあります。
URLは須崎の釣りハエ、釣り場所のマッピングです。
ご参考まで。
by 通りすがりの須崎人 (2010-03-26 10:47)
@通りすがりの須崎人さん、コメントありがとうございます。
やっぱりね、サーファーですか。釣かサーフィンかだろうとは思いましたが…。
須崎の釣り場情報のページ、今日の526に紹介させていただきました。
by dendenmushi (2010-03-27 06:28)